2021/12/03 のログ
影時 > 「使いを先にやって探らせンのも――、嗚呼、駄目だ駄目だ。愉しみがない」

罠があれば踏み抜きたいという訳ではないが、だからといって安全重視というのも考え物だ。
静かに立ち上がり、羽織や装束の尻を叩いて土を落とす。
腰に帯びた太刀の位置を直し、身に仕込んだ刃や纏う防具の重みを確かめる。

そうして踏み出す足取りは軽く。
だが、音はない。周囲の僅かな音に紛れるように静かに、羽織の下から出る柄に左手を置いた姿は進む。
道程を阻むものはない。魔除けの如く、像の類は道の左右に置かれているが、闖入者を見咎める風情はなく。

程なく内部に辿り着けば、十二分に見分と遭遇を経て帰途に就くか――。

ご案内:「無名遺跡」から影時さんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にアーセルさんが現れました。
アーセル > ギルドのメンバー達と先遣部隊として浅層を進み、行き当たった小部屋。
中にあった宝箱に罠が無い事を確認して、開けた瞬間の事だった。
突如、自分の足元穴が生み出され、なす術も無く落下し――

「ぎゃんッ!?」

長い長い滑り台を降りた先、ぽいっ、と無情にも吐き出されて盛大な尻餅である。
とてつもなく痛い。割れたかもしんない。
そんな事を考えながら、涙目になりつつ周囲を見渡せば、
たった今自分を吐き出したのだろう穴が閉じられていく。

「ああッ!? うそうそ待って!??!?!」

アーセル > 自分を吐き出した穴が開いているからといって登れるワケではないのだけど。
それでも縋らずにはいられない。
無情にも閉じられ、今はもう隙間すら見えない綺麗な壁。

「そんなあ…。」

ぺたぺたと触ってみても変化はない。
しょんぼりしつつ、耳元の通信具へと触れ。

「もしもし、もしもーし……ううん、こっちもダメかぁ…。」

落下の衝撃で壊れてしまったのか、はたまた妨害されているのか、
魔力で動く通信具もうんともすんとも言わない始末。
大変困った事態である。
床に座り込んだまま、再び周囲を見渡して。

アーセル > 壁、壁、壁、通路。
さっきまで四方を壁に包まれていたはず。

「あらまあ。」

思わず間の抜けた声が出た。
間違いなく罠なんだろうけれど、この道以外に進む所もない。
少しの間唸っていたが、やがて立ち上がっては新たに出来た通路の方へと進んでいく――。

ご案内:「無名遺跡」からアーセルさんが去りました。