2022/12/25 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシルニアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からシルニアさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にシルニアさんが現れました。
シルニア > まずい状況になった。コクマー・ラジエル学院の授業の一環、無名遺跡での実地授業にて、はぐれてしまった。
遺跡群の中でも既に漁られた形跡のあるもので、比較的安全な場所ではある。が、団体行動中、ある生徒が引っかかった罠──足元に展開された転移魔法陣に転送されそうになった生徒を庇って、私がどこかに転送され、孤立してしまったのである。

万一に備えて生徒達は教師の方向がわかる魔石を所持している。勿論、私も。しかしそれは真上の方向を指していて、私は地下の階層へと転送されてしまったようだ。

「ひとまず、上に行く方法を探さないとです…。」

一人呟いた声が、石の通路に響いた。
…この調子ならば、教師や先生たちの私を探す声も響き、上への階層への道は早く見つかるかもしれない。耳を澄ませて進んでいこう。

転移魔法陣を見る余裕があれば、大体の方向はわかったのに。なんて後悔をしつつ。
杖の先に魔法で灯りを灯し、かつ、かつ、と足音を響かせる。

ご案内:「無名遺跡」にマグゴブリンさんが現れました。
マグゴブリン > 多くの冒険者達が財宝を狙い、地下深くまで足を踏み入れる古代文明の遺跡群。
かつて、遺跡を造り上げた古代人が立ち去って以降、これ等の遺跡は忘れ去られていた訳ではない。
利用する人々が居なくなった後、魔物や魔族といった人外の者達が棲み付き、今では彼等の塒と化している。

少女が罠に掛かってしまった無名遺跡も、その一つ。
足音を響かせて自身の位置を周囲に知らせる彼女の姿を離れた物陰から、
じっと息を潜めて見守る先住民たちの姿がある。
小柄な彼女よりも低い背丈で、耳は尖り、鼻は長い醜悪な貌の緑肌の亜人。

即ち、冒険者達が雑魚であると見做す低級の魔物であるゴブリンは、
弓を番えた矢を引き絞り、彼女がとある地点、植物の蔦が地面を這い、
歩みを緩めるか止めるかするであろう場所に至るのを静かに待ち続け。

いざ、その場所に彼女が至ったならば、前後左右から粗末な矢を射掛けようと放つ。
弦も緩んだ弓矢は殺傷能力は低いものの、掠りでもすれば身体を痺れさせる毒を鏃に纏っていて。

シルニア > …なにか、気配がする。私はぼんやりとそれを察知していた。
空洞音が極々僅かに乱れている。人よりも聴力が優れているミレーの私にはそれが分かる。

が、正確な距離、方向までは分からない。進行方向の先になにかいる、としか。
とはいっても、引き返すことも大きなロスだ。ここまで一本道だったから、この道が上に続くか、さらに深層に続くか確信できるまでは進むほうが効率的だ。多少危険だとしても。
だから、私は今までよりも警戒を強めて歩みを進めた。

「…!!」

その警戒の甲斐あって、きゅ、と響く独特な、閉所で弓を射た際の音を聞き逃さない。すぐさま反応し、回避行動を取ろうとする、が。

「わっ!?つ、うっ!」

足を取られた。ちょうど、私の立っていた場所が地下植物の栄える場所…一面に蔦のはりめぐされた場所だったからだ。地面を蹴るはずの脚は、蔦を蹴るだけでずる、と滑り、思ったように動くことが出来なかった。
更に咄嗟に身をひねる反応まで取るものの、左脇腹をかすめるのは、ボロボロの矢。制服を切り裂き、皮膚を浅く傷つけられた。

「ゴブリン、ですかっ。この程度の弓矢なんて…!」

矢の飛来した方向を確認して、灯りを強めれば、わずかに見える敵の影。その背の低さから敵の種を判断した私は、それを侮った。
粗末な矢。弓もきっと同様で、不意打ちされたから回避が出来なかっただけで、次は速度も精度も大したことないそれをかいくぐりながら反撃出来る。

そう確信して、距離を詰めようと前に駆けた。

「…?きゃっ…!?」

身体に僅かな違和感を感じると同時に、もつれてしまう足。さらに蔦に躓き、転倒までしてしまった。
転倒した際に感じたのは、脇腹の違和感。衝撃を受けても、その感覚がないのだ。

麻痺毒…!そう気付いた頃には毒がかなり回ってしまっていて、立ち上がるのにも時間を要する始末。

マグゴブリン > 弓矢を射掛けた後、矮小な亜人達は、直ぐに壁や障害物の奥に引っ込んで遠巻きに様子を窺い見る。
敵対する相手が身に着けている衣服を放った矢が切り裂いた事を確認しても、
決して、無防備に諸手を挙げて近寄るような真似はせず、慢心する彼女と対照的に警戒を怠らない。
だが、蔦に足を取られた彼女が転倒して蹲るのを見て取れば、恐る恐るという様子で物陰から出てきたゴブリン達は
相手を取り囲み、その一匹が地面に転がった杖を奪い取ると高々と抱えながら飛び跳ね始め。

「ギャヒャッ!ギヒヒ、奪ェ!殺セ!」

杖を振り回しながら歓喜に浸る一匹を皮切りにして、他のゴブリン達も彼女に手を伸ばしていき、
制服の帽子や冒険者の装備を剥ぎ取れば、自分の身体に身に付けたり、振り回したり、
と、まるで子どもが玩具を与えられたように無邪気に狂喜乱舞する様子を見せるだろう。
先住民の彼等にして見れば、罠に掛かった冒険者は獲物に他ならず、
金品や装備の類を奪い取れば、最早、用済みとばかりに彼女の身体を蹴飛ばして、
仰向きに転がすと粗末なナイフを突き立てて、その命を奪い取ろうとするが、

「フンッ、フフンッ……ンンン? コノ匂ィ……雌ノ匂イダゾ」

近寄った一匹が鷲鼻をひく付かせながら少女の匂いを嗅ぎ、怪訝そうに双眸を丸めると、
手にしたナイフを制服に突き立てて、上着を襤褸布へと切り裂いていき。
同時に他のゴブリン達も、少女の衣服を掴めば、ズボンを脱がし、下着にも手を掛けて、
目の前の男装の存在が、牝である事を確かめようと、衣服を引ん剥いてしまい。

シルニア > 「ま、まずい、です…」

起き上がろうとして、膝と腕の力が抜けて、再び倒れ込んでしまった。
治療関連の魔法に精通していない私は解毒の魔法は使えないし、汎用の解毒剤も今日に限って所持していない。
出来る抵抗は、魔力を練り上げて、魔法を使う隙を伺うだけ。

群れだとわかった以上、まともに動けない状態で下手に刺激するのはまずい。知能があるようだから、私の装備を奪って満足するかもしれない。命を奪おうとするのならば、最後の抵抗としてこの魔力を解き放ってやるのだ。

「痛…く、うっ!」

矢に傷つけられた脇腹を蹴られる。直接毒を塗られたそこには痛覚は感じないものの、内臓に響く衝撃が痛みとなって、苦悶の声を漏らした。仰向けになった際に身体が動いてしまえば、全身に痺れが響く。

「…」

予想通り、彼らは私の金品を奪う。食料や魔道具等が入っていた、肩にかけていたバッグを取られ、手に持っていた杖を引っ張られ、腰にかけていた短剣も奪い取られる。
命の危険はなさそうだ、と感じたのもつかの間。

「──!?」

私に向けられたナイフ。頃合いか。ナイフを構えたゴブリンの足元の位置をイメージし、魔法陣を展開。発動させようとして──

その動きが止まったのも見逃さなかった。まだ何か持っていると判断したのだろうか、私の衣服を引き裂く彼ら。まだ魔法を解き放つには早いかもしれない。

マグゴブリン > 装備品を奪い取った者達は、無邪気に戦利品を見せびらかし合い、嗤う。
個人としての所有の概念を有さない為に、仲違いする事もなく、
最早、倒れ伏した少女の存在よりも手に入れた杖や短剣、装備の類に意識が集中していた。
彼等にしてみれば、人間の雄などは装備品を剥いでしまえば、
それ以上の役割はなく、手っ取り早く殺してしまうのが常である。
だが、それが人間の牝であるならば、話は別で。
衣服を引き裂き、下着をはいで、半裸に剥いた相手が薄い胸の膨らみと
女性器を持つ女である事を知れば、愉悦の笑みに表情を歪ませ。

「クヒッ、雌ダ!雌ダ!犯セ、犯セ、孕マセロ!」

半裸の少女に数匹のゴブリンが一斉に圧し掛かるとその顔を脇の下や股間へと埋め、
冒険の果て、汗や雌の匂いを放つ場所にて鼻をひく付かせると芳しい芳香を嗅ぎ、
長い舌を伸ばすと、秘裂の粘膜や脇下の薄い皮膚を舐め、ぬめる舌を這わして唾液を塗りたくる。
彼女の皮膚や粘膜から浸透するゴブリンの体液は、雌がいない種である彼等が、
他種族を相手に繁殖を行ないやすくするための、興奮を掻き立て排卵を強制的に促す媚薬成分を含み。
彼女の頭側に廻った一匹のゴブリンは、相手の顎を掴んで顔を上げさせると唇を舐め、
咥内に舌を潜り込ませて、女の舌の根を絡め取りながら、より直接的に唾液を流し込んで、飲ませようとする。

シルニア > 「…!」

そういう目的でしたか…。なんて呟くこともままならない。痺れが広がり、脇腹だけでなく上半身の感覚もなくなってきた。
かろうじて、僅かに腕が動かせるだけ。

醜悪な顔を近づかせ、不気味な長い舌を伸ばしてくる彼らに対し、反射的に腕を伸ばして拒絶したくなるけれど、動けない。
殺されることはないけれど、それ以上に最悪なことになる…!そう判断した私は、彼の足元に展開した魔法陣に魔力を注ぐ。

「こ、の…!」

呂律の回らない舌、開かない口で可能な限り叫んで力んだ。同時に発動する、爆炎の魔法。
狭い空間での爆炎はダンジョンを崩しかねない危険な行為。だけれどあえてそれを選んだのは、威嚇を兼ねているから。

実際、体が動けない状態で群れで襲い来る魔物たちを撃退できる自信はない。せいぜい1、2体を負傷させられるくらいだろう。
だからこそ、彼らが私を危険だと認識して撤退してくれる可能性にかける。

マグゴブリン > 突如として遺跡内に巻き起こる爆炎。
数匹のゴブリンが爆風に巻き込まれて、壁や天井に叩き付けられる。

「ギヒッ!?」

既に力なく甚振られるだけの雌から、いまだ脅威であると少女への認識を改めると、
彼女の身体に覆い被さっていたゴブリン達は、その身体から飛び退き、
じりじり、と距離を取ると、其の侭、迷宮の暗がりの中へと一目散に逃げ去っていき――――。

ご案内:「無名遺跡」からマグゴブリンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からシルニアさんが去りました。