2021/06/21 のログ
ご案内:「無名遺跡」にウーズさんが現れました。
■ウーズ > 暗い遺跡の一階層。そう深い場所ではない。
初心者冒険者でも、気を付けながら探索に挑めば辿り着ける程度の階層だ。
出てくる魔物もそう強くはなく、代わりに見入りも左程ではない。
――そんな場所に、今日は異変が起こっていた。
魔物の、生命の気配が無い。
如何に遺跡とはいえ、如何に潜んでいるとはいえ、微かな物音、息遣い、あるいはもっと直接的な魔力や生命力。
そういったものを感じる筈の階層に今日は、何の気配も感じない。
まるで、何かが静かに、確実にこの階層にいる生き物を屠って回ったように――。
そして、次の階層に向かう階段の前に異変の原因は鎮座していた。
どろどろ、とその下半身から零れる泥濘がその存在をずっと手前から知らせる。
甘ったるいような腐敗したような瘴気の香りを漂わせながら、騎士鎧の魔物はそこにいた。
まるで、そこで動力が尽きたように動かない侭、あるいは何かを律義に待つように。
■ウーズ > ぞ――ぶ――。
ぬかるんだ音がひとつ、響く。
やがて鎧姿の粘液が次のフロアへと降りていくのが見えるだろう。
尤も、生命の気配のないその階層でそれを咎める者などいるはずもないのだけれども。
ご案内:「無名遺跡」からウーズさんが去りました。