2021/06/10 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > 九頭龍山脈、そこにある無名遺跡の一つ。
そろそろ、深部に到達するだろう、その辺りか。

今日は珍しく、少女は目的を持って、行動していた。
この遺跡の深部、そこに生息する…薬草?か何かを、取って来て欲しい、と。
それを伝えて来たのが、己の式の一人、と言うのが少々引っ掛かってはいるものの。
とりあえず、仕方無い、とやって来たのだ。

一応、どんな薬草かは、資料を見せて貰って分かっている。
珍しいもので、生息地も限られており、何本も生えてるようなものではない。
…うん、あれだ、誰かに先を越されてたりしていたのなら。
殺してでも奪いt…じゃない、犯してでも…でもない。
その時はその時で、考えよう。

「………さて、この地図を見ると、そろそろなんじゃがのぅ」

ばさり、懐から取り出した、地図を広げる。
丁寧に、細部まで描かれている。
間違いなく、この少女が描いたものではない、と分かる出来栄えだ。
そうして、進んでいれば、何枚目だろう扉が見える。

この先が、目的地だろうか?
念の為に、足音を忍ばせ、近付いて。
こっそりと、中を覗き見てみるのだ。

ご案内:「無名遺跡」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  その妖狐の少女が向かう方角――というか、現在まさに覗き込んでみた所から、てくてくと一定の歩調で進んでくる一人の女。

 目的は薬草の採取。そう、彼女が必要なものと恐らく同じ薬草。
 だが、見た目より魔法で容量を増やしたウェストバッグにしっかり収められているために一見ではそれを採取した後かどうかは判らない。
 それに、希少種の薬草を総採りなんてマナー違反もやらかしておらず、必要最小限で済ませている、が。
 これから採取しにきた相手がどれだけ必要かによっては残してある分では足りないかも知れない。

 ともかく、他にも同じ薬草目当てで見知った少女が同じタイミングでやってきているとも知らずに鼻歌交じりに。

「やー……首尾よく手に入ってよかったわ~。採りに来ても一本も生えてないパターンなんてザラだもんね~」

 などと上機嫌で独り言ちながら、そのまま向かっていく方向に誰かがいるなんて予測もしていないものだから、場合に依っては真っ向からぶつかってしまう可能性も秘めていた。

タマモ > 覗き込む、その先の光景。
うん、どうしよう、先客が居るじゃないか。
こんな場所なんだ、目的なんぞ、間違いなく同じ薬草なんだろう。
忍ぶ己の存在なんぞ、まったく気付いている様子もない、その女。
その女の、鼻歌交じりに紡ぐ言葉が、己の考えを肯定する。

最低限だけを手に入れ、戻る途中。
視線を奥に向ければ、少しだけ、残っているようなのだが…
実のところ、それなりの量が必要な為、ここのを採取した後、他の場所にも向かわなければならない可能性があった。
見た感じ、あの量では、微妙に足りない。
…となれば、相手には申し訳ないが、選択は一つだ。

気になる事があるとすれば、聞こえる声、覗き込んで見える相手の姿。
あ、覚えのある相手だ、と言う事だった。

「………」

計画をせっかく立ててたのに、よりによって、相手が知人であったとは…
何と言うか、あれか…これも、運命と思って、と言うやつだ。

上機嫌のまま、今まさに、己の潜む扉へと、やって来る女。
扉を抜けるまで、その身を隠したままにして。
抜けたところで、背後からこう…がばっ、と襲い掛かってみようか。
とは言っても、羽交い絞めにするだけだが。

ティアフェル >  本来ならば自生している薬草を総て引っこ抜いて行きたいのは同じ思い。ではあるが、もうそこに生えて来なくなっても困るし、その後同じ目的で来た者があれば……という思いも若干あった。
 のでマナーとして残しておいたが、まさかそれでも足りん派がいるとまでは考え及ばず、いたとしても早い者勝ちとしか云いようがないが。

 ――よもや、強硬手段に打って出る知人、がいるとはさらに想定しようもない。
 から、

「ふんふふ~ん、早く帰って調合調合~いやでもその前にお風呂かなーごはんかな~って、へぶxsjy?!」

 無防備に行く手で奇襲が待ち構えていることも知らずに歩を進めていったものだから、がばっ、という効果音と共に羽交い絞められて独白が途中で悲鳴に塗り替わる。
 目を白黒させながら、じたばたしておかしな悲鳴という、なんか残念な光景が。

タマモ > あ、これ自分で使うタイプだ。
続く女の言葉、調合と言った、間違いない。
もし依頼か何かで採取に来たのなら、依頼失敗とかあって、悪いなー…とか、思っていた。
だが、そうでないならば、遠慮しなくても大丈夫だろう。
…いや、正確には、大丈夫じゃないが。

「………」

しかし、ここで一つ、また問題が。
羽交い絞めをしたは良いが、声を掛けたら、それでばれる。
上がる悲鳴はそのままに、締め上げたまま、頭を悩ませ始める。
いっそ、このまま締め落とすか。
あ、でも、この状況なんか楽しいし、もう少し様子見しようか。
それも良いが、弄ぶのもたのs…

悩む内容が、かなりあれである。
変化して誤魔化せ、と言う、選択肢もあるはずなのに。
そんな考えから、変な方向へと、考えは傾き続けていた。
もちろん、女は羽交い絞めにしたままで、だ。
第三者が居たら、結構間抜けな光景かもしれない。

ティアフェル >  なぜ自分で調合したものが依頼品ではないし奪っても悪くないと思われるのか、かなり偏った妖狐の思考のもと、奇襲を食らうこととなってしまったらしいが、そんなことよりも後ろから誰だかまだ判ってもない相手に襲われているということがまず重要なのであり。

「っの! なにすんのよどつき倒すわよこの暴漢ー!!」

 と啖呵を切って簡単に締め落とされるほどには柔ではなく、後ろを取られ密着している姿勢を逆に生かして、勢いよく背面へ相手を押しつぶす勢いで倒れ込みと頭突きの合わせ技での反撃。

 もうこんな場所でいきなり後ろから相手も判らずホールドされてしまえば、取れる行動はこちらの考えでは一択であった。

 なんだか知らんが反撃。しばくしかない。

 ――正体が判っていれば絶対しなかっただろうが。しょうがない。いきなり襲って来たキミのせい。

タマモ > なぜに、そんな考えに到った。
まったく、ごもっともな話である。
いい加減、素直になれと、そう思うのだが。

「………おぉっ!?」

啖呵を切られるのは、別に驚きはしない。
いきなりの羽交い絞めだ、抵抗も当然である。
が、まさか女である相手が、頭突きなんて予想してなかった。
相手が相手だ、予想はすべきだっただろうが。
その結果、うっかり声を上げてしまう。
代わりに、倒れ込み、頭突きをしようとする、その勢いを利用して。
羽交い絞めの腕を腰に回し、頭を逸らせ、頭突きを回避しながら、そのまま、バックドロップで応戦だ。
………いや、さすがに、そこは加減する。
勢いよく、頭から落ちる…だろう、その状況。
ぼふんっ、女の後頭部が激突すべき地面が、物凄く柔らかい。
そこにあるのは、クッションのように広げられ敷かれる、金色の獣毛。
そう、己の尻尾の一本だった。

ティアフェル >  無名遺跡なんて場所は様々なトラップも設置されていればモンスターも出るし暴漢も珍しくはなかろう、となればやらなければやられる、容赦してる余裕なんてない。

 まさか多少なりとも知ってる人がそんなこと仕掛けてくるなんて常識的に思ってはいなかったのでこっちは手加減無用でかかっていったが、勢いが良すぎてバッグドロップに持ち込まれたらそのまま、脳天から地面に激突――と思われ、咄嗟に少しでも勢いを削ごうと腰を捻るが、まあ間に合わず。

「――ッ!?」

 瞬間、声にならない悲鳴が上がったが――ごん、と激突する筈の硬い感覚ではなく、ばふん、と柔らかな感触。むしろ尻尾に頭突きを受けたそちらの方が痛そうと思う程頭頂部のダメージは薄く。

「っ、は……はぁ……――ん…?!」

 どくどく、と妙に心臓が早鐘を打つ感覚を覚えながら何に頭が当たったのかよりもすぐに立て直して逃げられるなら逃走するか無理なら追撃――と腰に回っていた腕を振り払ってずさ、と距離を取るため下がろうとしたその時、ようやく誰が羽交い絞め犯かに気づいたようで一度さっと向けた視線を二度見でそちらへ見開いて固定させ。

「はっ……? な、なにしやがっちゃってんのアナタって子は……?!」

タマモ > 男だから、女だから、そんな事は関係ない。
やるべき時に、やるべき事をやる、それが冒険者と言うものだ。
まぁ、冒険者でなくとも、そうあるものだが。

とりあえず、技は見事に決まり、己の尻尾に頭が埋まる。
痛みに関しては、大丈夫、その尻尾は力の象徴の内の一本、本物の尻尾では無い。

ちなみに、冷静に考えてみれば、背には己の胸が当たっていた。
暴漢であるかは、判断出来たのだが…焦っていては、そんな余裕、あるものでもないか。
…そして、女は気付く、こんな事をした相手の正体に。

「ふっ…いついかなる時も、油断は大敵。
それを、お主に教えてやったのじゃ…!
………と言う訳ではなく、まぁ、妾も妾で、色々と苦労しておってのぅ」

二度見して、己へ向けた言葉を放つ女へと。
よいせ、と立ち上がれば、無駄に自慢気に胸を張りながら、そう返す少女であった。
が、襲う事と、苦労している事は関係ない。

ティアフェル >  暴漢:乱暴なふるまいをする人。あばれもの。乱暴者。の意味を採用すれば女も等しく暴漢である。
 相手の性別はこの際どうでもよくて、とにかく乱暴な振る舞いをされたと認識する相手へ反抗した結果。

「オイィー!! ちょっといきなりやっていいことと悪いことがるとわたしの方こそお主に教えてやるわよ?!
 ………うん、なんか知らんが。この状況下で苦労と云われた日には、うん、すればいいよ、むしろしなよ苦労、ってそんな風にわたしは感じるよ?」

 人一人の体重がかかってもダメージのない尻尾の感触で誰か思い至っても良かったかも知れないが、結局判ったのは顔を見てからだった。
 本当に今胸を張るのは無駄だな、と感じながら白い目でそちらを見やり。
 苦労していると聞いても同情できない旨を口にした。

タマモ > 結局のところ、自業自得である。
もう少し、行動を正しましょう。
と言って、素直に聞くかどうかは、別問題か。

女の言葉に、えー?みたいな、そんな表情。

「まぁ、冗談はさて置いて、じゃな?
今のは、ちょっとしたお茶目じゃ。
ちと目的の物を取りに来たら、すでに取られた後でのぅ。
そんな相手が居ったら、こうしてやろうと、ふと考えておった時に、お主を見付けてしまった訳じゃ。

酷いのぅ、世知辛いのぅ…もう少し、こう、優しくしてくれんか?
そんな事を言われたら………あー…
まぁ、しょっく、やもしれん」

ひらひらと手を振り、伝える内容は、うん、言っててあれだが、自分勝手なものだ。
そして、苦労に関しては、ちら、と横目で見遣りながら、そう言うのだが。
どう見ても、そのショックとやらを受けるようには、感じられないだろう。

ティアフェル > 「茶目っ気を感じないお茶目はよしなさいよ……驚かすならせめてこう、わっといきなりでてくるくらいが一般的なお茶目ってやつよ……。
 ………目的のもの……?」

 前半肩を落としながらボヤいていたものの、聞く限り彼女の目当てにしてきたものを自分が先取りしていたらしい。小首をかしげかけたが、そうだ、奇襲で一瞬思考から飛んだが、採取しに来たものと云えば今回はコレだ、と思い当たって先ほど摘んだばかりの薬草をウェストバッグからごそごそと取り出し、

「コレのこと?
 ………優しくしてほしいなって時はまず優しさを示すといいってばっちゃがゆうとったよ。
 ショックを受けるタマモちゃんは新鮮なので心のままに愛でとくわね……うん、ショックさがまったく足りない」

 利己的な思考を吐露されたが、今さら『まさかそんな人だったなんて…!』とオーバーなリアクションを取れる筈もなく、相変わらずのマイペースと認識し、ショックというならそんな風なリアクションをしてくれればおいしくいただきますと真顔だった。

タマモ > 「うぅむ、それも考えたんじゃがな?
ほれ、その程度では、面白味もなかろう?
やはり、驚かすならば、緊張感はなければと、そう思わんか?」

そんな相手の様子も気にせず、さらりと答えるその内容は。
まぁ、己の事を少しでも知っていれば、そんな答えも予想出来るものだろう。
と、己の言葉に、バッグから何かを取り出せば。
それはまさに、目的の薬草だった。

「あぁ、それそれ、あっちにも少しあるじゃろう?
じゃが、欲しいのは、これくらいでのぅ。
あそこのものだけでは、足りんのじゃ。

優しさ、か…ふむ、優しさのぅ。
………まぁ、示せぬ訳でもないが、な?
いやいやいや、十分に足りそうじゃろう?な?」

薬草を指差しながら、そう答え。
説明をしながら、その先の、残した薬草も示し伝える。
量的に言えば、その取り出した量と、残した量のすべてまでは必要ないが、ほとんど使いそうなものなのは分かるだろう。
と、続く優しさについては、するりと歩み寄れば、軽く身を屈め、上目使いに女の顔を見上げる。
最後のショックがどうこうは、そう答えつつも、その視線は逸らされていた。

ティアフェル > 「なんでそんなにドッキリにひたむきなのあなたって子は!?」

 面白い方を採用したら突然羽交い絞めに至ったという言葉に、勢いの良いツッコミなのか窘めなのかな科白が迸った。
 なにかを拗らせているなと感じるとともに、妖狐って大体こんなもんなのか、と他に妖狐の知人もいないので彼女が基準になりそうでヤバめである。
 取り出して見た薬草はやはり彼女の求めていたものと同じだったらしい。他にこんな所に用もないだろうと思えたのでそうだろうなと首肯し。

「うーん……そんなに必要なの……困ったな……希少種だからウチも最低限の採取に留めたとこなのよ……。全部採り尽くしたらお互い必要な量に足りるだろうけどそうはいかないしねえ……。
 
 まず、判り易くショッキングなリアクションをとってくれるのが、わたしに対するやさしさだと思いますけど」

 薬草の必要量を聞いては言葉通り困ったように眉を下げる。アホ毛も連動してへたりと撓らせ。
 やさしさ問題に関してはショッキングなリアクションをとってない問題を定義して。

タマモ > 「なんでも何も、そうした方が面白そうならば、そうするのが当然じゃろう?」

そんなツッコミや、感じている事をよそに。
むしろ、分からないの?みたいな、そんな視線が女へと突き刺さる。
実際には、こんな妖狐は珍種とも言えるもの、基準にしてはいけません。
まぁ、他を知らないのだから、仕方ないと言えば仕方ないが。

「ふむ…そうらしいな?何ヶ所か聞いたから、それを全部巡れば、集まるやもしれんが…
全部、なぁ…面倒じゃろう?
出来るならば、ここだけで終えたいと、その気持ち、分かるじゃろう?

おぉぅ…判り易いって言うと、こう、あれか?
驚いたっ、とか、そう言えば良いか?」

稀少なのは、聞いていたから知っている。
それだけに、多く生息しないのも。
色々と巡らなければと、そう思っていたのが、一場所で済みそうだったと、その説明をしながらも。
最後は同意を求めるように、ぽむ、と肩を叩き、じっと見詰めるのだった。

後半の問題については、言葉と共に、両手をぱっと軽く上げ、驚いたような仕草を取ってはみるが。
今の流れから、明らかにわざとらしいものに見えてしまうのは、どうしたものか。
問いながら、そのまま、肩を抱き、相手の答えを待つのだ。

ティアフェル > 「相手がイヤがるようなことはしないっていう当然もありますけど?!」

 ツッコミというか若干説教じみてきた。
 けれど、『わかんないおまえ、オカシイ』みたいな視線に『あれわたしが変なのか?いや常識はコッチでしょ?!』と密かに感情が右往左往した。

「気持ちは分からないでもないけどさ……んー…譲ってあげたいけど、わたしもないと困るしなあ……。
 うぅん……じゃあ、他にも自生している場所聞いてるなら、わたしももうちょっと欲しいから、そこまで一緒しよ? ね、おしゃべりでもしながら行けばそんな面倒でもないっしょ?
  
     ………ワア、わざわざ驚いてくれるとかヤサシイー……」

 薬草を分けてあげられるならばそうしたが、こちらもギリギリなのであっさり譲るのは難しい。となると、妥協案というかひとつの提案をした。互いに損をしないようにと思ってだが、肩に手を置く相手にどうですかね?と取り敢えず笑いかけて。
 嘘くさい驚きのリアクションには、彼女なりの善処だと思いたかったがやっぱりそれなりに遠い目にはなった。

タマモ > 「いやいや、嫌がっておる事が、本当にそうであるか、とは限らんじゃろう?
嫌よ嫌よも好きなうち、なんて言葉もあるくらいじゃからのぅ」

その説教に、あえて正面からぶち当たる。
己の言葉、それに僅かにも迷いが生じている相手とは裏腹に、こちらは自信満々だ。
これは…勝機、見えたか?とか、思いたい。

「む…ふむ…お主と一緒に、か」

と、相手から出される妥協案。
確かに、一人で巡るから、つまらない、面倒と感じるもの。
二人でならば、少しはマシになるのだろうか?
そう考えれば、ちら、と笑いかける女をちら見し、考え、ふむ、と頷く。

「まぁ、そうじゃな、お主がそれで良い、と言うならば、試しても良かろう。
確かに、一人よりも、可愛らしい女子が居れば、楽しくなるものじゃろうて」

と言う訳で、その意見に賛同を示す。
普通に向かうにしても、何かしらあろうとも、面倒とはならないと思うから。

「うむ、納得してくれれば、それで良い」

明らかに、納得し切っている様子ではないのだが。
そう受け取る事にし、ぎゅーっと抱き締めよう。

ティアフェル > 「……本気でイヤがってても、解ってくれない相手ってわたしはちょっとキツイけど……」

 ツッコミ疲労したのかとうとう苦言すぎる言葉を唸るように口にした。
 けど、あーいえばこーいうな彼女には悪気というものがない辺りやっぱ響かないような気がして、もういいや、と肩を竦めた。そんなに勝ちにいきたいならこの際譲ろう。

「うん、そう、たまにはそんなのもいーでしょ?
 ――っふふ、よーし! じゃあ決まりね!
 たまにしか会わないんだから、駄弁るネタはお互い沢山あるよね」

 可愛らしい、という言葉には「アラヤダお互いにね」とおどけながら、提案へ同意を受けてにこにことご機嫌な笑みを湛え。女子友同士浮かれた話題に花を咲かせての道中になるだろうと楽し気にアホ毛を揺らし。

「あふ……そうそう、これこれ…こういう優しさ求めてたーんんぅ……やっぱ羽交い絞めよりこっちのがかなりいぃー」

 わざとらしい驚きよりもハグされる方が優しさをたっぷり感じられて、にへ、と表情を緩めて、ぎゅうとハグ返し発動で。

タマモ > 「まぁ、そのままずっと続けるような事であれば、考えものじゃがな。
さすがに、延々と嫌がらせる程、妾も鬼ではないからのぅ。
………あぁ、うん、鬼ではないな、妖狐じゃった」

勝利を掴み、心の中で拳を握り締めながらも。
とりあえず、ものの限度程度はある事を伝えておこう。
伝えたからと、相手がそれを本当に信じるかは、別物だが。

「出来る事ならば、たまに、よりもいつも誰かと居たいものじゃがな。
…いや、悪戯をする時は、ばらされるかもしれんから、あれじゃが。
ともあれ、決まりで良かろう。
どれ程を巡るかは知らんが、楽しませて貰うかのぅ」

可愛らしい、のお返しには、いや妾は違うから、と返すのは。
己は可愛いよりも、美人であるとの、無駄な主張である。
実際に考えれば、相手の思う通り、可愛いの部類なのだ。
まぁ、話題に関しては、思い描いたものを語り交わせるか、は分からないが。
一応、どんな話題となるかの興味は、僅かながらあるので良しとしよう。

「ふむふむ…まぁ、妾もこうした優しさと言うのは、好みじゃ。
もちろん、もっと先に進むのも、妾としては良し、じゃがな。
…とは言え、あれじゃろう?
出会い頭に、いきなり抱きつかれる、と言うのもあれではないか?」

抱き締めれば、相手からも抱き返される。
触れ合う感触を、役得と堪能しながら、満足するまで抱き付いていよう。

と、そうしながらも、ふと思った事を問い。
ずぃっと顔を間近に寄せ、見詰める。
相手の分からない状態、背後から、羽交い絞めでなく、抱き付いたとして。
それが良しとなるのか、と問うものだ。

ティアフェル > 「延々と嫌がらせされた日にはさすがに絶望するわ」

 その場合は嫌われているのだとしか認識しないだろう。
 遠い目で呟いた。際限ある嫌がらせも嫌なもんはやだけど、と一応。

「あれあれー? そんなカワイイこと云うなんてヤダー超カワイー!
 ま、いっそ全部回っちゃってもいんじゃない? 道中面白ければ余裕っしょ。
 ――っはは、うん、タマモちゃんはキレイだよ」

 カワイイという表現はお気に召さないらしい。のでそちらを向いて、にこ、と屈託なく笑いかけて見たままというように口にした。
 話題に困れば言葉遊びをしてもいいし、歩きながらできるような手遊びをしてもいい。誰かと一緒の道中というのが大事な訳で楽しくしよう、と声を弾ませ。

「わたしは甘やかされるような優しさが好物だー。
 いや、急に羽交い絞めにされるよりは抱き着かれる方を選ぶよわたしは? 少なくとも誰なのかは分かるから攻撃はしなくて済むし。わたしも一応怖いからね、後ろからこられると」

 ぎゅーと抱擁し合えば女同士なので当然ふかふか柔らかな心地になり目を細めた。
 うぅむ…スタイルいいですなあ、と親父臭いことを呟いてにやけていたが、顔を寄せて問われればじっと見返してそれなりにマジレスしておく。
 マジ後ろからの急襲やめて、と懇願の勢いだ。

 それはともかく、薬草採取への道のりはそれなりにありそうなので、歩きながら話すか、と遺跡の出口へと向かおうか。
 まずはどこらへん? と他に薬草の生えているポイントを伺い方向を確認しつつに――。

タマモ > 「うむ、と言うか、する側もかなり辛そうじゃ」

本当に嫌がっているならば、それを延々と続ける方も、なかなかに精神的にくるものがある。
軽く済ませるから、程よく楽しめるのだ。
…まぁ、それでも嫌とか言われて、えー?とか、また反応する訳だが。

「む…?いつも一人でつまらんからな、そうあるくらいならば、と思うてのぅ?
全部、なぁ…そうじゃな、お主と巡ってみて、楽しいならば、それも良かろう。
妾が欲しいのは、妾の必要分だけじゃが…
まぁ、それを越えたなら、残りはくれてやろう。
………そう、それで良い」

普段から、その行動原理上、一人が多い。
そこを素直に言っただけだが、それをどう受け取るかは、相手次第なのだ。
そして、次なる意見には、やってみてどうなるかで決める、と示しておいた。
最後に、己の言葉を素直に通した事に、満足気に頷くのであった。

「甘やかされるような、優しさ、のぅ…
よし、では巡りながら、そこは試してゆくとしようか。
どうせ、一日で巡れる距離ではないのじゃ、しっかと付き合って貰おうではないか。
すべてを、巡るようになるならば、じゃがな?
むむむ…まぁ、次からは、案の一つとして取り入れておこう」

実際どうかと言えば、スタイル的には、こちらは良い方だと言えるもの。
互いに抱擁していれば、相手にそれは伝わるものだろうか。
と、己の問いの答えを聞けば、軽く思案して。
とりあえず、の案として伝えるのだ。

何にせよ、目的は決まった。
生息地の地図は、幾つか貰っている。
向けられる問いに、地図を見て、まずここから近い場所のものを選び。
話ながら、歩きながら、その場を後にするのである。

ご案内:「無名遺跡」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。