2020/06/27 のログ
ご案内:「無名遺跡」にキールさんが現れました。
■キール > 仲間が引っかかった転移罠。
巻き込まれた男の飛ばされた先は魔物達が繁殖して増えている所謂モンスターハウス。
男も、魔物も突然の状況に驚くが、戻るのは男が早かった。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
室内に響くびりびりと空気が震える程の雄たけび。
密閉された空間であれば近くにいた魔物達の鼓膜を痺れさせ、動きが悪くなる。
その隙をついてハルバードを持つ手に力を籠め、ブゥゥゥンと空気を裂きながら振るわれれば、
数匹の魔物達がハルバードの斧部で体を裂かれ、柄の部分で打ち据え骨を砕き体を弾き飛ばす。
そこから始まる乱戦。
石突で魔物の膝を砕く様に突き込み、足を取るように掬い上げ転倒した魔物の胸を踏み抜けば鈍い音を響かせていく。
「俺は死なねぇぞぉ!! かかって来い!」
猛獣の様な雄たけびを上げながら肉を裂き骨を砕き流れに身を任せ、本能と修練に身を委ねる。
もしかしたら自分と同じように転移の罠に巻き込まれたり迷い込む者もいるかもしれないがそれはその時に判断と、目につくもの全てを打ち倒す様にただひたすらに体を動かしていく。
■キール > 体を動かせば血が滾り、沸騰し脳内麻薬が溢れ、さらに男のテンションを上げていく。
ハルバードで地面を撫でる様に振れば、男の命を奪おうと距離を詰めてくる魔物の足を切り裂き、砕き、足元に転がった魔物の背骨や胸を踏み抜き、
ハルバードの先端に魔物の体をひっかけ重さをものともせずに振り抜けば肉の塊が飛び道具や魔法を唱えようとしている魔物を巻き込み確実に数を減らしていく。
靴や脛あてだけではなく男の体中返り血に塗れていく。
「はっはっぁ!! おら、もっとかかってこいやぁ!」
目は薄明かりの中爛々と輝き顔についた返り血を拭うことなくただひたすらに魔物達の命を奪っていく。
■キール > 硬い骨や丈夫な皮を切り裂く内にハルバードの斧の切れ味は落ち、切り裂くというよりも砕くという表現に近くなっていくが、
男の鍛え抜かれられた腕と背中の筋肉で生み出される力で振るわれる其れは命を刈り取っていく。
ハルバードの先端の槍の部分は既にかけ、どこかの魔物の体内に置いてきて今では持ち手の長い斧になってしまっている。
それでもなお男は巧みにハルバードだったものを手繰り部屋の中の魔物達の数を減らしていく。
そして、最後の一匹。
己よりも一回り大きいオーク。
短い間隔の呼吸を繰り返しながらも男は見上げ。
「てめぇ、俺を見下ろしてるんじゃねぇ ブチ倒してやる。」
部屋に残るのは虫の域の魔物とイキの上がった男。
そして手下たちを減らされ怒るオーク。
オークが持つのは太い棍棒。
男が持つのは消耗したハルバード。
今までの派手な動きから一転。
互いの間合いを図りながらじりじりとすり足で
互いに体を少しずつ動かしていく。
そして破れる静寂。どちらともなく口を開き
「「おぉぉぉぉおおおお!!!」」
響く一人と一匹の雄たけび。
もしかしたら室内から漏れ、周囲に不気味な声として響くかもしれない。
ハルバードの斧と棍棒がぶつかるその時まで手の力は緩め、刹那の瞬間に全身に力を籠め大地を蹴り生み出された力全てをその一転に注ぎこんでいく。
■キール > ザムッ!と音が生まれハルバードと打ち合わされた太い棍棒を切り飛ばし、オークの肋骨の隙間から肉を裂きながら食い込んだところで遂にハルバードが折れ、オークの体内に斧の部分が置いていかれる。
棍を使い慣れた男に取っては特に変わりはなく、むしろ軽くなった先端。
ふだん使い慣れたそれを手繰りオークの手首に根を絡め、上へ跳ね上げて。
体勢を崩させたところで、石突でオークの足の甲を打ち据え、咄嗟の反応で揺らぐオークの足を絡めとり仰向けに転倒させ。
「ちぇぇぇやぁぁぁ!!」
気合と共に棍を打ち下ろし、オークの胸に残った斧を何度も上から叩きつけ奥深くに食い込ませていく。
何度目でか遂に斧はオークの心臓に食い込み血のめぐりを絶つが、肺になった男はオークの死を確認することなく、胸やオークの顔を打ち据えていく。
肉を打ち骨を砕く鈍い音がただひたすらに響いていく。
■キール > ゴス、ゴスと棍になったハルバードでオークを打ち据えていけば、遂に生物的な反応も無くなり、
その衝撃だけがオークの体を揺らしていく。
オークの胸から上が肉の塊になった所でようやくオークの死を確信して。
「ハッ、ハッ、ハァっ。 俺の勝ちだぁぁぁ!!!」
荒い息のままに勝利の雄たけび。
振り返れば室内に動くものは自分以外おらず、むせ返る程濃い血の匂いと死の匂い。
討伐の報酬が貰える証明部位を回収する手間を思えば、買ったというのに憂鬱な気持ちになる。
「やれやれ、無限に入る魔法の袋でもあれば適当に放り込めるのにな。」
等とため息を着きながら、腰から水筒を取り蓋を開け口に含む。
乾いた喉を潤すために先ずは口の中を湿らせ手から飲みこみ一息。
採取用の作業ナイフで討伐証明の部位を切り取りながら、まだ息のある魔物に止めを刺していくが、もしここでだれかが見れば男も魔物に見えてしまうだろう。