2022/03/11 のログ
■アライダ > 探索を終え、帰路につく。
今日の獲物は十分な量だ。
「報酬報酬……っと」
嬉しげに呟くアライダは、いつになく上機嫌だった。
ご案内:「無名遺跡」からアライダさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にE・T・D・Mさんが現れました。
■E・T・D・M > ダンジョンが居る
ダンジョンが在る
魔術とは便利なものだ
様々な体系が存在し
其々において異なる用い方が在る
今回はその数在る運用方法の一つを此処に表す
■E・T・D・M > 此処に迷宮が存在する
場所は地下の奥深く
岩壁に取り囲まれた空洞と回廊の連続
天然のままに拓け、代わり映えのない景観が何処までもひた続く
それが通常の状態で見えるこの迷宮の姿形だ
これに物理的な干渉を及ぼす事により変幻自在
様々なダンジョンの構造と法則を織り成す事が出来るのだが
それ以上に簡単に来訪者達に千変万化の体験をさせる方法もまた在る
それは訪れた人物の精神面、及びにその知覚機能に働きかけるという事だ
今、この迷宮周囲には『催眠術』に近しい魔法が蔓延している
もしも一歩でもこの場所に踏み込んだ人物の魔法耐性を、迷宮の魔力が勝るならば
たちまちにその知覚に入り込み、此処に幻覚を生じさせる事になる
■E・T・D・M > それは懐かしき故郷の風景であるかも知れない
それはトラウマに刷り込まれた忌まわしき過去の記憶の一部であるかも知れない
既に死した故人であったとしても『幻覚』ならば何ら関係も無い
踏み込んだ人物はそこに自分の良く見知った世界を認め
そして何も無い筈の場所に佇む記憶の存在より語り掛けられる事になるだろう
目に見え、耳に聞こえる全てを疑う心があったとしたら?
もしもその人物の魔法に対する対抗力が在るならばそれに逆らえるかも知れない
だが、概ねにおいては自らに刷り込まれた日常への対応に、その記憶が接ぎ木のように転化させられる
『此処』こそが来訪者達の帰るべき場所なのだ、と
■E・T・D・M > 「………」
でも、肝心の如何なる場面であるのか
それを選択出来ないのが聊か苦しい所でもある
幻術に惑わされた心理の間隙から記憶を読み込んだとしても
結局のところ幻というのは、それを見ている本人の記憶の鏡が映すものなのだから
極端に言えば一歩踏み込んだ瞬間に産まれたばかりの赤子の時代にまで遡り
精神退行を引き起こしてばぶばぶ言い始め、致し方なくそれをあやす事に終始していた事も在る
ルーレットが如くに如何なる目が出るかは、それを働きかける迷宮ですらも予想出来ないのだ
ご案内:「無名遺跡」からE・T・D・Mさんが去りました。