2021/10/17 のログ
■イファ > やがて
前方に光が降る様子が見えて来る。緩く吹いていた風が、明らかな瑞々しい緑の香りを含んで強くなってくる。
辿り着いたのは天井が吹き抜けて地上へと届いている場所。
かつては広間であったのか、床は模様を描いたタイルで覆われていた、ようだった。今は朽ちてぼろぼろだが、それでも鮮やかな色が所々にのこり、朧に紋様が伺える。
外界へとつながる壁は下は大理石、上に向かうにつれ積み上げたような斑の岩肌、それから根太の絡んだ土壁と続く。崩落か何かで抜けたものではなく、意図的に造られた場所なのは確かだ。
「…良い夜だな」
女が見上げれば、少し欠けた白い月が中天に見える。
しんと静まった空気の溜まった地下の広間に、天上から森の生き物の声が降って来る。
潮時だろう。女は口元笑みを浮かべると
ザッ
ごく軽い土煙が一つ立った後
月明かり降り注ぐ広間はまた、太古の姿をしんと晒すだけの場所に戻る…
ご案内:「無名遺跡」からイファさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にスゥさんが現れました。
■スゥ > 遺跡の深部、不意にぽかりとひらけた空間に、其れ、は在った。
高い天井、鍾乳石を思わせる、ほの白く艶やかな石で出来た壁面、床、
そして、中央に鎮座するのは、淫靡に濡れ光りながら蠢く、生きた立像がひとつ。
「ん、………はぁ、ぅ、……ん、んん、……んむ、ぅ」
濡れ霞む双眸を緩く閉ざし、呻くような声を洩らしながら、
ゆらゆらと身悶える黒衣の娘。
頭上に高く吊り上げられた双腕は、やはりほの白く、滑らかに蠢く異形の腕に戒められ、
ドレスの上から娘の肢体に、幾重にも巻きつく其れらのうち、
数本は娘の足許からドレスの裾へ忍び込み、内部であやしく蠢き続けている。
逃れる術も無く、救いの手も望めぬ儘、悲鳴も嗚咽も封じるよう、
喘ぐ娘の唇にすらも、白い異形の一本が捻じ込まれて。
じゅぷ、じゅぷ、卑猥な抽挿を繰り返す其れが、ぶるりと震えた拍子、
ごぽっ、と、娘の喉奥で悍ましい熱量が爆ぜた。
「ん゛っ、ん、んんん、ぅ……!」
ぐぶ、ぐぼ、押し込む動きを繰り返す其れに、熱くてどろりとした液体を、
嚥下するよう強いられて、娘はますます苦しげに身を捩るも、
飲み下して、胃の腑を満たして、また、意識が遠くなる。
つう、と口端を伝う、白濁した蜜液。
其れと時を同じくして、ドレスの奥に隠された娘の内腿にも、
とろとろと、悦楽の蜜が溢れ、滴り、蠢く異形をいっそう卑猥に彩った。
そうして、異形の放つ光は更に白く、強く、人目を誘う。
人の生気を糧として、瑞々しく輝きを増す異形の怪物。
贄として嬲られている娘は、この異形の下に、冒険者を誘う生餌だった。
■スゥ > そうして、数刻、あるいは数日。
娘の行く先を知る者は、恐らく――――――――
ご案内:「無名遺跡」からスゥさんが去りました。