2020/05/01 のログ
ご案内:「無名遺跡」にカミュさんが現れました。
■カミュ > 石の通路の中ゆっくりと歩みを進める少年。
足音を立てぬように気を配りながらしずしずと壁沿いを進んでいく。
フードを外し今は頭の上の獣耳がヒコヒコと動き、狼めいた尻尾がゆらゆらと揺れている。
その耳は通路の音を捕らえ、気配を感じている。
何故遺跡の中を一人歩いているのかというと、パーティーで潜っていたのが、仲間が転移トラップを踏み抜いてしまいばらばらに。
腰には一応シェード付きのランタンはぶら下げていれば、一人であれば特に使う必要が無いのは少年が夜を闊歩する吸血鬼故。
月を思わせる金色の瞳が髪の奥で油断なく左右に揺れている。
武器を握る手に初い力が入り白い手はさらに白くなっている。
負ける事は無いが緊張の為薄い胸の中では心臓が早鐘の様に打っており耳障りに感じてしまう。
■カミュ > 事の起こりは数日前。
よくある話で、よくチームを組んでいる年少組がちょっと背伸びをしようと、遺跡の浅い層の探検をしようという話になって少年も巻き込まれた。
それが今では一人。
他の子は無事だろうか等と考えながら、先ずは自分が生きる事が第一。
逆に一人であれば吸血鬼としての力を遠慮なく使える。
そんな中感覚を広げるために現したつんと尖った狼身は規則正しい足音を捕らえる。
一緒に来た冒険者ではないことは足音の間隔によって分かるが…。
緊張に汗ばみ一筋の雫となって垂れ下り頬を伝い項へと落ちていく。
その足音から逃げるべきか否か─。逡巡するのは経験の少なさ故。
脚がついつい止まってしまった。
■カミュ > 緊張に震えながら、口の中に溜まった唾を人知れず飲み込み、細く、喉仏も出ていないしなやかな首がこくりと上下に動く。
「っふっ─。」
目をぎゅっと閉じ、棍を握る手を緩め、何度か握り直す。
そして足元の石床から前を向き、意を決しその足音を追うように、一歩踏み出す。
足音を殺しながらそろり、そろりと遺跡の中を進み始める。
■カミュ > だが、ふとした瞬間に感じなくなってしまった足音にため息一つ。
本格的な迷子である。
さてどうしようなどと悩みながらきょろきょろとあたりを見回す視線は不安そうに揺らめく。
■カミュ > 立ち止まってもだれが助けに来るわけでもなし。
そう思えば自然と自分がある手来た道を思い浮かべながら慎重に探索を始める。
出てくる魔物達は少年の力も分からず本能で突っかかってくる単細胞ばかり。
出会う魔物と事前に仕入れていた知識から自分がいるのはそんなに深い場所ではない事が分かり、小さく安堵を覚えながら自分の足で歩き脳内に地図を描いていく。
■カミュ > そして少年は遺跡の闇の中に消えていく。
ご案内:「無名遺跡」からカミュさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にカミュさんが現れました。
■カミュ > 遺跡の中を彷徨って数時間。
吸血鬼ではあるがまだ年若く、脚に疲れがたまる。
そんな時に扉を見つけ、中を確認すれば少なくとも魔物の気配はなく。安堵の吐息を漏らすと少年はその部屋の中に身をすべり込ませる。
疲れた足を引きずり壁に背を預けずりずりと棍を支えにお尻を落としていく。
柔らかな少年の尻に伝わる医師の冷たさと硬さにため息一つ。
■カミュ > ローブの中に手を突っ込むと水筒を取り出し、蓋を開け、口を湿らせるように一口。
こくん。
細い喉が揺らめき、わずかな水分が体の中に染み込んでいく。
ようやくリラックスできてきたのか、ふぅぅーーっとため息交じりの深い吐息を漏らす。
■カミュ > 少し休もうと、少年は目を閉じて深く一息。
程なくしてすぅすぅと浅い眠りへと落ちていく。
ご案内:「無名遺跡」からカミュさんが去りました。