2022/02/12 のログ
ご案内:「無名遺跡」にE・T・D・Mさんが現れました。
E・T・D・M > 迷宮がそこに在る
今日はそこまで積極的ではない
故に少々ばかりに消極的な手段に講じる事にした
もしも冒険者が洞窟の中に立ち入るならば
比較的に魔物の出入りなども少ないその入口周辺において見付けるものがあるだろう
果たしてこんなものあったかな?と首を傾げるかも知れない
何時の間にかそこには白亜の噴水が出来上がっているのだから

E・T・D・M > 懇々と湧き出し続ける清水は円形の器より零れ出し
洞窟内の岩床に掘削された排水溝にへと飲まれて消えて行く
しかしながらにもしも明かりを手にしているならば
その照明を吸ってきらきらと輝いているのは
その透明な水面だけではないと直ぐに判るだろう
噴水の中には無数のコインが沈み込んでいるからだ
街中でも時折にあったりする文化の一つ
噴水にコインを投げて祈れば願いが叶うという様は奴だ
水底においては無数の小銭レベルの貨幣が沈み込んでいる
もしも更に注意深い人物が目敏いならば
それらの貨幣が時々にその位置を変えているのも見えるかも知れない
所謂生きたお金、クリーピングコイン、そしてもしもわざわざ水の中に手を突っ込み
その小銭を拾うような輩であれば、その罠に引っ掛かるという寸法なのだ

E・T・D・M > プッ

内側から水鏡を割ってコインが垂直に真上に飛び出した
ぽちゃん、そしてそのまま再度水の中に滑り込んで底にへと沈み行く
暇な手慰み、というよりも口慰みというべきか
鉱石的な白く磨かれた器の水底が柔らかく歪む
一文字に線が走り僅かに底が開いた
欠伸めいてぽっかりと寛いだ口腔内には肉色の触手が蠢き
ごぼごぼとまるでうがいのような音を立てて幾重にも泡が立ち昇る

おっといけない

こんなところを観られたら即バレだ
ぱくんと今一度に開きかけていた口部分を閉ざす

E・T・D・M > しっしっ

誰にでも立ち入ってしまえる浅層であるからこそにおいて
中には獲物ではない何かも立ち寄って来た
時折寄って来る鴉などはぴゅうっと水鉄砲を噴いて追い払う
どうして連中は光物が好きなんだろう、財宝を守る竜達みたいだ
猿とかが此処ぞとばかりに水浴びをしてゆくこともある、此処は君の風呂場じゃない

E・T・D・M > ぷくぷくぷく
音を立てて水面に浮いては割れる水泡
しかしそれも水質の成分や粘度に変化を入れれば遊びになる
表面張力が弱くなった泡は薄い虹色を孕み
弾け切らずにぷつんと水面より離陸を開始した
大玉であるほどに綺麗に丸く、そして遠くまで浮かべるのは難しい
ふーっと水面に細波を作る呼吸の風がでっかいシャボン玉を束の間に運ぶ
落ちた。ぱちんと弾ける

ご案内:「無名遺跡」からE・T・D・Mさんが去りました。