2022/02/10 のログ
ご案内:「無名遺跡」にヴェルサイユさんが現れました。
ヴェルサイユ > 「────風よ!」

掲げた杖の先から生み出された風の刃は、虚空に見えざる軌跡を描き、
飛びかかってきた魔物を真一文字に斬り裂いた。
屍と化したモンスターが地に落ちるも、一息つく暇もなく、別の魔物の気配が闇の向こうから迫る。

「まったく、休む暇もありませんわね…!」

女は身を翻し、クレバーな魔法使いにあるまじき姿ですわ、と忌々しげに呟き、その場から駆けだす。
高価な魔道書を購入するための冒険に訪れたのだが、どうやら危険な区域に迷い込んでしまったらしい。
これだけ魔のものの気配が濃いと、魔のもの以外の気配があれば確実に気付くが、
そういった気配は感じ取れない。
どうやら、この区域にいるのは、自分にとって有害な存在だけらしい。
後方からしつこく追いかけてきていたモンスターをどうにか撒くと、
身の丈以上の高さまで積み上がった瓦礫をよじ登り、乗り越え、
その向こうに降り立つと、瓦礫に背中を預けて呼吸を整える……。