2019/11/09 のログ
ご案内:「無名遺跡」にクロナさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からクロナさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にクロナさんが現れました。
クロナ > 王都からほど近い位置に出現し、王国の管理下の元で新人冒険者育成とダンジョンの産物確保のために利用されている中規模ダンジョン。石壁に生えた光苔がぼんやりと照らすのは、馬車が2台余裕を持ってすれ違えるくらいの道幅とトロル程の巨躯が問題なく行き交う事の出来る天井の高さを持った巨大な通路。
その石壁の所々に穿たれるのは、頑丈そうな木扉によって隔てられた小部屋や、大型のモンスターでは通るのが難しい横道。

そうした複雑な作りの大通路に、薄暗がりの中で小躯のシルエットを切り取る黒色の軽鎧がポツンと立ち尽くしていた。
漆黒の長髪は後頭でポニーテイルにくくられて、ぼんやりとした光苔にさえツヤツヤとした輝きを反射する。その前髪から覗く顔は夜闇の中に一塊だけ残された新雪を思わせる純白肌。長い睫毛に縁取られた切れ長の双眸、小さくとも形よくツンと突き出た鼻、桜色の色彩も可憐な唇。稚気こそ色濃く残っていても、将来は傾国の美女となるだろう事が確約された美少女の顔立ち。

そんな少女が華奢な細身に羽織ったワンピースの上から銀の縁飾りも美しい黒色の軽鎧で包み込み、禍々しいまでの装飾が施された漆黒の短槍を携え何をしているかと言えば

「―――――クロナは今、冒険している……!」

ぷるぷるとスレンダーな小躯を震わせ、ダンジョン探索中という己の冒険者らしい状況に浸っていた。クロナという名のちびっこルーキーがソロでここまでやってきたのか、はたまた他の仲間との冒険中『周囲を探索してくるから、お前はここでおとなしく待っている様に』と待機を命じられたのかは不明なれど、感情の色に乏しい無表情面は現状に結構満足している雰囲気である。

ご案内:「無名遺跡」からクロナさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にクロナさんが現れました。
クロナ > 「服装を間違えて王都に戻ったり、忘れ物して慌てて入り口近くのお店で補充したり、色々とトラブルがあって出たり入ったりしたけれど、クロナは平気。大丈夫。この程度の罠でへこたれる様なやわな鍛え方はしてない」

己の粗忽さ故の出たり入ったりを緻密に計算された何者かの罠であったかの様に口にして、それを乗り越えてここまで来た私はすごいみたいな感じでまとめた。
そんな謎の言い訳を耳にしたのは、通路の端をチュウチュウいいつつ駆け抜けていったネズミくらいな物だろうが。

「――――さて、せっかくこんな所まで来たんだし、クロナはバトルで大活躍したり、なんだかすっごいお宝を見つけ出したり、いい感じで戦いつつも数に押されてオークとかに捕らえられてそのままずこずこおまんこされてしばらく性処理便所にさせられたりしたい」

緊張感の感じられない平坦な声音が、広々とした通廊に反響して意外な程大きく響く。きょろり、きょろりと周辺を見回す眠たげな黒瞳が、何か面白そうな物はないだろうかと確認する。
気になる物はいっぱいある。あの扉の向こう側の部屋はどんな風になっているのか。あの横道の先には何があるのか。いかにもなんかありそうなレリーフの奥、キラキラ光っているのはもしかしたら価値あるお宝なのではないか、などなど。
立ち尽くす小躯が見るからにそわそわしている。フリル飾りも可愛らしいワンピスカートから覗く矢尻尻尾もにょろんにょろんと荒ぶっていた。

クロナ > 「………………おとなしく待ってろって言われたけど、ちょっとくらいなら多分問題ない。ちょっとあの扉の向こう側覗いたり、向こうの横道の先を確認したり、レリーフに顔を突っ込んでみたりするくらいなら平気」

しばらくの逡巡の後、自分に対する言い訳を口にした無表情は黒槍を携え手近な扉の一つに近づいていく。
その扉に罠など仕掛けられていないのか。その奥にモンスターなど潜んでいないのか。もしかしたら何か価値ある物があったりするかも知れない。
そんな期待と不安に平坦な胸の奥をドキドキさせるちびっこの冒険はまだ始まったばかり。

ご案内:「無名遺跡」からクロナさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………ふむ」

ここは九頭龍山脈、そこにある無名遺跡の一つ。
その中にある部屋の一室に、少女は居た。
それなりに古い遺跡だろう、人の手が加えられた場所だが、ところどころが壊れたり崩れたりしている。
崩れた石壁、程よい大きさのものに、少女は腰掛けていた。

ぱたぱたと、手にした扇子を扇ぐ。
今は、適当に歩き回り、一休憩しているところである。
今回の遺跡は、まぁ、悪くは無い。
程よく魔物が居り、程よく暇潰しとなっていた。
贅沢を言えば、そろそろ、土産の一つも欲しいところだ。

タマモ > 寛ぎながらも、少女は悩んでいた、己の浮かべた選択肢に。
何かあれば良いし、土産は欲しい、だから進むか。
少し疲れたし、戻って温泉でも入ってゆっくり過ごすか。
…まぁ、いつもの少女の気紛れである。

「たまには、罠とか引っ掛かってみるのも…面白そうでは…」

ぽつりと零す囁きは、少女ならではのものだろう。
罠なんてもの、掛かって良いものなんてありはしない。
が、ものによっては、少女にしてみれば、面白味のあるものだ。

よいせ、と腰を上げれば、こきこきと、体を曲げ伸ばしして解す。
ぱしん、と扇子を閉じ、袖の中に。
その視線の先には、開け放たれた扉。
反対側には、また開かれていない別の扉。

さてはて、どうしたものか…

ご案内:「無名遺跡」にシルヴァさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からシルヴァさんが去りました。