2021/06/26 のログ
ご案内:「無名遺跡」にイーゴリさんが現れました。
■イーゴリ > 遺跡に潜る事数日――と、言うか、強制的に潜らされている。
上階で遭遇した魔物の群れとの戦闘中に作動してしまった罠に流される儘、あれよあれよと下層へと。
その上、迎えてしまった満月の日のお陰で、普段の身体に合わせて拵えている武器の取り回しのし辛い事。
「―――……。」
盛大な溜息を吐きながら、薄暗い無機質な通路を進んで行く。
魔族の改造の手が入っているのだろう、上階に比べて強い人工物の匂い。
ショートボウを軽く構えつつ、静かな足取りで歩みを続けて。
ご案内:「無名遺跡」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 魔族が棲み付いた無名遺跡の下層階。
朽ち果てて苔生した上層階とは異なり、明らかに人造の気配を感じさせる通路に、
ランタンの光に照らされた中年冒険者の影が長く伸びる。
遺跡に魔改造を施した魔族達による卑劣な罠に嵌った訳ではなく、
正規のルートにて目的を持って降りてきた彼もまた同様に数日間の探索の真っ最中。
故に、正面から近付いてくる存在の足音や匂いは彼女の聴覚や嗅覚を刺激した事だろう。
尤も、男の方とて下層階まで単独潜行を果たす事が可能な熟練冒険者であり、
魔物や魔族の奇襲を前提として行動しているために周囲の気配に対して
過敏な迄に神経を尖らせているのは間違いなく、一片の油断も抱いていない。
互いの何れかが背を向けて来た道を引き返さない限り、正面からの遭遇は避けられない筈で。
■イーゴリ > 幾度探索を行おうと、日々施される魔改造にマッピングは殆ど意味を為さない。
尤も、此処がどの階層に位置するフロアなのかも分からないのだが。
改造を施しただろう魔族の癖を読み取りながら、周囲への警戒を行い進む内、
不意に嗅ぎ取る異なる匂いと聴覚が捉えた足音。
矢を番えた状態でショートボウを握り直し、歩みを止めた。
「――――……。」
遠目、曲がり角があったのだろう、現れた灯り。
魔物ではない事は容易に判断出来る。――が、さて、と一呼吸。
キリキリ、と弓を引き絞り、男の進路方向、威嚇行為と分かり易く地面へと一射放ち。
■トーラス > 人外の聴覚を有する相手と違って、研ぎ澄まされていても人の可聴域を越えぬ身。
彼我の邂逅に於いて、先に相手を見付けるというイニシアチブは相手に譲らざるを得ない。
飛来する風切り音を聞き取った直後、地面に突き刺さる牽制の一射の存在を捉えると、
間髪入れずに曲がり角の向こうへと顔を向けて、手にしたランタンを投擲すると同時に地面を蹴る。
端から乱暴な扱いを想定された頑丈なランタンは互いの中央辺りに落ちても壊れる事無く周囲を照らして、
遺跡の薄暗さの中に確かな光源となり得ると、彼女の姿と通路を疾駆する男の姿を照らし上げる。
「――――ッ!」
右手に鞘から引き抜いたロングソードを握り締め、左手の前腕部に装着した丸盾を前に、
光に照らされた人型の存在を床か、或いは、壁へと突き飛ばすべく、突撃を放ち。
功を奏して、相手の体勢を崩す事に成功するならば、すかさず、右手の剣先を突き付けようとして。
■イーゴリ > この薄暗闇の中、躊躇無く光源を投げ捨てる様は紛う事無く熟練者の動き。
尚且つ、迷宮と化した遺跡層の主でもない事は明白だ。
続け様、互いの距離を詰める動きに射撃は無意味と判断すれば、
その場で手放した弓が、ガラン、と音発て転がり落ちる。
代わり、腰裏に手を伸ばしてダガーナイフを引き抜き、突き出される丸盾からの衝撃を往なすも、
強化前の体では体格差もあって全ての力を殺し切る事は出来なかった。
「ッ、―――」
横へと力を逸らす儘、崩れた重心はその身を壁へと打ち付ける。
咄嗟、体勢を整えようとはするものの、突き付けられる剣先に、数秒の無言の後、
ダガーもその場に落として両手を顔横へと上げ、これ以上の戦意が無い事を示し。
ご案内:「無名遺跡」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からイーゴリさんが去りました。