2023/01/26 のログ
ご案内:「無名遺跡」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
ドラゴン・ジーン > 無名遺跡。数々数多の怪物達が跳梁跋扈する場。男女を問わずして命の危機にも等しくその貞操の危険性にまで見舞われる。しかし怪物達も悉くが人体のみに関心を抱いている訳ではない、その生態や誕生の由来にもよるが多くの目的を持って性交に及ぶ者達が居る。詰まる所においては怪物間における小競り合いや、そこに生じる性的交渉も無くは無いという話になる。
周辺には床や壁、天井には焼き締めた煉瓦が積み上がり、人工的な趣を醸し出す回廊がひた続いていた。獣脂が燃える松明が立て掛けられ、それが投げ掛ける薄明りによって浮き上がる遺跡の地下深くの景観。そしてその中を闊歩する怪物の姿が浮き彫りになっていた。

「………」

元々は煤を鏤めたような黒い色彩はコーヒーの中にミルクを落としたかのようなモノトーンの斑模様となっている。それら全ては一癖も二癖も在る遺跡の魔性と交配をした証であり、即ちは全身に波及した魔者達のミックスされた精液の描く柄だ。その疑似子宮を構成している腹部もこんもりと盛り上がり、搾取して回った数々の遺伝子が結実した成果として羊水のような養液内には片手の指だけでは数え切れない怪物の胎児が揺蕩うように眠っている。
恵まれた子宝に重みにでっぷりと垂れ下がった腹の丸みは余り長いとは言えない手足では釣り上げきれず、ざりざり半ば床面に擦りながらの歩行となっていたが。十分以上の強度を誇っているゴムのような腹膜は幸いながらに胎児に損傷を与える事無く形状を維持していた。

ドラゴン・ジーン > 「…………」

力としての強弱はこの際は余り関係無く、対峙した相手に敗北を喫したとしても、最終的に離脱出来ればこの通り何ら問題も無い。ぎょろ。と。頭部に張り付いている触角が踊るように揺らめき、染み出している水の匂いを察知して壁際に寄った。そしてしとしとと流れ伝っている地下水の清水溜りにへと竜顎を寄せ、ぴちゃぴちゃと水面を舐めて啜り水分を補給する。
遺伝子交配による新たな可能性となる子供を身籠る事は出来たが、まだこれで終わりと言う訳ではない。深層にまで潜ったならば、次は此処を脱出する事を考えなければならない。産み落とす子供等を安全に育てるには余り適した環境とは言えないからだ。

ご案内:「無名遺跡」からドラゴン・ジーンさんが去りました。