2023/02/25 のログ
ご案内:「無名遺跡」にベルさんが現れました。
ベル > ──ダンジョン探索中の冒険者相手の配達採取依頼を完遂し、階層を降ってきた分だけ昇る帰路。
当然地図を確認しながら移動をしてきたのだが、突然目の前に、あるはずの無い帰路が現れる。
首を傾げながら後方を確認し、少しばかり引き返して見ると……
今、自分が地図に記されていない場所に居ることが判明した。

しかし、動揺こそすれど我を失うことはない。
ダンジョンで行動していると、こういった事象が起こることは決して珍しいとも言えなかった。
冒険者がこぞって訪れるような場所にはありがちな、常識の埒外の現象──
その現象に際して、いかにリカバリーするかが力量というものだろう。

そう考えて、位置から地図を作り直すくらいの気概で通路を歩き出し。
マッパー兼シーフ担当の冒険者でもある己には、ノウハウがある。

ご案内:「無名遺跡」にエステアさんが現れました。
エステア > 「おやおや、ネズミが迷い込んだみたい」

自ら作り替えたダンジョンの一部。
その最奥にてぼんやりと天井を眺めながらぼやく女が一人。
その空間に存在するのは女だけでなく、他にも蠢く存在が何体かいるようだ。

「せっかく君たちの安全な繁殖のために隔離をしたつもりだったけど…運の悪いやつもいたもんだ。
どうする?せっかくの良い雰囲気を台無しにされたんだ、落とし前でもつけてくるかい?」

迷い込んだネズミが男なら食い殺して糧にでもすればよい、女ならまぁ少し弄んでから好きにしてしまえ…と。
まるで悪魔みたいな提案を『彼ら』にしているが、それは女にとって世間一般の常識良識よりも己の使命を優先しているからにすぎない。

そして…彼らは希少なオーク種かもしれないし、獣人種かもしれない、はたまたスライムのような不定形な種族かも、または動物型の魔物か…なんであれせっかくの繁殖のタイミングで部外者が入り込んだことにご立腹な彼らは、女の煽り文句に呼応するようにしてぞろぞろと侵入者のいる方に向かい進み始めるのだ。
…侵入者にしてみればとんだとばっちりになるかもしれないが、世の中そういうものだしと、女は一人でまた笑った。

ご案内:「無名遺跡」からベルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からエステアさんが去りました。