2020/03/22 のログ
■ティアフェル > 荷物を纏める様子を見ながら頬を掻いて。
「やはは、美人からそう云われるとはしゃいじゃうね。
青く見えちゃいますなー。でもま、実際前衛でガスガス戦えるのってやっぱ憬れるよ」
多少の雑魚なら捌けるが、さすがに前衛並みにとはいかない。ない物強請りなのだろうが羨ましい、と微苦笑気味に零して。
「幸いポジションが遠かったから助かったよ。ずっと隣にいたら消毒薬ぶっかけちゃったかも。
そうなんだ、わたしも同じの欲しい。どこで買ったの?」
香水の話なんて、ダンジョンに誠に不似合いな女子トークではあるが、興味津々尋ねて。
体臭はアルコール消毒で処理してしまう、実益派。そうか、香水って手もあるかと真似っ子根性がもたげていた。
「そーね。ここにいたって状況変わんない。
いっそ出口への転送装置を踏みたいよ……ないだろーけどさ」
目印をつけてから歩き出す様子に、さすがだなーとしみじみ感心して彼女について歩き出す。
やはりアンデットモンスターが多いのか、時折スケルトンやらグールやらとコンニチハした。それを回避できるものは回避して、倒すべきものは迷宮の床の沁みにしてやって。
「問題はさー。うちら可憐な乙女だからエロいトラップに出くわさないかが問題だよねー。ここ多いらしいじゃん。
誰が作ったか悪趣味……あぁ、出た、これとか」
と、乙女たちには厄介過ぎる問題を抱えながら脱出を図っていたが、前方の色の一部違う床に気づいて指差した。うっかり仕掛けを踏むと触手の穴に落とされてしまうトラップの筈だ。
見つけるなり、ウザッとボヤいて回避ルートで行こうと。
■ファイネア > 「ふふ。憬れだけでなくても良さそうだけど。
案外、杖術の勉強もあなたには合ってるかもしれないわね。」
先程からの話、結構男勝りな部分もある。
捌くほどでなくてもスタッフを使った杖術くらいは学んでもいいと思わない事もない。
前衛並にと言わないでも、身を守れるに越したことはない。
僧侶だってメイスくらい持ったりするのだし。
「私はすぐ隣にいたけれど。ま、慣れよね、あんなの。
平民区にある小物屋さん。機会があったら案内してあげる。」
元が可愛いのだから気を使う分には好まれるだろう。
それを手助けする分には全く吝かではない。
そういう話をしながらでも警戒を解く様子もない。
出会ったアンデッドは簡単に捌いていくだろう。竜牙兵などが出てこない分相手はしやすい。
…尤も、その腐敗臭に関してはこれなら男の匂いがマシとだけコメントしていたりする。
「卑猥な罠に混じっているかもしれないけれどね。
まぁ、試す気にはならないわね…。」
こつこつと回避しながら歩いて行く。
途中、自分達でもわかるいかにも、なものは避けるなら避けていく。
避けにくいものは槍の石突で叩いてわざと起動させておいたりもした。
こういうものは繰り返し発動する罠の方が珍しい。
しばし歩いていけば、微かな風の流れを感じる事もあるかもしれない。
■ティアフェル > 「あーね。でもなかなか、限界を感じちゃうのよ。やっぱ、才能大事」
武器でもないスタッフを振り回しているにしては、そこそこ立ち回れるほうかも知れないが、本職には及ばない……。
それはやたら鍛え過ぎてムキムキ化してしまうのがヤという乙女心もあるもんだったが。
はふ、と小さく嘆息交じりに。
「だよね。内心へーきなのかなって思ってたけど……大丈夫なタイプだったんだね。
えー? ほんと? 嬉しい。そんじゃここ出たらお買い物してお茶したーい」
表情を明るませて、かわいー子と買い物してお茶…いいじゃないとてもとても乙女じゃない。と何も決まってはいないのに勝手にテンション上げて声を弾ませ。
そして、的確にエンカウントしたモンスターを叩いてくれるので手を出す隙もなく。
腐敗臭には同感した鼻を抑えて「ヤバイ鼻もげる」と呻いて。
「敢えて掛かってやろうって気はサラサラない。誰得だよ、まったく」
舌打ちカマしつつ。エロ系ではない普通の罠にももちろん注意しながら進んでいく。スカウトほどの能力はなくとも、注意していれば罠は案外回避できるもので――。やがて、進みゆくうちに仄かに風を感じると指を嘗めて風の方角を確かめ。
「おっ、こっちっぽいね。脱出かな――って、ギャアァァァァ! い、今、ワンって聞こえた?! あっちからワンって…!!」
出口らしい方角も判明しそのまま順調に行くと思われたその時、不意にその行く手から微かに聞こえた鳴き声にいきなり、悲鳴を上げてびっくうと震えあがりながらその背後にしがみ付いた。
■ファイネア > 「気が向いたらでいいのではない? やる気がないのに勉強しても身につかないでしょうし。
…パーティ組んでいる間ならある程度守ってあげる。」
くす、と穂先についた変な体液を振り払いつつ歩みを進めていく。
後方から見ていれば、ファイネア自身にはそこまでムキムキという印象はないだろう。
「いちいち気にしていると選べる仕事も減るもの。我慢できる範囲で我慢するっていう妥協ね。
ふふ、いいわね。さっきのお礼にお茶の一杯でも奢ってもらわないと。」
後ろだけ気を付けておいてね、とは言いながらだ。
ダンジョン内では殿も大事。ペア行動な以上、後方にも警戒はすべきだとは考えている。
通過してきているので、前方程ではないだろうけれど。
「案外誰かが見張っていたりしてね。悪趣味な引きこもり魔導士とか。
遠見で見ながら一人でムラムラしてるとか。」
くすくすと笑いながらちょっと気色の悪い人物像を提案する。
まぁ、そういうのがいるなら縛り上げるべきだ。そうすべきだ。
と、風に気づいて、ふん、と少しだけ表情を緩める。
が、直後に聞こえた鳴き声と、それをかき消すような悲鳴に逆に驚いてしまう。
「な、何? まぁ、犬か狼系の魔獣とかいてもおかしくないとは思うけど。
………ひょっとして犬苦手?」
背後に隠れるようにするティアフェルにくすっと笑った。
よしよしいい子いい子となでなでしてあげる。
先程同様にほんのりファイネア自身の香りを感じるかもしれないが、
少しだけ速度を緩めて風の方向に歩き始めた。
■ティアフェル > 「やる気はあるんだけど、一定以上のレベルまでいくと頭打ちになっちゃうのよ。
ありがとうファイネアちゃん、お願いしまーす!」
しかし、華奢なのにどこにそんな力がねえ…とたまにいるチート性能系だろうかとやや凝視しては、ふらりと悩むようにアホ毛を揺らし。
「まーね。ごもっとも。あなた偉いよ。わたしも見習うわ。
もちろん、ケーキくらいつけるよ」
軽く応じて肯いて笑い。バックアタックには用心します、と表情をぴしっと引き締めスタッフを握り直して。
後衛だからと云って、前衛にばかりお任せして警戒しないのは言語道断。
アンテナのようにアホ毛を立てて。
「うーわ。それ最ッ悪。見つけたらフルボッコだー」
あり得る可能性に、なるほどそれなら卑猥なトラップが仕掛けてあることも納得がいく……。
顔を思い切りしかめて拳を握り。「見てるかー! かかんないぞバーカバーカ!」と遠見しているのなら、いっちょ罵倒しておこうとガキくさい真似をした。
「い、犬だけは…! 犬だけは勘弁したってください姉さん…!
わたし、本当に駄目。マジで無理。いたら全面的にお願い申し上げます…!」
いるかも知れない可能性に、ヒイィと顔歪めてお願いだからいないで下さい、と風吹く方向から聞こえる声に完全にビクつき。宥めるように撫でてもらって少し気を落ち着かせる。あ、やっぱいい匂い…と一瞬ほんわかすらして。
そして、おっかなびっくり……歩き出す彼女の背中にくっつくようにして進むヘタレっぷりを発揮して。
やがて、薄暗い迷宮内に微かに外光が差し込み、近づくにつれて光が増し、篭った内部の空気を清めるような外気が吹き込んできて――どうにか探索の終焉を迎えようとしていたが――
わん!
お外では野犬がダンジョン内で出た死肉を漁っているという最悪の状況……。
「出れないじゃんー!!!」
頭を抱えて叫ぶヘタレがいた。
■ファイネア > たまにいるチート性能系、というのはあながち間違いでもないのだが。
そもそも人ではない。それを見越しての得物チョイスである。
見た目にやたら重そうな武器とか使わないのだ。
「偉いっていうより…ほら、やっぱりお金欲しいじゃない?
さっきの香水なんかもそうだけど、必需品以外でもお金かかるものね、女って。」
ケーキも楽しみだわ、と言いながら腹の中ではちょっと別の考え。
何なら一晩付き合ってもらおうかしら、などと不届きな事を考える。
なので見てるか―!と気炎をあげる様子に、私の内心知ったらどういう反応するかしら、とちょっと面白がっているのである。
ただ、外面に出てきたのは微笑みだけ。子供っぽい対応を微笑ましく思うようにしか見えないだろう。
そして、歩みを進めれば出口が見える。見覚えのある壁の色や損傷。草木など。
こちらは少し安堵をしたが、後ろにくっついてる娘は実にヘタレっぽい。
そんな所も愛らしいわね、と思いながら外へ向かうと…。
「あ、気づいた。」
出れないじゃん!という叫びに反応して野犬がこちらを向く。
グゥゥ、という唸り声と共にこちらを警戒しながらにじり寄ってくるだろう。
■ティアフェル > 他種族、という可能性も考慮するべきかも知れないのだが…一見ただの女の子。不思議ーと。興味深そうな眼差し。
「ですよねー。冒険者ですもんねー。生活掛かってるしね。
まったくね、男は楽そうでいーなーってたまに思うよ」
今の所ど健全思考な女は特に彼女の裏の考えには気づかず。買い物ランチお茶、と暢気な女子会企てていた。
そして、ふと微笑みに気づくと、さすがにバカっぽかったかな、と後頭部を掻いていた。
ようやく無事に出口まで辿り着くと、普通はほっと安堵するものだが……逆にこの女はたった犬一匹で震えあがり恐れおののいてずさ、と思わず後退し。
「ううわあぁぁー!! ヤダァァァァァァア!! お願いあれ! あれをー! あやつを何とかしてくだされー!
お願い!ファイネアちゃん! ファイネアさまぁぁぁ!!」
野犬がこっちに来る!向かってこようとしている、と認識するや否や、なんとこのアマ、前衛なのをいいことに彼女を盾にしようと、思い切り後ろに隠れて叫んだ。
■ファイネア > 不思議そうな眼差し。それにはこちらも不思議そうな視線を返すのみだ。
まぁ、ちょっと目の色が変わってるかな、くらいの印象だろう。
「男性の方が気にしない事は多いものね。
…まぁ、気を使わない男性には靡けないってことくらいはあるけれど。」
楽しそうな様子。それもまぁ、この仕事が終ってからだ。
この仕事を終わらせる為にはひとまず目の前の脅威(?)を排除しなくてはならない。
楽しそうな様子も引っ込み、後ろに隠れてきゃあきゃあと喚く様子を、
(あぁそんなに嫌いなのね…)という風に思いながらさてと考える。
犬とは言え野犬。噛まれれば怪我をする上、病気になる事もあるし単純に危ない。
とは言え、この場を血まみれにするのもな、と少し考える。
警戒しつつじっと見つめながら…ふと、野犬の足が止まった。
ざわ、という気配が野犬に向けられるだろう。
ティアフェルには見えない位置で、細くなった瞳孔が野犬を見ている。
この手の動物は自らより危険な生き物と察すれば近づいてこない。
その数瞬後。野犬は死肉を放り出して静かに草むらへと逃げて行くだろう。
先程の気配の変化を彼女は感じ取れるだろうか…?
■ティアフェル > 交錯する不思議そうなまなこ、そういえばピンクの眸って初めて見たと気づくと、そのままじぃいっと覗き込んでいた。
「一理ある。だけど、色々目を気にしなくっていいのはちょっと羨ましい」
そんな暢気な会話はそこまでであった。
恐怖の大王の降臨である(ただの犬です)。犬一匹の為にお家に帰れないという犬恐怖症。
全力で人さまの後ろに逃げ隠れして、ぶるぶる頭を振ってなんなら見ないようにぎゅうと目を閉じて、ただただなっさけなく助けを請うていた。
「いいぬぅぅぅー! イーヤーダー!」
そこまで嫌わんでも…な勢いでひたすら喧しかったが……しかし、犬と対峙した彼女の気配……。
もちろん真後ろにいるので瞳も表情もうかがえないが、何か得もいわれぬ空気管が漂ったかと思えば、急に凶暴そうな野犬は、その場を立ち去って行った……。
「ぇ……っ?」
何もせずいなくなったというのが信じられず、犬がいなくなったとなればその背中から離れて。
「行っちゃった…の…? ファイネア、ちゃん……?」
彼女が何かしたのだろうか…? はっきりとはしなかったが、そう思いながら小首を傾げて見遣り。――けれど、不思議には感じられたが、とにかく、犬は去ってダンジョンから出られるようになって――無事お家帰れるターンになったことは間違いない。疑問には思ったが、ま。いっかあー。と生還できたことの喜びで流して。
「うっはあー。解放感! ありがとねー! お疲れお疲れ! このまま街まで帰ろっか。他の連中は――まあ、自力でファイトー」
女性二人、大してアテにもされていないだろうから、怒られはしないだろう。もう今日は早くお家帰りたい気持ちで促して、互いをねぎらいつつその場を後にするだろう――。
ご案内:「無名遺跡」からティアフェルさんが去りました。
■ファイネア > その桃瞳をじっと見つめられればくすっと笑うだけ。
ひょっとしたら魔眼の効果が漏れだしていたかもしれないが…。
それは意識していないのでわからず。
「逃げちゃった。」
脅威は立ち去った。
くるりと振り返ればファイネアは先ほどの調子で微笑みかける。
嬉しそうな彼女の様子に、開放された空気に、ほうと軽く息を吐き出した。
「自力で…放り出していいのかしら。」
…まぁ、でもいいか。とも思う。
アテにされていないというのはわからないでもないし、あのサボりがちなスカウトが下心持っていたようにも思う。
今度街で生きて出会う事があれば軽く謝る、くらいの対応でいいだろう。
そうと決まれば、女二人、王都へと向けて歩き出していくだろう。
ご案内:「無名遺跡」からファイネアさんが去りました。