2020/01/31 のログ
ご案内:「無名遺跡」に白冥花さんが現れました。
白冥花 > 白冥花(ハクメイカ)
それが一輪でも咲いてしまえば数刻のうちにその周辺は真っ白い花の花弁が積り重なる純白の世界と化してしまう、怖ろしいまでの繁殖力をもつと同時に、それだけの繁殖力を持ちながら滅多に見つかることがない希少な花でもある。

此処は迷宮の浅い階層。
出入り口から然程遠くない行き止まりの袋小路になってる通路の奥、其処に白冥花が無数に咲き乱れていた。
もう少し正しく表現すれば其処だけ、その行き止まりだけに白冥花が群生していた。

よく観察すれば、それは何かを苗床に咲いているようで大輪の花と新緑の茎の狭間から一目で人の腕と判るものが伸びている、その腕の細さと指の長さからまだ幼さの残る少年……と推測くらいは出来るだろう、その腕が指が今だ生存しているのか時折ヒクヒクと動き、何かを掴もうとしている様子が見とれよう。

迷宮で夢破れ命を落とすのは珍しい話ではない。
女であれば命を落とすより怖ろしい結末がまっている。
しかし、今白き花が咲き乱れる中にいるのは少年。

その状況を見て助けるのも構わない。
助けずに近くの花だけを採取して立ち去るのも良いだろう。

――…それが冒険なのである、夢破れたものは選んだその選択に恨む事は許されない。

ご案内:「無名遺跡」にハクさんが現れました。
ハク > その狐少女は、まぁ有り体に言えば遺跡荒らしに今日も無名遺跡に潜って行く所だった。
体の呪いを解くための資金は星の数程の金貨が必要――ただしそれでも解呪できる保証はない――であり、
最低限程度の暮らしをすることもままある。

「……ん?」

まだ遺跡に入ってほんの少しの所。何かしら、人のか弱い気配のようなものを感じて耳を震わせる。
たすけて、という感じの声だった気がしてその声の方に向かっていくと――
次第に、花の甘い香りが漂ってくる。
少しくねった道の先、袋小路になっているその場所は……白い、花の群生地となっていて。

「お、おお……む、コレは確か、買取価格が高い花、だったような……」

花畑の入り口でしゃがみ、花弁に触れつつ記憶を蘇らせていく。
確か、ハクメイカ……自分と似た名前だと思った記憶のその花は非常に高価で取引される事を思い出して機嫌よく尾をふりたくり。

「!?」

だが、その喜びも花畑の中央で震える枯れたような手を見つけて止まり。

「大丈夫でござるか!?」

慌ててその花畑に足を踏み入れ、中央の少年を抱き起こすために近づいていって。

白冥花 > 白い花弁が降り積もる通路を歩けば、肉厚な真っ白な花弁が歩く者の体重をやんわりと受け止めて、絨毯を踏みしめるような感触をその足に返す、駆けるのであれば幾分か花弁は舞い上がり、元の通路に積もった埃ごと空気をほんの僅か濁す。

冒険者か、誰かがその咲き乱れる花の中に足を踏み入れ、純白の花と新緑の茎の合間から伸びる少年?の腕を見て近づいていくなら、普通であれば白冥花は魔力を貪るために群がるところであるが、何故か反応しない。

反応しないどころか苗床に絡む茎を解き、大輪の花を退けて、苗床の腕をより露出してまるで助けさせようとするような行動まで始める。

するとどうだろうか、純白の花の中に足を踏み入れた狐少女が其処に近づくたびに徐々に苗床の姿が外気に露出していき、露出が増えれば退け始めた白い花が甘い香りを更に広げて袋小路の行き止まりの通路に蕩けるほどに甘い香りを止まらせた。

その香りは媚薬には届かないが、嗅いだ者を興奮させ交尾を促す魔性の香り、苗床になっている少年に近づけば近づくほどにこの香りもまた濃くなっていこう。

そして、抱き起こさんとする狐少女に向けて甘い香りをまとった苗床の少年が気がついたように手を伸ばす、その手は花の蜜でヌルリと不気味に塗れ、手首には白冥花の蔦が絡み付いていて妖しくも不気味な姿を見せていた。

するり、もう一方の腕も苗床になった少年が大輪の花と茎の間から伸ばし、救いを求めるように狐少女に向けて両腕が伸ばされている、手を掴むには蜜が絡んで滑ることは間違いない、抱き起こすにはまだ近づいて純白の花や茎が生い茂る中に腕を入れなくてはならないだろう。

ハク > 素足を魔力のフィットスーツで包み込んでいるだけの状態であるため、基本足音は静音。
しかし、花弁を踏み荒らしてしまうとなれば、しゃく、しゃく、といった雰囲気の音がそこまで広いわけではない袋小路に響く事だろうか。

「……?」

近づこうとすると少年の上に覆いかぶさっていた花は散るようにその身を退け、腕を露出させていく。
生きているのかと不審に思ってしまうが――
かといって、救助を求める声を聞いてココにたどり着いたのだ。花畑に踏み入ったあげく退くという選択肢はない。

「んんっ……」

どんどん少年の腕に近づきながら濃くなっていく花の香りに、下腹部に疼きを覚えてしまいながらなお進む。
なぜこのハクメイカという花が高価なのか、知らされているのは『万病に効く』『高品質な治癒薬の素材になる』、そして『強い精力剤になる』という事。
この香りが、その精力剤の元になるのだろうかと考えながら尾をくねらせ始めつつ進み。

「だ、大丈夫でござるか……?ほれ、それがしに掴むといいでござる。
 ひとまず、ここは撤退でござろう。おぬしも、この花を取りにきたのかもしれんでござるが……
 何、命あっての物種でござるよ」

やがてたどり着いた少年の体の場所で、花の上に跪いて蜜にまみれた少年の手に自分の手を伸ばす。
少し軽口を叩き、少年を鼓舞しようとしながら蜜まみれの両手を素手で触り、ヌルつき掴みづらい事に気づくと……

「んむ、よし……っ!」

内気功を用い、周囲の魔力を吸収しながら体を大人のサイズに成長させる。
大きくなった乳房を少年の胸元に押し付けるように、両手を床に接した少年の背中に回すために花や茎をかき分けながら抱き上げようとしていって。