2021/07/06 のログ
ご案内:「無名遺跡」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 「あちゃあー」

零した声は広々とした空間によく響く。

遺跡のまだ浅い場所、九頭龍山脈の麓と交じり合って半分が森に飲まれている辺り。
下層へ潜るのは目的ではなく、森と遺跡と曖昧な場所で育つ苔類を調査というか見物というか、採集に来たエルフは、気の向くまま蔦植物た繁る方へ進んで見つけたのが、巨大な穴とでも言えそうな空間だった。
恐らく元々広間として造られた空間の天井が崩れたのだろう。上を見上げれば森の木に縁どられた灰色の空。
そしてそこから今はしとしとと雨が降り落ちていて、元広間らしき床は水浸しになっていた。

「んんー…これはちょっと…どうしよかな」

一段高くなっている狭い回廊から、広間の床へ踏み出すかどうか迷う。
広がる水たまりは澄んでいるけれど、所々根太が這った床の罠は只でさえ探り難い。
来たからには手ぶらで帰りたくない気もするし…ならば引き返して、他の路を探るべきだろうか?

(…元は宗教的な何かかな……)

回廊の淵に手を掛けて広間へ身を少し乗り出す。戻るのはめんどくさいなあ、という気持ちを何とか宥めようとしつつ、元広間の壁を見詰める。
ここも蔦植物が至る所に這い、更に壁内部から根太が盛り上がっているのでかつての面影は殆ど捉えられない。
女エルフはそれでもなんとか面影を見透かしてみようと、曇り空からの薄明かりに瞳を凝らしてみる。

ご案内:「無名遺跡」に黒須さんが現れました。
黒須 > (無名遺跡に到着した黒須。
いつも通りの行動として後ろ髪に手を伸ばして指先でボリボリと掻いていた。)

「めんどくせぇが…まぁ、金のためだ、しゃぁねぇな…。」

(冒険者ギルドで見つけた依頼、遺跡での魔族の生存確認及び盗賊や小部隊のキャンプ地確認と言った偵察依頼であった。
以前も同様の物を受けていたがこの仕事は探すのに少しめんどくさいのは欠点ではあるが、それでも報酬は悪くない。
少しは羽目を外しても罰は当たらないと言った具合の金額が入るために、やってみるも良いかと思えた。)

「しかし、前も来たが変わりはなさそうだな…。
匂いは変わらずだし、軽く見て…。…あ?」

(散歩気分で周りを歩き回り、それらしい反応がないかを鼻や聴覚で探す。
魔術の力を少し持っているために嗅覚でも感じれるようになったことから、魔族探索に向くようになった。
その途中に大きな穴を見つける。
雨が流れ、その下の広場らしき所が水浸しになっているの上から覗き込んでいた。
しゃがんだ時に鼻が感知した匂い、それは魔族ではないが誰かの匂いだった。)

「…おい、そこに誰かいるのか?」

(穴の上から声を掛け、広間に誰かいるのかと声をかけることに。)

ジギィ > 上から落ちて来る音は広間によく響く。
雨や森のものとは違うそれに女エルフは敏感に反応して視線を跳ね上げて、上から見えないように回廊の奥へと退避した。

「――――…」

続いて振って来る声。
聞き覚えがあるような気もするが…特に助けを求めたい状況でもないし、或いは野党の類かも知れない。森の人たるエルフはひとまずそのままやり過ごそうと気配を顰めた。
上に居る者が気にしなければ、そのまま広間は雫の音が響くままに時が流れていくはずで…

ご案内:「無名遺跡」からジギィさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」から黒須さんが去りました。