2019/12/03 のログ
メルトスラッグ > 這い上がるのを困難とするのは何もツルツルと磨かれたような縦穴の壁面だけではない。

ナメクジのモンスターであるメルトスラッグの身体から滲みでている粘液が縦穴の其処に薄らを溜まっているし、壁面にだってメルトスラッグの粘液がべったりと絡み付いていて、指をかける場所も無ければ掌で抑える事も難しいだろう。

――…それに粘液には冒険者泣かせの異名をほしいままにする効果が金属だけを溶かす性質を帯びていて、金属のフックやナイフすら引っ掛けることすらも困難であった。

縦穴は僅かな傾斜となっている。
悪戯の穴の底を覗こうとすれば傾斜により滑り落ちてしまうかもしれない。

そんな危険な穴を何故洞窟の前にいる中級冒険者達は埋めるなりしないのか、若しかしたら故意に埋めずにいて穴に落ちた女がいればその痴態を酒のつまみにするのかもしれず。
金にならないから余計なことをしない、主義なのかもしれず、理由は様々考えられるが現実問題としてメルトスラッグの蠢く穴は今も尚健在であり、メルトスラッグも繁殖期を向えているのか何時も異常に蠢いて落ちてくるものを待っている。

メルトスラッグ > 今夜は見張り番である中級冒険者が仕事をしたか、元々誰も立ち寄らなかったのか、穴に落ちる者は居らずメルトスラッグの餌食になる人間はいない平和な一夜となったのだった。
ご案内:「無名遺跡」からメルトスラッグさんが去りました。