2022/05/01 のログ
ご案内:「無名遺跡」にカミュさんが現れました。
カミュ > 無名遺跡─。
弱者はもちろん強者であっても油断をすれば命を落とす場所だが、古代の魔法機械や財宝が眠りそれを手にすれば潤う懐と名声を明りとし、様々な者達を今日も飲みこんでいる。
曰く魔族たちが今もその迷宮を広げている等といううわさ話もある。

経験を得るため、ちょっとしたお小遣いでも稼げればと経験の浅い冒険者達が訪れた浅い階層。
始めは迷宮で気前よく古代の金貨を見つけたりして若い冒険者たちの欲を煽られてしまった。
自身は引き止めはしたが、リーダー格の少年も、それ以外の仲間たちもそれに耳を傾ける事無くジワジワと奥へと進んでしまった。

その結果が今である。
暗闇での奇襲に浮足立ち体勢を立て直すために進んだ場所に張られた幾つもの転移罠。
それによって、仲間たちはあっさりと分断。
腰元にぶら下げたランタン持ち上げて照らせば石が積み上げられた石室。
やや埃っぽくかび臭い空気は澱みながらも苦しいわけではなく小さく一安心。

「よかった、水の中とか空気の薄い場所とか魔物がいなくて…」

と、未だに衝撃と緊張で早鐘の様に打つ心臓を落ち着かせるべく、片手を胸に置き息を整える。
先ずは状況の把握と、周囲を眺めれば石室は5m四方のおおよそ正方形。入口もしくは出口は目の前にあるのぞき窓の付いた分厚い木と鉄の筋交いの入った扉のみ。
そこでまた一安心してまだ少し混乱した頭でこれからの事を考え始める。

カミュ > 少し落ち着いたところで先ずは自分の装備品の点検。
転移罠にかかった時に何か失せ物がないか、また、壊れた物がないかを調べ始める。
程なくして装備に異常がないことを確認してから腰元にぶら下げた水の入った皮袋を持ち上げ、蓋を外してから口の中を湿らせるように一口。
緊張などで乾いた気がする喉はもっと水分をと欲しがるが、それを抑え込んで再び皮袋の口を閉じ、元あった場所へ。
緊張に固まった体もここに来た当初よりは柔らかくなっているがまだ硬さが残っていることを感じ、震える手を何度か握ってから軽く筋を伸ばしストレッチ。

ふぅぅぅーとゆっくりと吐息を吐き出してから手の震えも止まったことを確認して視線を扉へ。
細い手鏡を手に取り、のぞき窓の外へと突き出し周囲の確認。
扉の外は等間隔に灯る明りのお陰で幅2m程の通路と見て取れた。
そして、同じように等間隔に並んでいる今目の前の扉に似たそれが並んでいるのを考えれば一瞬倉庫かとも思うが、ちょっと上等な牢にも見える。
それは中から外に出られない様にとばかりに外側にだけある錠前のせいか。
また、扉の蝶番もやはり部屋の外側にある為、蝶番を壊して外に出る事もできない。
僅かな祈りを込めて自分を閉じ込めている扉の通路側を鏡で見れば、やはりほかの部屋と同じく外側に錠前がぶら下がっており、閉じ込められた事を知ってしまい、深いため息を漏らす。

ご案内:「無名遺跡」からカミュさんが去りました。