2023/04/14 のログ
タマモ > 九頭龍山脈、そこにある、無名遺跡の一つ。
まぁ、今回少女が居るのは、少々発見の難しい遺跡だ。
入り口自体、生い茂る植物に隠れたようになっており。
その中も、ところどころに色んな植物が生息する。
それがあってか、材料収集に、この遺跡に潜る者は、それなりに居る場所なのだが…
もし今日、ここに訪れた者が居るなら、運の無い者だと言えるのだろう。

なにせ、気紛れに訪れた少女が、適当な場所に、ある罠を仕掛けたのだ。
ある部屋に入ったが最後、唯一の、その入り口は目に見えない力で塞がれる。
それを合図に、その室内は淫欲の霧に包まれ、その獲物を容赦なく発情させてしまう。
しかも、自ら慰めようとしても、高みに到れないおまけ付きだ。
その力の効果時間自体は十分程度のものだが、その短時間でも欲情に狂いそうにさせるには十分なものだろう。
…とは言っても、耐えられるかどうかは、その者の精神力にも影響をするのだし。
絶対にそうなる、と言うものでもないが。

ともあれ、己自身は、そこから少し離れた別室で、のんびりと待機している。
獲物が掛かったら、力の発動で分かるし、効果が切れた頃合を見計らい、ゆっくりと向かうつもりだ。

「………いつもの事、とも言えるんじゃが。
罠と言うのは、獲物が訪れてこそ、意味のあるもの。
誰も来なければ、意味もない、と言うのは何ともじゃのぅ」

もしゃもしゃと、持参したパンをぱく付きながら。
ひょい、ひょい、と今居る室内に生息する、何かの植物の木の実を採集していた。
名前は知らないが、なかなかに甘くて美味しい。
少女の、ちょっとしたお気に入りである。
それなりに、長持ちもするから、見掛けたら手に入れるようにしてるのだ。

タマモ > 「………はっ!?」

それから、どれだけ経っただろう。
とりあえず、特に反応が見られない為、少女はつい木の実採集に集中し過ぎていたのだ。
気が付けば、手元にある木の実は、なかなかの量に。
このまま食べて良し、材料に使うも良し、色々と使えそうだ。

袖から、もそりと風呂敷を取り出せば。
その上に、ぽい、ぽい、と採集した木の実を放る。
集め終わったら包み、しっかりと結び、よいせ、と手に持って。

「さて、今日は豊作、帰るとするかのぅ」

頑張った、みたいな感じに、ぐい、と汗を拭う仕草。
最初の目的は?なんて、野暮な事は聞かないように。
これはこれで、後を考えれば、悪くは無いのだ。
こうして、少女は風呂敷包みを手に、その場を後にする。
しばらくは、美味しい果実を毎日味わえるのだ。
自然の恩恵に、感謝。

ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。