2020/11/04 のログ
ご案内:「無名遺跡」にニロさんが現れました。
ニロ > 遺跡に入って既に数時間が経過していた今日
傭兵としてのゾス村への物資輸送護衛から一人、遺跡内に探索として入り込んでは両腕に愛刀が無かった時は少ない
明かりは魔導機械製か、傍に光の玉を抱えた金属製の羽蟲が音も少なく飛び回る。

片目しかない視界の中 明かりの少ない遺跡 淀んだ空気
全てが戦場と同じように空気を張り詰めさせている。
両腕の義手へ転用、そして性能を改善するかのように訪れた場所は、罠と悪意に満ちている。

「さっきから、テメェらは何がしてぇんだっ!」

蔓延る触手 有機性な伸びる幾つもの五指無き腕。
切り落とし続けながら、粘液と跳ねる一部だけの意志。
触手以外にも、孔を作り上げて住まう怪蟲が引きずり込もうと画策し、その首に突き立てた刃

魔導機械や、装甲を纏う者に比べればそれらの抵抗は薄い
しかし、漂う空気か、斬り続ける軟体への感触か
既に忘れている義手たる両腕への感覚が蘇りそうな、気味の悪い一幕。

「悪趣味さはウチのババアと変わらねぇな……。」

目的の素材や魔導機械を目当てに来ているものの、戦場や王族管理と比べてどちらのほうが性質が悪いだろうか。

ニロ > 殺意ではなく捕縛
それらを意識するかのような罠と触手
そしてそれらに肖ろうとする蟲や魔物

快楽を動力として動く魔導機械への手向けにしようというのだろうか
この遺跡を安全に攻略するとしたら、何人のミレーがいようとも足りないだろう。
この両腕と同じ理由で襲ってくると思うと、両腕が握る愛刀の柄
それが斬り落とす意志がより強まっていく

片目しかない視界が、敵にしか見えなくてもいいかのように、軽装故に身軽
斬り落とす粘液の妙手が落ち続ける故にか、帰り道の印としては物騒且つ、わかりやすい。
振るった切っ先から血糊を落とすように、粘液を飛ばし、刃の具合を光に充てて確かめる。

伸びず、欠けず、未だ愛刀は健在な様子なら、戻る手順とマッピングをするためにも時折足は止めなければいけなかった。
しかし、目的の素材はまだ見つからない。
曲がり角へと行く際中、先んじた明かりの案内人に反応するように、ひたりと感じた二足の気配。
壁際で息を潜め、光に反応して近づいてきた者が、同業者ではないと知れた瞬間

息を止める 銀閃二つ 一つは首へ突き立て、もう一方は刃の上へ奔った。
剣花が咲き乱れるようにして、刃に沿ったもう一刀が首を跳ねたのを確認して周囲警戒

呼吸が戻ると、二足の相手が“元”同業であることを知る。

「うっぷっ。」

甘ったるい匂い
発情しきった雌の臭気
触手に塗れながら意識朦朧な瞳は正に寄生

その匂いは胃よりも、頭にくるかのよう。
体が遅れて倒れ込むのを、脚で前に倒しながら共生していたのか、触手も動かなくなった。

「死体繰り……か?」

性を搾れるだけ絞り、再利用でもしていたのだろうか。
暗がりなら重傷者として助けにいこうとしていたかもしれない
動く死者の一種。

「ちくしょう……目当ての前にこんなザマになってたまるか。」

一旦引き返そう。
触手ばかりの領域に嫌気が差し、別の道を求めて引き返し始める。