2021/03/03 のログ
ご案内:「無名遺跡」に焔さんが現れました。
■焔 > 無名遺跡の一角、闇の色に包まれているその通路、袋小路と言える場所。
ボト
そういう音を立てて落下するものが一つ。オレンジ色に光を放つそれは燃えている。
松明。夜に持ち歩いたりする照明道具で、通路の闇を少しだけ払っていた。メラ、メラ、パチ、パチ、と炎の爆ぜる音が響いている。
続いて、上から垂れてくるのはロープ。ゆらゆらりと揺れて、その揺れは少しずつ大きくなっていく。
直ぐに、女が下りて来た。
盗賊の技能を持っているのだろう、その身に纏うのは軽いレザージャケットで、何処でも手に入る店売りの装備。
重たいヘルムを被れないから、と布とワタを敷き詰めた簡易的な防具のキトンヘルメット。
背中には小さめのバックパックに、腰にショルダーポーチ、いずれも動きを阻害しない様な物である。
階層に降り立った女は、たれ目の金眼で周囲を一瞥し、安全を確認してから、松明を拾い上げる。
「さぁ、て……と。」
薔薇色の唇から、のんびりとしたアルトボイスが零れて闇の中に消えていく。
目の前に続くのは遺跡の通路で、今の所は何某かの―――魔獣とか、魔物とかそう言った存在は見つからない。
ランタンに光をともし、松明を節約のために消してバックパックへ。
んー。と、大きく伸びをすればレザージャケットに入りきらないはち切れそうな胸が、開放を求めるかのように強調される。
こきこき、と、軽く肩を慣らしてから、足元に罠の確認をしつつ、進み始める。
「依頼、開始、ね。」
小さく嘯く声が響かずに消える。
■焔 > 今回は、依頼を受けてやってきた。
依頼としては、遺跡の中に入った人物を見つける事。
生存していて、可能であれば救出、不可能でも、最悪遺品などを持って帰るという物だ。
依頼としては偶にあるもので、受ける事自体は吝かではない、こう言う依頼は金払いが良いのだ。
「それに。」
ギルド所属の魔術師に魔法が掛けられている、自分の視覚をギルドの魔術師と共有するという魔術。
それにより、遺跡の一部の地図も出来るし、その分の報酬も入ってくるので、二重に美味しい。
本来の意味としては、生きている要救助者を殺して身ぐるみを剥ぐという無法を無くすための措置でもある。
そういう冒険者が居ないわけではないと言うのが悲しい所。
それは其れとして、と、女は道を進むことにする。
降りてきた所は、落とし穴、これが開いているという事は誰かが引っ掛かったという事でもある。
そして、周囲に死体が無いという事は少なくとも、落とし穴で死んだわけではない。
階層移動だけというのは何とも優しく残酷だ、死なない程度に怪我をさせた上で、強くなった魔獣の餌になるという絶望感にとらわれるだろう。
此処の遺跡を作った人の顔を―――見てもしょうがないなぁ、と考えながら、カンテラの明かりを揺らしつつ、進んでいく。
声を上げたら反応あるかしら、魔獣たちが襲ってくるリスクもあるしなぁ、と、顎に指をあてて考える。
一歩、一歩、足音を立てない、静かな歩法で、滑る様に
ご案内:「無名遺跡」に黒須さんが現れました。
■黒須 > 「ここか…依頼の先は…。」
(手元にある依頼の内容が掛かれた指示書を持ちやって来た。
冒険者と言うにはあまりにも簡単すぎる服装をしている。
革ジャンに灰色のYシャツと黒いジーンズ、戦う用意が出来てるかと聞かれ、そうだと答えれる程の良い装備ではない。
それでもこの遺跡の中に入っていくのだった。)
(今回は遺跡の探索である。
近頃、付近で魔族を見かける情報があるため、もしかしたら巣が存在する可能性があると冒険者ギルドで話に上がっていた。
依頼金もそこまでではないが、とりあえず、何かしらの仕事はしておこうと思い参加したのだった。
しばらく歩き、明かりを作る道具も無いまま奥へ。
夜目と嗅覚や聴覚により、部屋の構造を把握しながらも罠を感知し、すまし顔ですり抜ける。
すると、嗅覚に異変を感じた。
人の匂いがすると思い、それに導かれるようにしながら歩けば一つの明かりを見つけた。
遠めからでもわかる、女性だと思い近づく。)
「…よぉ、あんたも依頼をこなしている冒険者か?」
(こちらは無いため暗い中から姿を現すだろうが、はっきりと人間であるのは分かるだろう。
鋭い目つきに無表情な顔をしている、獣のように長い髪をした男が、彼女に声をかけた。)
■焔 > 通路をしばらく進んでいると分かれ道が出てくる。
十字路、というやつであり後ろは自分が来た道で、行き止まり、右と左、正面の三方向が見える。
流石にカンテラで全てを照らすことも出来ないし、さて、何方に行けばいいだろうか。
喜ばしい点としては、血の跡が無いことから、捜索する人物は大怪我をしていない事、残念な点は、それ故に血の跡を追う事が出来ない事、だ。
匂いを追おうにも、依頼が発生し、此処に早く来たとして数日はかかる、血糊は数日では消えないが匂いはそうでもない。
だから、可能であればという依頼なのだし。
血糊が無いだけ、生きて居る公算は多くなる、後は食糧問題だが、切り詰めればまだ、という所。
どの方角に行こうか、と思った所。
「……?」
何かの気配がする、此方に近づいてくるのは確かだ、女は油断なく胸元から一本の鉄の棒手裏剣を手にする。
ナイフにしないのは、飛び道具は先制攻撃がしやすい上に、薄暗い中でいえば不意打ちにも使いやすい。
それと、彼方の国でm、此方の国でも、武器として認識されにくいものでもあるのだ。
無造作に手にしておけば、それで十分だ。
暫く、気配が近寄ってくる方に視線を向けて居れば、カンテラの明かりの中に出てくる黒尽くめ。
暗殺者か何かだろう、こんな暗い中に明かりも持たずに近づいてくるのだから。
そう言うのを差し向けられる生き方は、してるが心当たりがない。
「―――そぉう、だけどぉ?」
間延びした声は、元からの口調で、きりり、と釣り上げてるつもりも垂れ眼なので迫力に欠ける。
そんな女は、遠慮なく男の全身を眺めまわし、警戒を上げる。
こんなくらい中に明かりもなくやってくる人間にまともな存在はいない。
というか、人間であるはずがないのだし。
■黒須 > (声を近づけば手元には手裏剣が持たれていた。
生憎武器は使ったことが無い上に、相性が悪い、それにこの国以外の武器が出てしまえばどういう使い方なのかも把握できないため、観察が少し必要だ。
わかることはナイフと同じ形状であり、短い、このことから近接に特化していると読んだ。)
「…どうやら、警戒しているみたいだな?
まぁ、無理もない…冒険者でもない上に、最低限の装備もない奴が現れるからな…。」
(ふぅむっとめんどくさそうに息を溢す。
その後被っている帽子を脱ぐ。
頭の上から二つの尖った耳、腰から狐のようなふわふわとした尻尾が表に出る。
その形からして、狐と言うより狼に近い物であった。)
「…ミレー族って言うのか?こういう動物と同じ能力を持った人間をよぉ?
生憎、俺は人間だ…。黒須・狼…冒険者ギルドにあった依頼でこの遺跡の調査に来た。
あんたは…?」
(ここまで全く変わらない表情、感情が表に出ていないと言う雰囲気のある男だ。
動物の能力も携えていることもあり、暗闇でも明かりなしに見える、匂いで人を見つける。
このことに説明がつくだろうと思った。)
■焔 > 「当然ですよぉ?だってぇ、此処はぁ、遺跡ですものぉ。自分以外のぉ知らない人はぁ、ぜぇんぶ、敵と、おもわないとぉ。
魔族がぁ変身しているかもしれませんしぃ。魔法でぇ惑わすタイプの魔獣や、死霊だってぇ、居るのですよぉ?」
そうでは無い可能性だってある。しかし、証明する手段はない。
魔法使いが居るならば、魔法で確認もできるだろう、今回の依頼の際に、確認のための手段は貰っているが、一度しか使えない。
捜索対象でもない男に使う様な物ではないので、警戒するに越したことはないのである。
そういう理由で、女は、にじり、と足を滑らせる。何時でも走り去る事が出来るように。
「人間にはぁ、耳もぉ尻尾もぉ、生えてません~。一般常識ですよぉ。
知り合いでもないしぃ、ギルドの人間かどうかも証明できない人を?
急に来た人を、信じろ、というのですかぁ?
貴方にぃ、名乗る名はぁ、ありません。
冒険者というならぁ、せめて邪魔しないでくださいねぇ。」
それだけを言って、右に、滑る様に移動する。
此方は、人命が掛かっている、望みが薄くとも。
その一秒で保護すべき人間が死ぬのかもしれないのだから、と。
攻撃もせずに移動するのは寧ろ温情である。短気な相手であれば、会話すらせずに殴りかかろう。
それが理解できない相手であれば其れまでで、有る。
闇の広がる通路に、罠を警戒しつつの移動を。
■黒須 > 「・・・。」
(だいぶ聞き取りづらく、理解するのに少し面倒くさい喋りをする女性に対し後ろ髪を掻く。
確かに、自分は魔族ではないし、ミレー族でもない、はたまた人間と証明することもできないために、その言い方は正論であった。
しかし、唯一認めるとすればそう、この女の体は中々良さそうだと言うことだ。)
「…まぁ、俺も面倒なことは嫌いだし、あんたも信用できないのはよくわかるさ。
だが、俺も証明できるものもあるさ。
こいつ、冒険者ギルドでしか発注されてない依頼書だろ?」
(ポケットに入っている紙を相手に見せるように広げる。
作りや書き方、細かい所までしっかりとギルドであると証明できるような物であり、本物だと証明できる自信があった。)
「それに、あんたの目的はこの遺跡に入っていった冒険者の安否確認だろ?
それだったら丁度良いさ…。
俺も、この遺跡に魔族の出現が噂されていたからそれの調査に来たって話だ…。」
(相手の行動から見るに即座に離れる所から急いでいる様に見えた。
この遺跡では宝の存在も無いだろうし、魔族の確認なら巣を見つけるため急がない、そうなれば、予想できるのは一つに絞られる。)
「…なぁ、ここは一つ共同作業をしねぇか?
俺はあんたの邪魔をしないが、あんたの依頼をこなせる様に強力するさ。
それで信頼を取れれば、ノーカンだろ?
それに…あんたもかなりのやり手だろ?魔族の一匹や二匹…殺せるだろう…?」
(何かあればこちらを攻撃すれば良い。
そちらにメリットのある上に、同時にこちらも依頼が終わる。聞く分にはメリットしかないと思われるがどうであろうか。)
■焔 > 「………………。」
男の眼に性欲が見える、自分の肉体に欲情をしているようだ、成程と思いながらも、女はため息を零す。
そういう行為は好きだが、時と場合を弁えろ、と言いたい。こんな処で命の危険があるから、本能的に子を残したいとか考えるのか。
寧ろここで致したほうが死ぬだろうと、言いたかった、言葉にすれば即言っただろう。
「難癖って、何処までも付けられると思うんですよねぇ?
書式が正しくともぉ、それを貴方が殺して奪ったという証拠はぁ?偽造ではないという証拠はぁ?
何よりもぉ、それが私の所属しているギルドの物ではないので確認できないのぉ。」
信用が無いという事は、こういう事。
彼が何を言おうとそれが嘘にしか聞こえなくなる、何をだそうとも、だ。
書類が本物だ。だから?
胡散臭く、信に値する物が無い、見受けられない。
「――――。」
ぺらぺらと喋る様子、に対して、足を速める。
共同作業とか、そういう言葉を聞いたが足を止めることも無く。
そのまま、女は闇の中へと、去っていくのだった。
■焔 > 後入りありがとうございます
ロールや趣向が合わないので失礼いたします。
ご案内:「無名遺跡」から焔さんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」から黒須さんが去りました。