2020/02/23 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「今日は、大活躍じゃて…のぅ?」

そんな呟きを漏らす少女、ある一室に佇み、左手に扇子、右手に唐傘を携えていた。
くるくると、右手の唐傘を軽く回転させるように、弄ぶ。

ここは九頭龍山脈にある、無名遺跡の一つ。
何とも大層な作りで、何かあるだろう期待も膨らむような場所だ。

さて、なぜ手にした唐傘に対し、大活躍と言ったのか。
その答えは、少しだけ歩めば、きっと分かるだろう。
扉を開き、次の部屋を目指すべく、廊下を歩くのだが…

「………む?」

不意に、ぴくん、と耳が揺れれば、ばっ、と唐傘を正面に向けて広げてみせた。
風を切るような音と共に、何かが飛来してくる。
しかし、それは広げた唐傘の表面に触れた途端、すぅっと吸収されるかのように、消えてしまう。
それを確認すれば、ぱさりと唐傘を閉じ、肩へと掛けるように戻す。

「やれやれ、不思議とこの場所、魔法ばかりじゃ。
まぁ、そう言う場所だったんじゃろうな、多分?」

そう、ここにある罠、それはどれも魔法によるものだった。
少々あって、そうした力を持たせた唐傘、それが無ければ、もう少し面倒だったかもしれない。

気を取り直し、少女は再び、次の部屋を目指し歩くのだ。

タマモ > 同じ罠、だが、魔法による罠と言うのは少々面倒。
物理的なものならば、それなりに位置を把握出来、その元を壊す事が出来る。
しかし、魔法的なものは、位置や罠の元の把握が出来ない。
何となくの直感で発動は分かるが、少女には、魔力を感知する術が無いのだ。
元を断たなければ、まぁ、後から来るかもしれない誰かも、この罠に掛かるのだろう、多分。

もっとも、こうした魔法的な罠を、壊したり、封じたり出来る者も居るだろう。
そうした事をして、己より、先に進んでいる者が居るかもしれない。
とは言え、そこまで言い出したら、それこそ限が無いと言うものだ。

「やれやれ…こればっかりは、仕方無いのぅ。
防ぐ術がある、その程度で、優劣の差を埋める程度しか出来ん」

はふん、溜息を吐きながらも、先を目指す。
その際に、ぴくん、と耳を揺らし、また反応して唐傘をその方向に広げ、魔法を吸収する事を繰り返して。
そうしながら、次の扉の前にまで行くのだ。

タマモ > 「むむむ…確かに、暇ではないんじゃがのぅ。
こうも忙しいのも、これはこれで…っとぉっ!?」

やれやれ、と肩を竦めながら、到着した扉に手を掛ける。
こんな状況なのだ、警戒して開けと言うのに、すぱーんっ、少女は豪快に扉を開け放つ。
ここまで罠があったのだ、むしろ、ここだけ罠が無いとか、ある訳がない。
ごぉっ!と轟音を立て、襲ってきた炎を、広げた唐傘で吸収した。

「いかんいかん、つい癖で…?
………うわぁ…」

ふぅ、と吐息を吐けば、唐傘を閉じ、下げる。
中に広がるのは、一際広い空間を持つ大部屋だった。
それこそ、小さな建物くらいなら、丸々入りそうな程の、だだっ広さである。
が、少女が絶句したのは、それではない。
そんな空間に見えた、ずらりと並んだ書架の数々である。
まぁ、そればかりではないのだが、まずそれが目に入った。

それ以外と言えば、テーブルの上に散らばる、よく分からない道具とか、飾ってるっぽそうな装飾や装備とか。
少し距離を置いた場所にある、少々飾った書架やテーブル、その付近にある、何かそれっぽい品々か。

「………ふむ、まぁ…どう見ても、あれっぽいじゃろうな」

それをやっと見れば、一つ頷く。
とりあえず、まずはあれから頂こうか。
そう考えれば、すたすたと、それへと無造作に近付くのだった。
………いい加減にしろ?気にしたら負けだ。

タマモ > 少女には、目利きの知識も能力も無い。
だが、その直感は、確実に正しい選択肢を選ぶ。

ばさり、懐から取り出した風呂敷を広げる。
伸ばす手で、ひょい、ひょい、と勘が働くままに、これだと思う物を手に取り、風呂敷の上に放る。

多分、辺りにあった書架に、散らばった品々に、何も感じなかったのは…大した物ではなかったのだろう。
現に、この付近にあった書架からも、数冊の本を取り出していた。

結局、風呂敷に包んだのは、短剣と宝玉らしきもの、何か筒に入ったものと、本を数冊だった。
見る者が見れば、相当な品々である訳だが…
やはり、少女から見れば、よく分からないものが多かった。

「ふむ…まぁ、後はどうでも良い。…重いしのぅ」

よいせ、風呂敷包みを背負い、立ち上がる。
他の物も、決して価値的に低い訳ではない。
が、少女が掻き集めた物と比べれば、大きく差があるだろう。
本当は、全部持って行きたいものだが、重量的に不可能であった。

とりあえず、得るものは得た、後は帰るだけ…だろうか?