2020/01/01 のログ
ご案内:「無名遺跡」に白冥花さんが現れました。
■白冥花 > ここは無名遺跡の中でも名の知れた迷宮である。
度胸試しや新人冒険者の訓練で使われる言わば探索し尽くされ踏破された訓練用に階層された迷宮である。
迷宮の入り口には寒空の下で焚火にあたりながら暖をとる上級クラスの冒険者と冒険者ギルドの関係者、迷宮に挑戦するものが居れば入るに相応しいか確認をもし相応しくなければ袖の下を要求されて、支払えば通されるそんな場所なのだが、月に何度か危険なものが蔓延っていないかの確認も行われている、先程も見回りを終えた冒険者が迷宮から出て何かしら報告をしていた。
踏破され尽くした迷宮であるが、稀に宝箱が何時の間にか設置されたり、珍しい薬草の類が生成されている事もある。
なので見回りを終えた冒険者がお小遣いにする事も有るらしいが、どうも今夜は空振りのようだ。
――…正しくは今夜だけではなく、此処最近「稀」なことが発生しないらしい、だから見回りの冒険者が本気で仕事をしなくなりつつあり、その所為で……その迷宮の通路の一角がとても危険なことになっていた。
迷宮の入り口近く、階層にして一階の行き止まりの通路。
隠し通路でもなくただの行き止まりの通路、朽ちて石畳のあちこちは欠けて土がむき出しの其処に真っ白い花が無数に咲いていた。
普通の冒険者であれば少しでも知恵がまわる者なら小遣い稼ぎになると採取を目論むであろうその花の名は白冥花(ハクメイカ)、万病に効く薬草の素だの実に汎用性の高い花なのだが、無論迷宮にも咲くだけあって魔物である。
それが無数に咲いているのだ。
蕾のもの、大輪を咲かせるもの、大小様々な花が石畳の隙間に、土に根を張り、輝きも無い場所でひっそりと群生している。
不幸な事に今夜は冒険者の見回りの後で警戒がゆるく、袖の下さえ渡せば誰にでも入れる状態での危険生物の放置、その餌食になってしまう犠牲者は現れてしまうだろうか。