2021/07/09 のログ
ご案内:「無名遺跡」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 無名遺跡群の中の一つ。魔導機械時代の地下シェルター。
そこは、魔王ロブームのアジトである。
ロブームがばら撒いた魔導機械兵が警備する、迷宮の様な内部の奥底。
そこは、まるで王宮の謁見の間と見まごうような、真紅の敷物とシャンデリアが彩る場所に変わっていた。

「……ふむ。美しい」

その部屋の奥で、玉座のような椅子にどっしりと座る太った男――ロブーム。
しかし、彼は別に自らが容易した調度品を褒め称えた訳ではない。
彼が美しいと褒めそやしたのは、椅子のそばにあるサイドテーブルの上に置かれた、宝石である。
そう――この宝石だけは、彼が自分で用意したものではない。

「魂の結晶化――王都の中でも美しい心を持つと呼ばれた姫君のものを使ってみたが……中々どうして」

今頃、抜け殻となった肉体に魂を戻すべく、街で捜索隊が組まれているだろう。
それを見越して、わざわざ自分も、瞬間移動ではなく、飛行で此処まで翔んできた――捜索者に、自分の位置を誇示する為に。
その捜索者が、もしも美しい心の持ち主であれば、彼の餌食がもう一人増えるからだ。

「(まあ、必ずしも当たりを引けるとは限らんが。ハズレならそれはそれで良い)」

その時は、姫君の肉体を改めて誘拐し、彼女を使って無窮を慰めるだけのこと。
男は、徒労を厭わない――男には永遠の時間があるのだから。

ご案内:「無名遺跡」にロブームさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からロブームさんが去りました。