2022/11/25 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアストラさんが現れました。
アストラ > 無名遺跡には多くのトラップや、そこに潜む魔族がいる。
冒険者であっても徒党を組んで挑まなければ壊滅する恐れもある中々に難易度の高い場所であると認知されているが、アストラは現在一人だった。
ある程度の腕を持つアストラだからこそか、単にダンジョンという構造に慣れているからか。
天球儀のような魔導具を用いて魔術を使い、敵を払いながら探索を続けていく。
広いダンジョンなので他にも冒険者や探索者、トレジャーハンターなどが来ていることもあるだろう。

「……とんでもない罠だわ」

そんな遺跡の地下迷宮で、アストラはトラップに引っかかっていた。
人一人が抜けられそうな横穴があって、その向こうには見たことがないタイプの魔導機械。
これぐらいなら抜けられるはず、と帽子を外し、もぐり込んだのはいいものの。
お尻が。
お尻が大きくて引っかかってしまったのである。
しかも上半身は向こう側に抜けたので、戻ろうとしたら今度は大きすぎる胸が引っかかって戻れない。
完全な罠だわ、と真顔で思いながら、アストラは遠い目をしていた。

ご案内:「無名遺跡」にアストラさんが現れました。
アストラ > 「ん~~~~~っ」

どれぐらい時間が経ったか、奮闘することしばし、時には魔術も使って何とか強引に孔からすぽんっと抜けた。
疲れ切ったように息を吐きながら二度と無茶なことはするものかと誓いつつ、報酬とばかりに遺跡に埋もれていた魔導機械たちをアストラはご機嫌に掘り起こしていたのだった。
帰りのこともよく考えないままに。

ご案内:「無名遺跡」からアストラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にコルボさんが現れました。
コルボ > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「無名遺跡」にラバスさんが現れました。
コルボ > 特定のアーティファクト収集の依頼を受けて無銘遺跡に侵入した男、
普段は単独行動が多いが、今日に限っては違っていた。

知己に誘いをかけ、自分は索敵と探索に専念して周囲の対応をゴーレムに任せるスタイル。
比較的長期的な探索となる中で消耗を防ぐ想定もあってのこと。

変わりゆく迷宮の構造を推測しながら、どこに秘宝が現れるか読みつつ、奥へと進んでいく。

やがて落ち着いた頃、回廊と回廊を繋ぐ小部屋に至ると野営の準備を始める。

「やっぱ難易度高かったかね。ある程度見切りつけて撤退も考えた方がいいかなこりゃ」

ご案内:「無名遺跡」にコルボさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にコルボさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にコルボさんが現れました。
ラバス > 人の域で生活をするには人の域の通貨が必要で。
それを得るための手段の一つとしている冒険者稼業、その日は顔見知りの同業者に声をかけられて。
自分とは真逆の対人対話性能を持つ男に否やを提案する暇すらなく同道していた。

とはいえ仕事自体はいつもの調子。
自身は身体を使うわけでなく。

ゴーレム使いとして遺憾なくその業を使って遺跡を進んでいた。
主には小回りの利く狼型ゴーレムを数体、活用して。
彼が警戒をする補佐をするように、蛍型ゴーレムを飛ばして視界を確保しながら。

同行者の索敵、探索の技術の賜物か、さしたる危険も無く進んでいると思っていたところ、
野営の準備中にかけられる言葉。

「んー……まぁ君がそぅ判断したなら私は構わないけれどね」

彼の言葉に対する、YESともNOともとられないような言葉を選びながら。
心中を埋めるのは『難易度???』である。
彼の判断が何に基づくものか、任せきりでここまできて全く解っていないので。

そのくせ、変な所で念入りな性格ゆえに、彼が魔よけの香を準備しているのも確認しながら、
小部屋から伸びる回廊へと蛍型ゴーレムを飛ばし、哨戒にと配置して。

コルボ > 実際今回の報酬は高い方に分類される。
常に変化する無銘遺跡、その中に現れる秘宝の中でも更に限定されての探索。

長い期間遺跡を探索しながら捜索することになるその拘束時間も加味しての報酬で。

「奥の方へ潜れば、罠の多い方向に進めばそれなりに出くわす確率は高いとは思うんだがなぁ。
 装着させた相手を催眠状態にする腕輪、なんて遺跡のトラップの中にも紛れてそうだしな。」

どうやら好色な好事家の貴族が依頼したものらしく、内容はろくでもないもので。
かといって男はそういうのに興味はないらしく。催眠などかけずとも自分で落とせばいいのだから。

何より、男はきちんと報酬や依頼の手続きや交渉なども勝手にしてくれる。
かといって報酬に関して自分の取り分を主張することなくきっちり折半。
友人として、冒険者仲間として面倒なことは全部やってくれる男で。

そして貴女が哨戒用のゴーレムを飛ばしているのを見ながら、自分も香を一定間隔に焚いていく。

「ただ、すぐに帰るのもアレだろうよ。せっかくラバスと二人なんだからな。」

 香を焚き終えれば休憩用の魔術による自動展開式の大型テントを仕掛けながら。
 長いこと、男と女が遺跡で二人で潜っていく。何もないはずもなく。

ラバス > 彼女が聞いていたのは主に報酬が良い点と。
面倒事のほとんどは、彼がやってくれるという点。

冒険者稼業そのものにはそこまで仕事としての魅力を見出しておらず、
そもそも身元の保証もない体一つで出来る仕事のうちのひとつ。
精々新しいゴーレム作成へヒントを得られるか否か程度であり。

それが楽にこなせる点では、文句もない同行者ではあるのだけれど。

「遺跡モノを警戒なく付けるやつが悪いでしょ、そんなの。
 ……ぃや、折角もなにもせめてもう少し雰囲気のある所で言ってくれないかなぁ……?」

そこそこの付き合いで、男女の関係になったこともあれど。
まだ遺跡探索の最中であれば、彼の言葉に呆れたように言葉を漏らして。

自前の薬草煙草を一本、取り出して咥え、指先に魔術の炎を点灯させて火を着ける。

コルボ > 難易度が高い遺跡での探索。奥へ進めば現れるのは単純に手ごわいだけの魔物ではなく、
搦手が多い魔物達。

それ以上の搦手、悪道外道の類で凌駕し葬っていく男。
皮肉にも奥へ進むほど必要とされるのは適応性。
二人が組むことはそれを最大限発揮することでもあり、後方で戦っている貴女にとって
魔物からインスピレーションを得るには安全かつ最適な環境だろうか。

「遺跡産だってバレないようにする、のも駆け引きの一つだろうよ。
 ま、そういう駆け引きする暇があったら別のアプローチしろって話だけどな。

 雰囲気ったって、この遺跡どこまで行ってもほぼほぼ同じっつか。
 ……あー、奥に行ったらたまに出くわす地底湖とかのがよかったか?
 あの辺エロい魔物わんさかいるけども」

 紫煙をくゆらせるのを認めながら手際よく食事を用意していく。
 果物に簡単なサンドイッチ。後は飲み物。酒も持ち込んでいて。

「それに、俺とするの、ラバスは嫌いじゃないだろ?」

 などと、自信ありげに言ってしまう有様で。

ラバス > 遺跡を筆頭に、対応力を求められる探索において。
彼の仕事ぶりは信頼できるのだけれど。
纏っている胡散臭い雰囲気で大分損をしているだろうなとも思いながら。

そのくせ野営の準備なども手際よくこなしていくのだから、
なんともそつのないことだと、咥えた薬草煙草をゆらしながら感心する。

宝に偽装されて置いてあるトラップのことかと思っていれば、
それを悪用する輩の話だったのだろうかと思い当り。
そういえば、道中随分依頼主への悪態も聞こえていたな、とも。

「なんで遺跡で言う前提なんだぃ。もっとほら、夕日の映える海辺とか。
 星の瞬く夜空の下とか、そういう――……ぁ゛?」

雰囲気の話をして、遺跡内でロケーションの当てを探す相手に唇を尖らせ、
咥えた煙草をぴこぴこと上下させて。

物語か三文小説かで出てくる定番のような『雰囲気の良い場所』を挙げ。
その途中で、自信満々に聞かされた相手の台詞に、思わず言葉尻が濁る。

眼鏡がずれそうなくらいに小首をかしげて。
なんでそういう結論? といいたげな視線を、彼に向ける。

コルボ > 損をしている、そう思わせればこちらの思惑通りでもあり。
気が利く、見た目の割に腕の立つチンピラ。そのぐらいの印象が丁度いい。

そう言う風に見てくれる貴女とつるむのも、猶更そう言う印象を周囲に振りまきやすいのもあって。
……たまに自分と”組まされる”貴女に同情したように声をかけてパーティに誘う輩が少し増えたのは正直済まないと思いつつ。

「俺とこれだけつるんでそういうロケーションで口説けっていうの、ラバスぐらいなもんだぜ?
 それとも、俺が本気でセットアップしてお前口説いたら逃げられる自信ないのか?」

歯の浮くようなセリフ、を逆に言われた側としてそんなことを言う始末。
普段は持ち出さないが、冷却保存用の魔術を仕込んだバッグから酒瓶を出して放ってよこして。

「てか、最初の頃に比べればだいぶ砕けてきたと思ってたんだけどなぁ。
 距離感近づいてると思ったのは俺だけだったか」

 ケラケラ嗤いながら酒瓶の栓を抜いて口をつけつつ

ラバス > 元々、一人での行動が性に合うとはいえ、誘われればすげなく断るというほどではなく。
とはいえ積極的にこういった遺跡探索などをしているわけでもなければ、
だいたいは気ままにソロで依頼を受けているわけではあるけれど。

初めて組んだころから、態度やこういった軽口はともかく。
下にも置かない扱いをされていれば、そこまで彼に悪印象もなく。

「ん――……? ちゃんとしたところで口説かれたら逃げる必要なんてないじゃないか」

放られる酒瓶を取り……そこねて、侍っていた狼型ゴーレムが華麗にキャッチして持ってくる。
よく躾けられた犬のように尻尾を振ってそれを持ってくるゴーレムを撫で、受け取って。

彼の言い分で言えば、距離感はそれなりに近しいし、やり取りも砕けているほう。
それなりに納得いく言い寄られ方をすれば、別段褥を共にすることもやぶさかではない。

ただ、あけすけに先程のような物言いをされると、反応に困って素で返してしまうけれど。

コルボ > 「だったらそろそろ冬だし山の薬草採取行くか? 街の女だったらきついけど、
 同行できるラバスなら行けんだろ。丁度山の峰に月がかかる頃に見られる絶景とかあるしな。」

 一人で色々なところに依頼で出向いてるだけあってそう言うスポットは知っているらしく、
 貴女も、ゴーレムを足にすればいけるだろうと言いながら。

「ていうか、イイ女と二人きりなのにアプローチしないって男じゃねえしなあ」

 狼型が酒瓶を華麗にキャッチしているのを見つめながら。
 貴女の反応では取れないことも、ゴーレムがフォローすることも織り込み済み。
 全て合わせて貴女の実力、故に下に見ない。

 既知だからと、イイ女だからと評価を甘くすることはない。
 信頼しているから仕事に誘ってもいて。

「てか、さっきの”ぁ゛?”って他の奴にもやんのか?」

 距離を置くタイプではあると思うが、それでもわりとすごまれたので気になって。

ラバス > 「ぇ、冬の山、の峰? ぇ? 絶対ぃやだ」

ロマンティックなロケーションを要求しておきながら。
それを例示されると、その状況の甘やかさよりも、其処に至る過酷さを思い浮かべて。

移動だけならゴーレムを遣えば容易いけれど。
寒い冬にわざわざ猶更寒い、標高の高い所に連れていかれる想像をし、
二の腕を抱えるようにして身震いして見せる。

気安さからくる反応といえばそうだろうけれど、何とも面倒な性格をしていて。

酒瓶の栓を四苦八苦しながら抜き、彼が用意したサンドイッチを拾い上げて。
そうする合間に聞こえた声に、う゛、と。また妙な声を上げながら。

「やらないよ。ぃや気付かず出てるときはあるかもだけどねぇ?
 さっきも、何言ってんの?って思ったらああいう声が出ただけ」

基本コミュニケーションは苦手であるから、想定していない言葉には想定していない反応をしてしまう。
それを好ましい事とも思っていないのか、咥え煙草を揺らして。
酒瓶とサンドイッチを持って、テントに逃げ込んでいく。
途中、入る前には火を消し、煙草を携帯用の屑入に放り込んで、ポケットに仕舞い。

コルボ > 「お前ゴーレムに乗っていきゃいいじゃんかよ人馬型とかさあ。
 寒空の中で暖かい魔導テント確保しつつ食うスモアとホットブランデー美味いよ?」

 端的な単語で秒で断られると流石に男も肩透かしを食らいながら食い下がって。
 尚のこと甘味などで釣ってみるが効果は薄いだろうと思いつつ。

「え、じゃあなんでこの時期に海辺言ったのこいつ……。」

 多分その辺の印象が混ざっていけると思ったのだろうなぁと思いつつ。
 テントに入っていく貴女の尻をガン見しながら。

「少なくとも俺が見てる時は俺以外にはそういうのなかったから安心しろ。
 てか酒の栓抜けなかったのか……。」

それを口実にテントに潜り込みながら、貸してみろと酒瓶を受け取ろうとして。

「つーか、ラバスは人とのやり取りに正解求めすぎてんだよ。
 さっきの反応だって正解っちゃ正解だぜ。
 お前がいいなって思ってる奴、思ってくれる奴とつるむだけでも別にいいじゃねえか」

 チンピラ然としながらコミュ力が高い男はそんなことを言いつつ

ラバス > 「乗っても寒いのは無理だし雪山じゃ馬車も無理じゃないか。
 海辺は定番だから挙げただけだよ。夕日も星空もダイラス辺りなら好いスポットがあるだろうし。
 だいたい私はキャンプとかそういうのは仕事以外ではご免だよ、
 スモア……はいいし。ホットブランデーもいいけど」

身を屈めてテントに入っていく姿を後ろから見れば、
スキニーに包まれた肉付きの良い腰元から臀部までの丸みが分かるだろう。
ばさりと、コートで隠れるまでの合間ではあるけれど。

テントの中、酒瓶を取られれば僅かに面白くなさそうに口端を歪めて。

「ふふん。そういう話なら対人会話に正解なんてないだろう?
 別に私は正しい応対しかしたくなくて、『こう』なんじゃない。
 できれば一人そっとしてほしいし、そういうときは話しかけてほしくないし、
 でもたまにはお話もしたいなって思うこともあるだけなんだ」

何故か偉そうな態度で、とてつもなくどうしようもない自己主張をしながら。
要約するに、彼の言葉は一定の理があると認めた上で、それができれば苦労していない、と。
そんなふうなところだろうか。

コートを脱ぎ、クッション代わりにするには色々物を詰め込んだポケットがあるから
テントの脇に追いやりつつ。

伸びをするように両腕を頭の上に上げるようにしては、一息付けたとばかりに深く息を吐く。
それに合わせて、そこそこ豊かな胸元も緩やかに上下して。

コルボ > 「みんなそう言うから良い金になんのに。雪降ってる時しか採取できねえ薬草結構あんのにな。
 つーか、だ。じゃあ今度デートするか?」

 ふと、そんなことを言いながら、酒瓶の栓を抜くと手渡してから、テントの入口を閉めて。
 貴女と組んでいる時、男はその無自覚な女性の部分が垣間見えるのが好きらしく。

「まあそういう根拠なくふんぞり返るお前の仕草可愛いから好きだからいいけど。」

 何気なく、真正面から不意打ちをするようなことを言いつつレザーアーマーを脱ぐと隣に横たわって。
 苦労はしないという主張は感じ取っても、物がいいのだ、きっかけさえあればと思うことはある。

「ま、おかげで俺はラバスと出かけたい時にこうやって誘えるから良いっちゃいいんだが。
 大勢のパーティに誘われるとか人酔いしそうだけどどうなんだ実際」

 何気ない仕草で、酒を一口煽りながら服越しでも無防備な肢体を拝みながら

ラバス > 魔術によって持ち運びもできるようになっている大型のテントは、
そのまま寝転がっても、それなりの寝心地はありそうな床材で。
伸びをした姿勢のまま、ごろりと横になり、はぁ、と息を吐いて。
遺跡探索の中、ひとときの憩いの時間に身体の力を抜く。

「そこまであくせく働く気はないよぅ。……コルボとデート?
 ……んー。あー。まぁ私はそう、可愛いからな。……可愛い……?」

彼とデートと言う単語がまた思考を乱したらしく、数度瞬いて。
続けざまに聞こえた言葉にも、肯定をしながらも自分で自分を称賛する台詞に
疑問符を浮かべるという、なんとも締まらない反応をしながら。

あー、とか、うー、とか、言葉が出ない、というようにしていたけれど。

「ん……? ぃやパーティーどころか冒険者ギルドのロビーでも酔うよ。
 依頼張り出しの時間なんて近づきたくないもの」

大規模パーティーに参加する以前に。人の集まるギルドでも人に酔いそうだと零して。
そう考えれば、こうしてある程度は気兼ねなく会話できる相手は貴重かもと。
姿勢のせいでうまくピントが合わない相手のほうをちらりと見やる。

コルボ > 「ゴーレムって作成に先立つものいるんじゃねえの? 存外無欲だよなラバスって」

 力を抜いて、警戒する必要もなく、テントの中で二人きりで駄弁りながらごろ寝して。
 遺跡の中とは思えない快適さは技術の進歩の恩恵でもあり、気兼ねのない関係故でもあり。

「いやか? 俺とデート。嫌じゃないと思ったからそう言う提案なんだと思ってたけどな。
 お前はお前が思ってる以上に顔立ちからなんから注目されてんだよ。
 マジで自覚ないんだな。」

 自分で呟きながらも肯定できないその口ぶりに苦笑交じりにそんなことを言いながら、ちびりちびりと酒を口にして。

「……隅っこの席陣取ってるのそういうことかよ」

 なぁんか遠目に眺めてるのは億劫だからだと思っていたが、それ以前だったのかぁと
 何気ない会話をしながら、

「そんな中で俺とは組んでくれんだもんな。ありがたい話だ。
 そんなラバスにお礼をしないとなぁ」

 ちらりと見られれば、また酒を口に含むと、顔を近づけて唇を重ねようとする。
 受けるなら、口移しで酒を飲ませようとするだろう。

ラバス > 彼の言う通りゴーレム作成には素材は要るが。
国元に――……魔族の国に戻れば、それらは事足りるから。
無欲と彼は評したけれど、金銭欲という点ではそうでも、知識欲や好奇に対する欲はある。
ただ、冒険者としてはあまり露見しない欲であれば、そのように見えるのかも、などと思い。

「嫌じゃないけどさ。場所がバフートとか言ったらルプスをけしかけるからね」

ちゃんとした場所でのデートなら文句はない、と、遠回しに伝えながら。
注目されることがあるのは知っているが、むしろその視線も避けるようにするから。
眼鏡越しでも悪い視力で、瞳を細めている姿は機嫌悪そうにしているように取られているかもしれない。

「コルボは断る間もなく話纏めちゃうからじゃ……っ、ん、ふ……」

こちらが何か言う前に押し切られた、初めて共に仕事をした日を思い出しながら。
返事を返す合間に、彼の顔が近づき唇が押し当てられて。
薄く開けられた口から酒精の匂いと、味が流れ込んでくる。
口端からわずかに零しながら喉を揺らし嚥下しては、緋色の瞳を細めて。

コルボ >  彼からすれば知識欲がある者は欲する知識を得る為に金を放出する。
 その放出する金をまず得る手段がある。
 でも貴女にはそれがない。欲を満たす為の行動が伴わないのは、男にとって無欲とも言えて。

「ムードの真逆のところ端的に狙うと思うか……?」

 デートそのものは拒否されなかったことを受けてニィ、と嗤う。
 実際初めて会った時も不機嫌そうな印象を覚えはしたが、知ったことかと言わんばかりに
 普通に話しかけて押し切って、いざ話しかけてみれば対人関係に明るくないだけだったと分かって。

 何度か組んでるうちに肌を重ねる関係になって、それに対する忌避もないと分かれば、
 繰り返し誘って仲を深めて。

 嘘を言わない、距離も測らない。下半身に忠実だが女性を良く扱う。
 故に心を許してくれるのだろうか。

「交渉ってのは場の空気を握るもんだろ……?」

 一度唇を離してそう言うと、また唇を重ねながら背中に腕を回す。
 人と距離を取る貴女の懐に潜り込むように、腰や臀部の丸みを愉しむように手を這わせながら、
 お互い酒精の匂いと味で一つとなった咥内で舌を絡ませて粘ついた音を響かせる。

「ムードがなくてもなんだかんだ受け入れてくれるラバスこた俺ぁ好きだよ」

 などと言いながら着衣を緩めようとしてくる始末で

ラバス > 口内に溜まる液体を呑み込み。
鼻先に抜けるような酒精の香りに数度瞬きをする。

顔を離し、交渉について語ったかと思えば、また唇を寄せてくる相手。
身体を這う手の動きに特に抵抗はせず。

これも、彼の言う『交渉』の術なのか、それとも安い女と思われているのか、と。
益体も無い思考を浮かべながらに、口腔へと進んでくる舌へと、此方からも舌先を合わせて。

「っ、は。ン。……ん――……まぁ、減るものでもないし、ね……?」

身体を重ねることへの感覚も独特なのか。それとも、魔族であるがゆえか。
勿論、気に入らない相手に許すことはそうそうないだろうけれど。

彼女の感覚で言えば自身から忌避感なく、丁寧に扱ってくれるなら及第点。
そこから甘く蕩けさせてくれるなら文句はないというところ。

その点彼は物言いは兎も角、扱いは悪くないから。
こういう関係になることにもそう抵抗はなく。

だから、ムードはおざなりにでも、求められるなら。
ここが遺跡でという点は気にはなれど、安全が担保されているなら、と。
衣服を緩めてくる手にも抵抗せず、むしろ彼の衣装も解いていくように指を伸ばして。