2022/06/09 のログ
ご案内:「無名遺跡」にE・T・D・Mさんが現れました。
E・T・D・M > 迷宮がそこに在る
E・T・D・M > 迷宮内の環境というのも、場所によって変幻して行くものだ
今、この場所には煮え立つような熱気が溢れている
焼けた鉄のような色味を湛える赤岩の岩壁の悉くはそれ自体が強烈な熱を発露しており
基本的に通気性の欠如した閉鎖空間を軽度のオーブンのように仕立て上げてしまっている
否、単なるオーブンでは無い、今も穿たれた穴の内より滴る地下水を取り込んでいる御蔭で
その水気は蒸発気化して白い湯気となってくゆりたちながら、あたかも霧のように一帯に蔓延している
高温多湿の籠り切ったこの環境は寧ろサウナであると呼ぶべきだろう

E・T・D・M > じわじわと吹き籠る熱量と湿気の狙いは立ち入る者達の衣類に在る
北風と太陽という話が在るが、立ち込める熱と湿度は汗の発露を促しながら
その全身にへと纏わりついて不快指数の高いどろどろの有様にへと沈めてしまう
寒波の前では獲物もぎちぎちに被服を着込むかも知れないが
この蒸籠の中の如しサウナ環境においては、寧ろ服や鎧を脱ぐ他にない寸法な訳だ

E・T・D・M > その地獄のような回廊を抜けた行く手においては、更なる『罠』が仕掛けて在る
吹き寄せる熱気が和らぎ始める頃合いを見計らうかのように
地べたの一部が掘削され、そこから懇々と冷えた清水が湧いている
その水底の深さは丁度半身浴が出来る程度、即ちにおいては水風呂仕立てとなっているのだ、『整う』という奴なのだ

ご案内:「無名遺跡」にエスピーさんが現れました。
エスピー > 副業でマッパーとして手頃なダンジョンに潜る事もある。
マッパーとは文字通り地図を作り、それをギルドなどに買い取って貰う、強いて言うなら準冒険者といったところか。
配達鞄の中身は冒険者グッズに入れ替えられ、こうしてダンジョンへとやってきた。
魔物や賊との戦いは得意と言えないが、逃げ足──もとい機敏さには自信がある。
そこいらの冒険者より危機感知能力にも長けている。
深い層まで潜らないのであれば、十分マッパーとして稼いでいく力量がある……

「あぁッつい……あっついデスよ、これは……!」

額の汗を拭いながら、言う間でも無いことを呟く。呟かずには居られない。
頭のおかしい奴だと思われないように羽織っているマントも丸めて鞄に突っ込んでいる。
これ以上布面積を減らすのも中々酷な水着めいた服装である、後はもうあつあつ言いながら進むことしかできない。
と──発見したのは、いかにも冷ややかな清水。

「ひゃっほーデス!」

見えた瞬間、本能の赴くまま、その水面に向かって足から飛び込んでいた。理性で、荷物だけは先に放り出したが。