2022/11/10 のログ
ご案内:「無名遺跡」にE・T・D・Mさんが現れました。
E・T・D・M > 迷宮が居る。
迷宮が在る。

E・T・D・M > 今日は清涼感を押し出した迷宮の造りとなっている。
初期の基礎建材は当然において元々から存在する天然岩の類であるが、
魔力による加工を行えば千変万化、あらゆる形に内部構造は変化するのだから。
かくして遺跡の一角は現在半固形と化していた、
多潤な水分を含有する物質はふやけたように柔らかくなり
そこに加味されている動物性のコラーゲンによってプルプルと弾性を伴う。
即ちにおいては縄張りである迷宮の一角がゼラチン質、有体に云えばゼリーのようになっていた。

E・T・D・M > 透き通った色合いを見るがいい、遥か古代の地層まで突き抜ける透明度はあたかも空の上に立っているかのような錯覚を齎す。
一歩踏みつけるその都度に体重を柔軟に受け止める床面は撓み、あたかもトランポリンのような反発をその足裏にへと返すだろう。
雲上の果てに巨大な豆の木を登る少年の物語を御存じだろうか、巨人の食卓に並んだゼリーに腰掛けた主人公とはかくなる気持ちに違いない。
そこ彼処部分において色味が異なるのは、部分部分によって添加されているものが異なるからだ。
鶏卵や動物の乳を混ぜ込んだカスタード、カカオを呑みこんだチョコレートプディング。
幾層ものゼリー地層の最中に果汁と果実がごろごろ犇いている場所があれば。
透き通ったアルコールを香らせる葡萄酒の層に小豆の混ざった羊羹層まで見受けられる。

「………」

が、しかしこれも無論においてこの納涼を語る空間も罠の一環に過ぎぬのだ。
ぬるりとゼリーに擬態している触手は幾本にも伸び渡り。
空間の一面の床面の硬柔を調整中、体重を受け止め崩れぬ場所ならばまだ良しとしよう。
しかしてやわやわに緩い一角を踏みつけてしまえば一巻の終わり。
その不幸な誰かはずぶずぶにゼリー沼に嵌ってしまう事となるだろう。

ご案内:「無名遺跡」からE・T・D・Mさんが去りました。