2021/11/06 のログ
ご案内:「無名遺跡」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 九頭龍山脈の麓にある、名前も存在も忘れ去られた遺跡群。
築き上げた古代王朝は既に滅び、誰に何の目的で作られたのかも分からなくなった遺跡は、
人々には見向きもされなくなった代わりに、魔族や魔物の住処として活用されている。
その内の一つ、ゴブリンが巣穴とする古代遺跡で中年冒険者は嘆息を漏らした。
「全く……、ゴブリンと遺跡のコラボで此処まで酷い事になるとはなぁ」
近隣の街道で乗合馬車が襲われて、乗客が誘拐された事件の調査と討伐の依頼がギルドに寄せられて数日。
逃げ延びた御者の証言や先行した斥候のお陰で犯人であるゴブリンの巣穴は判明したものの、
其処から先に待ち受けていたのは悲惨極まりない有り様であった。
先ずは当の斥候を含む冒険者の一党が遺跡に潜行するも、罠に阻まれて、
その後、別の一党が数体を退治するが誘拐された人々の確保には至っていない。
ゴブリン自体は強くはない魔族だが、古代遺跡の罠との合わせ技は厄介極まりないらしい。
酸性の罠で装備を溶かされた上で毒矢を浴びたらしき冒険者の末路を思い返しながら、
安全地帯で小休止を取るために、床の上に腰を降ろして肩を竦めた。
ご案内:「無名遺跡」にハクラさんが現れました。
■ハクラ > ゴブリンによる街道の襲撃事件から数日後、私は他の冒険者の方たちとともに、無明遺跡の調査、討伐依頼に参加しました。
ゴブリンはそう強い魔物ではありません。私も剣の腕に自信がありますから、後れを取るような相手ではない、そう思っていました。
ですが罠とゴブリンたちのずる賢さに大苦戦をしています。
分断され、仲間が散り散りになる中、どうにか活路を開き、安全地帯に逃げ込んだ先にいたのがトーラスさんでした。
熟練の冒険者と聞いていますし、立ち振る舞いなども強そうな彼を見つけて少し安心します。
「トーラスさん、状況はどんな感じでしょうか?」
彼の隣に座り、一息つきました。
■トーラス > 遺跡の地べたに腰を据えて、小休止を取っていれば、
掛けられる声に視線を上げて近寄ってくる少女の姿を捉える。
ギルドからの同じ依頼でゴブリン退治を引き受けた一党の一員。
周囲に彼女の仲間達がいない事を確認すれば、眉尻を下げて。
「あんまりよくねぇなぁ。連中、罠の位置を熟知してやがる。
……そっちはアンタ一人、か?」
仲間の姿が見当たらないという事は彼女もゴブリンの襲撃や遺跡の罠に嵌められたという事だろう。
厄介此処に極まり、と面倒そうに眉根を顰めると後頭部を掻き、入れ替わりに腰を上げて。
「如何にも分が悪い。一旦、仕切り直した方が良さそうだ。
アンタも、戻るならば外まで一緒に行くか? 仲間を探すってんならば止めないが」
長年の冒険者としての勘と損得勘定から脳内で算盤を弾き、
準備不足による撤退を決め込めば、潔い程の逃げの一手を躊躇しない。
遺跡内で巡り合った彼女にも、同業者として声を掛けると、来た道を戻っていき――――。
ご案内:「無名遺跡」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からハクラさんが去りました。