2021/06/11 のログ
ご案内:「無名遺跡」にダフネさんが現れました。
■ダフネ > ず、ずる、ずるる、っ――――――
そこは、暗く深い遺跡の奥。
湿った硬い床の上を、誰かに、何かに、引き摺られている。
細い両足を足首あたりでひとまとめに捉え、ずるずると引き摺っているのが、
人間なのか、それ以外の何かなのか、意識の朦朧とした足の持ち主が知る術はまだ、ない。
ただ、ずるずると、ずるずると――――――
どこかへ、それもたぶん、あまり嬉しくない場所へ。
運ばれているのだ、ということだけは確かだった。
翼が広がる背面で引き摺られているから、それほど痛くはないのが、
救いと言えば、救い、かもしれないけれども。
今日も、気ままな空中散歩を楽しんでいたはずだった。
けれども不意に、翼が、四肢が、何かに絡め取られたように、
自由を奪われ、急降下して、それから、それから――――――
覚えていない。
まだ、思い出せない。
意識が戻るまでには、まだ少し時間がかかりそうだった。
■ダフネ > より暗いところへ、より深いところへ。
ずるずると引き摺られて行った、その先は果たして――――――。
ご案内:「無名遺跡」からダフネさんが去りました。