2021/04/09 のログ
ご案内:「無名遺跡」にジギィさんが現れました。
■ジギィ > 無名遺跡のうち、森に半ば埋もれたひとつ。
慣れないものは森を彷徨ううちに迷い込むこともあるというそこは、入口どころか地上近い部分の天井や壁に木の根や蔦が這って、空気も心なしか緑と土の香りが色濃い。
昔は栄華を誇ったであろう技術が長い長い時をかけて森と同化しつつある光景は、人為的なものと自然とが相まってヒトならぬ力の恣意的なものが感じられる…
「―――♪~」
そんな昼なお薄暗い遺跡の廊下を、呑気な鼻歌と共に動く影。
肌の色も相まってまるで本物の影のようにうろつくエルフの姿の、若草色の瞳が薄闇で閃く。
「ど こ に いるのかな~♪」
根太の張った床の上器用に歩みを進めながら、天井付近を見上げてまるで散歩そのもの。
多分本人もそのつもりだ。
この季節、植物たちは力を持った若芽を一斉に伸ばし始める。
そのうちのひとつ、暗闇を好むものを探しにやってきた。遺跡と言えどこんなに森と同化して浅い場所なら、自分には森と変わらなかろう
という考えのもと、時折長い耳をひこひこ揺らし、呑気に鼻歌と共にひとり散策中。
―――途中離れ離れになったヤツにも乾杯だ♪
―――酒を飲んでいると あの頃思い出をひとつ残らず思い出す
その内本当に歌声まで零れだして
無駄に良い声が、遺跡の中密やかに響く。