2021/05/04 のログ
ご案内:「無名遺跡」にルッカさんが現れました。
ルッカ > 「ふ、ぅええ、っ………イ、タイ、ですの、ぉ……」

ウサギの姿で野を駆けていた、理由は大きな獣に追われていたからだ。
けれども気がついたら、小さな白いウサギはぽかりと空いた穴に落ちて――――

落ちた先はやけに湿っぽい匂いのする、四角い部屋だった。
何故だか人型に戻ってしまって、尻餅をついたその瞬間、
お尻の下で、かちりと何かが『閉じる』音が聞こえた気もする。

幸い怪我らしい怪我はしていないようだけれど、何故、人型になってしまったのかわからない。
痛む身体をむくりと起こし、見回してみたが、暗すぎてほとんど見えないし、
振り仰いだ先の天井もそれほど高くないのか―――――不思議なことは、もうひとつ。

「どぉして、穴、なくなっちゃってるんだろ…?」

落ちてきたはずの、穴が見当たらない。
空が見えない、星も月も見えない、明らかに人工的な空間のようだけれど。
きょろきょろと、冷たい床に座りこんだまま、もう一度周囲を見回し、

「ここ、どこですの……ルッカ、どこから出ればいいの、ぉ?」

心細さに震える、弱々しい声が、むなしくこだまするばかり。
部屋なのか、檻なのか、牢獄なのか――――なんの仕掛けがあるかも知れないので、
へたに動けない、とも思うのだが。

ご案内:「無名遺跡」からルッカさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > 九頭龍山脈、どちらかと言えば、中腹よりも麓寄りに位置する場所。
そこに、点在する無名遺跡、その一つがある。
少女がいるのは、その遺跡の中、屈んで何かをしているようだ。

浅くも無く深くも無い、程々の深さである、この遺跡の深部。
広々とした遺跡の深部、すでに、漁り尽くされ何も無いのは見て分かる。
が、不思議と、そんな部屋の中央に描かれた魔法陣。
どうやら、それを描いていたのは少女のようで。
描き終えたのか、よいせ、と少女は腰を上げて立ち上がる。

「………ふむ、一仕事終えた気分じゃな」

こう、額に腕を添え、汗を拭うような仕草。
満足そうに頷けば、何やら呟き…
呟きが止まると同時に、うっすらと、魔法陣が輝き始めた。

「さて、これで準備完了じゃ。
後は、誰かしら引っ掛かるのを待つだけじゃのぅ」

と、そこで言葉を終えれば、適当に崩れた石壁、腰を下ろせそうなのを選び、腰掛けた。

それを思い付いたのは、数時間前。
適当な冒険者ギルドへと、適当な人間に変化し、フード被ったりと怪しい姿をして立ち入る。
この場所を記した地図を一枚だけ渡し、この場所をただ調べるように依頼。
適当な額の報酬…と言っても、結構な額だが、それを用意して受付に。
これで、準備の第一段階。
次に、己がこの遺跡に訪れ、ところどころに転移の陣を設置する。
そして、最後に、その転移先となる、この魔法陣を描き、繋ぐ。
これで、準備終わりである。

冒険者が引っ掛かる、それも可能性だし。
何も知らない誰かが、この遺跡を見付け、入り込んで…との可能性もある。
後は、あれだ、誰も来ない。

出来れば、準備して誰も来ないは避けたいが。
それはそれ、運が悪かった、で諦めれば良い。

呼び込んだ、迷い込んだ、そんな相手に何をするかって?
いつものあれだ、暇潰しに付き合え、である。

のんびりと、腰掛け寛ぎながら、ぐーっと伸びをする。
さて、それまでの時間潰し、どうしようか。
そんな事を、考えながら。