2022/07/04 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエスピーさんが現れました。
エスピー > 「このっ───!」

護身用の1フィート棍棒は、流麗とは言い難い軌道で振るわれ、
飛び掛かって来た魔物の脳天を半分偶然に打ち据えた。
くぐもった声をあげて地面に落ちた魔物……が、一息つく暇もなく、別の魔物の気配が闇の向こうから迫る。

「ったく、休む暇もないデスね!」

女は身を翻し、短い呟きを吐き出してから、その場より駆けだす。
浅い階層を探索中の冒険者へ配達、という依頼だったから気軽に来たが、何やら魔物が増殖発生していたらしい。
これだけ魔物の気配だらけだと、それ以外の気配があれば確実に気付きそうだが、
そういう無害な者の気配は感じ取れない。この辺りには自分にとって有害な存在しか居ないらしい。
後方からしつこく追いかけてきていた魔物をどうにかこうにか撒いて、
身の丈以上の高さまで積み上がった瓦礫をよじのぼり、ひいひい言いながら乗り越え、
その向こうに降り立つと、瓦礫に背中を預けてぜえはあ呼吸を整える……