2020/09/04 のログ
ご案内:「無名遺跡」にマオさんが現れました。
■マオ > 「はぁぁぁぁぁ…………」
――九頭竜山脈の麓に位置する、名も無き遺跡。
ひんやりとした静けさが漂うその遺跡の中腹に、小さな人影がある。
薄暗い遺跡の中に在って、全身の純白が美しく輝く小柄な美少女だ。
美しいとも可憐とも言える顔、小柄な体躯に不釣り合いの肉感的な肢体。
見目麗しいその顔を不機嫌そうに歪めながら、少女は袋小路で立ち往生していた。
『行方不明者の捜索を依頼出来る冒険者求む』
そんな張り紙を何の気も無しに手に取り、ギルドに申請を通して半時。
依頼書によれば、ここ数日の間で女性の行方不明者が相次いでおり、
目撃者の証言によれば、女性達はこの遺跡に足を踏み入れていたらしいとのこと。
魔物や魔族による仕業か、はたまた人間の手による誘拐なのか、その真相は定かでは無い。
唯一の手がかりである目撃者の証言を信じて足を踏み入れてみたものの、
歩けど歩けど目ぼしい痕跡の発見すら無く、ついでに地図を持たなかった少女は
まんまと遺跡内で迷い、こうして袋小路に突き当たってしまったのだった。
「……あぁんもうっ! ほんとに此処に居るの!? デマだったの!?
まぁ……目撃者を疑う事はしたくないし、奥まで行きゃわかるんでしょうけど……」
大きく溜息をついて、手近な岩に座り込む。ここまで、人の気配どこか魔物の影すら感じていない。
「張り合い無いし、それに……流石にちょっと……寂しいじゃない。ばか……」
零す相手も居ない少女の愚痴が、虚しく遺跡の袋小路に響いている。
この際人間だろうが魔物だろうが、手がかりだろうがそうでなかろうが構わない。
とにかく退屈で心細い少女が今願うのは、某方かとの邂逅だった。
ご案内:「無名遺跡」にイディオさんが現れました。
■イディオ > (本来は、来たくはなかった。遺跡の依頼と云う物に関しては。理由は危険だから、と言うものではなく、もっと別の物、自分の精神的な物である。
感傷、といって良いのだろう、それは、男にとっては無視できない程度には、大きな理由、多分他の誰かに言われても判らないものだ。
しかし、今の自分に必要なのは、ある程度の金、蓄えはない訳ではないが、鎧などを新調するとなるとそれなりに必要で、其処で蓄えを吐き出しては、生活が危険になるかもしれない。
鎧が壊れてしまうという事は命の危機にも直結するから、壊れる前に何とかしないといけない。
そう考えて、報酬の高い依頼を受けることにした。
今回は、パーティを組んでの依頼という事なので、この遺跡の中で合流と言う風に、ギルドの受付に言われた。)
「合流場所の、指定ぐらいはして欲しい所なんだけどな……。」
(小さくぼやく冒険者の眼は青いのだけれども、光がないために不気味に見える。どこからどう見ても普通な冒険者、その目だけが死んだ魚のような眼なだけだ。
慣れないと、怖い事この上ないだろう、瞳を持つ男。
先に来ていると言われている冒険者、今回のチームメンバーを探し、ランタンを片手に遺跡の道をカツーん、カツーん、と音を響かせて進む。
左手には盾を持ち。いつでも防御できるように周囲に気を回して、通路を眺める。)
「せめて、何処かに……目印でもあれば、良いんだけれど。」
(なんとなく、そう言うのは望めないんじゃないか、と言う冒険者の感。だが、一縷の希望をもって、通路を眺めて、無いな、とがっくりする。
大声を上げると言うのも手段としては考えても良いのだけれど―――流石に、魔獣などを呼んでしまう可能性もある。
はふ、と溜息をつきながら、カンテラの明かりを頼りにして、遺跡の中を歩く。
先に来ている相手には、明かりが動くさまが見えるだろうか。若しくは、不意に出来上がる、人の影に気が付いてもらえるか。)
■マオ > 岩から立ち上がったり、また座り直したり。その場をグルグル回ったり。
小柄な存在にとっては幾分広い袋小路の中、少女は完全に暇を持て余していた。
――と。ふと袋小路の入り口に目を向ければ、明らかに人工的なものであるとわかる動体の灯り。
「あっ」
思わずぽかんと口を開け、暫くその灯の揺らめきをじっと見つめ、一寸の間。
ぐしぐしと両手で目を擦り、柔らかな頬を抓ってみて、それが幻でないと確信する。
「…………ねぇーっ! ねーぇーっ! 誰か居るのーっ!?
人間ーっ!? 善人ーっ!? 流石に行方不明者じゃないわよねーっ!?」
袋小路の最奥から、揺らめく灯りへ向けて大声で呼びかけてみる。
流石の猪突猛進も、軽々と狭い入り口へ脚を運ぶ事はしない。
出会い頭に襲われるリスクを考慮した行動。やれば出来る。
警戒はしているものの……少女の瞳はうっすらと、期待にキラキラと輝いていた。
■イディオ > 「―――!」
(先に来ているという、冒険者の存在を聞いていたから、男も合流を求めて歩いていた。暫し進んで、行くと。声がした、反響はしているが、人の声に聞こえる。
声がする方、それは、もう少し奥の方。確かその先は。)
「袋小路だった、はず。」
(小さくつぶやく男、なんでそんな所にと言う思考、確かに罠はなかったと思うのだが。そこにいる理由が良く分からない。とは言え、一人でいるよりも誰かと組んで動いた方が生存率が上がるのは確かだ。
あともう一つ、なんか頭痛くなるような質問が飛んできた。)
「ギルドから派遣された冒険者だ!人間だ!善人かどうかは、すまんが、判らん!
というか、善人だと胸を張って言えるような人間じゃない!少なくとも!」
(流石に、自分は善人ですと、全力で言えるような厚顔無恥な性格ではない、とは言え、悪人か、と聞かれたら悪人だと答えることは出来ない程度の小心者だ。
質問に対して律儀に答えるのは、気分と言うよりも、ちゃんと答えた方が相手の警戒は解いてもらえるだろうという程度。
そして、逆に男も警戒はしている、この声が、魔物の声ではない証明がないので。)
「とりあえず、今から行く!盾を構えつつ行くからな!攻撃してくれるなよ!」
(一応、いきなり攻撃されては困るから、盾を構えていく。おっかなびっくりな様子で、冒険者は先に来ている冒険者のいる方へと近づく。
彼女の身長よりも大きな盾を構えた冒険者が、そろり、そろりと、袋小路にやって来るのが、彼女からは見える筈だ。
どよんと死んだ目をした、でも、ちゃんと生きている冒険者。)
■マオ > 「…………ぷっ。ふ、ふはっ、あはははははっ!」
返答する声が聴こえて、暫くぽかんと声のする方を眺めた後。
抱腹しながら大笑いを上げ、岩の上で転がりまわる少女。
返答があった安堵感で緊張が解けたのもあるが、何より――
「そ、そりゃそうよね、自分で善人とか言っちゃう奴って流石のあたしも信用出来ないわ……
ふ、ふふっ、あ、あー、お腹痛い、お腹痛い、あー…………」
一頻りケラケラと笑い転げた後、威勢良く岩から飛び降りれば袋小路の入り口へと駆けて行く。
少女はとても野性的で、その人生の殆どを勘で生き、乗り越えてきた。
だからこそ思う。この男に害は無いだろうと。根拠など無いが、そう思う。
揺らめく灯りが近付き、男が袋小路の入り口へと差し掛かかる。
丁度それと同時。少女もまた入り口へと辿り着き、来訪者を見上げ――
「…………って、デカっ! デカいわね……あたしが小さいのもあるけど……
やー、待ってたわ! いえ、待ってた訳じゃ無いんだけど、良かった良かった!」
男が視界を下げれば、カラカラと笑顔混じりにそう告げる少女の姿が映るだろう。
「えーっと、冒険者……って言ってたっけ? まぁ大した持て成しも無いけど入んなさいよ! 攻撃とかしないから!」
まるで自分の家とでも言うかの様な態度で、少女は男を袋小路に招き入れた。
■イディオ > 「――――。」
(返答、一応真面目に返答はした、頑張ってどう答えればいいか考えての返答をした。その返答に対して。大★爆★笑。何やら彼女の笑いの琴線をぶち抜いたようだ。
物凄い大笑いが聞こえる、と言うか、袋小路に入ったから、その様子が見える。白尽くめの服装で、異国情緒あふれる服装。
身長でいえば、小柄で、子供に見えてしまうだろうが、それに不釣り合いなほどの、女性らしいふくらみ。
人間ではなく、ドワーフとかそう言った方面の種族だろうか?自分が書物で見聞きしているドワーフは女性にもひげがあるので、別の種族化、若しくは別の部族なのか。ホビット、とか、ハーフリングとか、色々いるので、今一よくわからない。
唯々、判るのは呵呵大笑して、岩の上で転げまわる女の子が一人という事ぐらい。
そして、彼女もこちらの方に、駆け寄ってくるのが判る、その体の動かし方、冒険者としてそれなりに長い男は、格闘を主としている冒険者なのだろうと考える。
小柄でも、速度で翻弄し、打撃を与えていくタイプかと。)
「ああ、一応、前衛をする程度には、ね。
と言うか、ギルドで、合流地点とか、していなかったのが悪いが……一人で進むとは思ってなかったよ。
俺は、イディオ、先程も言ったけど、冒険者ギルド所属の冒険者。
実力は、まあ、並程度さ。」
(攻撃に関してはもう、心配はなさそうだ、奥に着なよ、と言うので、男はうなづいて歩く。盾は背中に、バックパックと、円筒の金属筒に固定する。
亀のように見えるが、実際これで背後からの攻撃はほとんど無効化できるのだ。)
「とりあえず、状況の確認、かい?」
(招き入れる彼女、依頼は、行方不明者の捜索と有るから、それに関しての相談か何かだろうか、と、素直に考えた)
■マオ > 「……あら、律儀ね! 人間の冒険者って荒くれてる奴が多い印象だったけど」
進んで自己紹介をする男を見上げ、感心したかの様な仕草を見せる。
一通りその容姿を観察する様に見回した後、「シケた目してるけど」と余計な一言。その後――
「あたしはマオ。あんたらみたいな姓は無いわ。見ての通りドワーフよ。知ってる? ドワーフ。
ギルドに届け出てる職業は、まぁ武闘家って所ね。肉弾戦と体力が売りよ。
実力は~……ま、大船に乗ったつもりで居なさいよ! あたし、強いから!」
自信満々に胸を張れば、小柄に不釣り合いの巨乳が大きく揺れる。
彼我の身長差は、およそ50cm程か。見上げて話す様は少し辛そうに見えるかもしれない。
「で……状況? 状況ねぇ……っつーか! って、言・う・か!
あたし、パーティ組んでの依頼だなんて聴いてなかったわよっ!
もぉぉ……っ、聴いてたらギルドで待機してたのに、何よあの受付ガッツリ職務怠慢じゃない……」
ブツブツと独り言に入ったと思えば、「はっ」と我に返り再びイディオを見上げ
「ぶっちゃけお手上げ、って感じよ。あんたも気付いてるでしょうけど、
ここまで人どころか魔物の気配すらないし。あとは、まぁ、その……」
少し尻すぼみになっていく言葉。気不味そうに、ちょんちょんと顔の前で人差し指を突き合わせながら
「ぁ、あたし、地図……忘れちゃって……あはっ。ま、迷ってたのよねーっ!
やや、ほんとに助かったわよほんと! 辛気臭い顔してるけど身体はガッシリしてるし、頼りにするわ。イディオ!」
何かを誤魔化すかの様にカラカラと笑顔を浮かべて、抵抗されなければ、
その腰辺りを馴れ馴れしくバシバシ叩くだろう。武闘家らしく、結構強い力加減で。