2022/10/02 のログ
ご案内:「無名遺跡」にE・T・D・Mさんが現れました。
E・T・D・M > 迷宮がいる
迷宮がある

E・T・D・M > 散りばめられた金と宝石を見よ
敷かれた一面の絨毯は全て深紅のビロードだ
まばゆいばかりの照明が絢爛と辺りを照らし出す
壁に使われている石材は艶々ぴかぴかの大理石
良き芯材を削り出したテーブルが犇めくように並んでいた
そして太古の『魔導機械』なるスロットマシンの数々も
此処は大昔のカジノルーム、行き交う従業員たちこそは欠け落ちて久しいが
それでもまだ此処は賭博の場としては尚も機能しているのだ

今しがたに油を挿したようなマシンの数々も、めぐり回るボールとルーレット
テーブルに並べられたカードはひとりでに浮き上がってシャッフルされ
配当金のチップは忙しなく室内を行き来する
街に存在する賭博場にも負けない立派に整った施設達だ

E・T・D・M > 此処ではあたかも街中のように金が物を云う
備え付けのL字テーブルのバーで酒を頼めば酒は出て来る
チップと引き換えに景品を望むならば自動的に貴重なマジックアイテムが配布されるだろう
ああ、しかしてこの場を支配しているのは悉くが金
無人の場であろうともそれが変わるはずもない
もしも財布の底まで金を根こそぎ吸い尽くされてしまえば
忽ちにその『客人』は『虜囚』にへと入れ替わる
ステージは見世物を催す為にスポットライトを浴びるままに待っていた
あるいは誰も居ない踊り子たちのお立ち台に誰かが立つのを?
現状の迷宮の一角において寄生する触手の群は影の役者を担い
方々におけるカジノの施設の整備をして回り、小間使いが如くに多忙に追われ続けている

ご案内:「無名遺跡」からE・T・D・Mさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にミメシスさんが現れました。
ミメシス > ――無名遺跡、地下迷宮のひとつ。
外の空気と違い、一定の温度と湿度を保っているため非常に過ごし易い。
あまり強くない部類の魔物はその環境を好んで集まっている為、比較的初心者向けの難易度の低い迷宮である。
当然存在としては脆弱な魔物に分類されるミメシスもまたこの地下迷宮に棲みついていた。

弱い魔物であれば弱いなりに獲物を狩る術を持っている、でなければ魔物と分類されないだろう。
犠牲者の声を語り、姿を迷宮の壁や亀裂へ或いは天井と同化させ、獲物が近づいてくると壁や天井から飛び、獲物に組み付く。
金属はその表皮より滲み出る粘液で溶かし、身体の何処からでも生やす事ができる触手を使い獲物を捕らえる。
捕らると今度はその犠牲者の身体に特殊な体液を擦りつけ、若しくはその獲物の身体に牙を突きたてる事で体液を注ぎこみ、犠牲者に交尾を強いる。
液体となった金属はすすり、粘液でふやけた布は千切り、交尾に邪魔なものを剥ぎ取りながら犯す。
確か肉体的に脆弱かもしれないが、ミメシスらはこうして搦め手を使う事で獲物に捕らえ貪っているのだ。

あわれな犠牲者は散々交尾を強いられた挙句、最悪無数の魔物蠢く巣に連れ去られるだろう。

――今宵は新たな犠牲者が生まれるのだろうか。

それは天井の模様と同化したまま、甘い香りを迷宮の通路に漂わせ、じっとその時を待つ……。

ミメシス > 僅かにであるが天井より魔物の皮膚から分泌された粘液がどろり……どろりと糸を引き滴り落ちて、地下迷宮の床に小さくもどろどろの粘液溜りを形成する。

そこより一層芳しく腐敗した果実の甘い香りが漂い、壁にかけられた光源の熱により蒸発し、更に迷宮の通路に小部屋に香りが広がっていく。

されど獲物は近づいてくる気配を魔物は感じれない。
すると次なる手として自分の喰らった冒険者の声を真似て、「タスケテ、タスケテ……。」と鳴くが当然聴く者はいない。

暫くはそうして獲物を寄せる努力を魔物なりにするのだが、諦める程度の知能はあったようで、天井をズリズリズリと這いずり、何かの這い進んだ痕跡を残しながら、次なる狩の場所へ迷宮の奥深くへと消えていくのであった。

残ったのはその足掻きの残滓。
甘い香りとヌルヌルの液体である。

ご案内:「無名遺跡」からミメシスさんが去りました。