2019/11/11 のログ
ご案内:「無名遺跡」にメルトスラッグさんが現れました。
メルトスラッグ > ――…無名遺跡

無数にある遺跡群の一つ。
その中の一つである熱気と水蒸気に満ちたダンジョン。
炎の精霊に愛されているのか、それとも近くに溶岩が湧き出すポイントが存在しているのか、
詳しく調査がされていないために理由は不明ではあるが、此処は間違いなく危険なダンジョンである。
その分冒険者の手で漁られていないともいえよう。

石で作られた通路は灯りがないために薄暗く、火に耐性がない者は軽く動くだけで汗ばむくらいの気温という
ただ行動するだけでも疲弊する難易度の高い構造になっているのだが、それでも冒険する者は後を絶たない。

そんな息苦しくも暗い闇の中で天井より滴る水音がある。
涼しげな音とは程遠いネチャ、ヌチャ、と粘り気の重たい音。
明かりで照らすならそれは水音では有るが水滴ではなく、天井の一部からトロリと糸を引いて石畳に落ちる粘液の音であった。

その音の原因は天井に張り付いている巨大なナメクジのモンスターメルトスラッグの仕業である。

粘液も衣服ならしみこんで汚れる程度で済むが、それを防ごうと金属で受け止めると悲劇がまっている。
メルトスラッグ、その名のとおり金属を融解させるナメクジのモンスターが金属を溶かすために滲ませている粘液なのだから。

強固な防御魔法が付与されていなければ粘液が触れた地点からドロドロと溶けていくだろう、溶けて落ちたそれは石畳に潜む何かが美味そうに啜るだろう、
初心者殺しと呼ばれる雑魚モンスターに分類される1匹であるが、真に怖ろしいのは人間や亜人の女がメルトスラッグと対峙した時であることは良く知られている。

その理由は遭遇したものが身をもって体験するしギルドでも注意喚起を促す程。
そしてその末路は冒険者たちに冒険とは怖ろしいものだと再認識させるために語られているのであった。

メルトスラッグ > じっと天井に張りついているだけであった巨大なナメクジはそれだけでは獲物を得られないと判ると、ずり、ずりずりずり、と鈍重な動きで身体を揺すり、天井に張り付いたままノロノロと次なる狩場に向けて這いずりだす。

この通路は妙に粘液の滴る量が多かったのは強大なナメクジのモンスターの狩場だったため、石畳の床に薄らとつもる程に粘液が広がっていたのだ。

だがしかし獲物がいない場所に何時までも留まるようなモンスターではなく、次なる狩場へ移動しまた同様にその動きをとめて、侵入者を何時までも待ち続けるのであった。

ご案内:「無名遺跡」からメルトスラッグさんが去りました。