2020/04/01 のログ
ご案内:「無名遺跡」にプリシラさんが現れました。
■プリシラ > 地上は穏やかな微風が躍る、のどかな春の昼下がり。
青々と生い茂る丈高い草たちが、微風に揺らされる平和な光景。
――――その中ほどに大きく口をあけた陥穽に、気づく者は居るだろうか。
ぽかりと空いた暗い穴の傍らに、木製のロッドが転がっている。
もっと注意深く見れば、穴の縁に何かが擦れた痕跡も。
――――そして、その穴の真下。
蒼く光り放つ不思議な水苔にびっしり覆われた石造りの空間に、
俯せに倒れ伏す一人の娘の姿があった。
頬や額、手指に擦過傷が残り、閉じた瞼が開く気配は無い。
ローブの裾が乱れて、膝上まで露出した足にも紅く生々しい傷跡。
それらはどれも浅く見えるが、娘の意識は戻らない。
頭上から弱く差し込む陽光に照らされ、打ち捨てられた人形のように。
――――転がり落ち倒れ伏したその体勢から、娘が回復するには、
未だ、少しばかり時間がかかりそうだった。
ご案内:「無名遺跡」からプリシラさんが去りました。