2019/10/22 のログ
ご案内:「無名遺跡」にさんが現れました。
> 無名遺跡の中の一つに、女は足を踏み入れていた。
他に仲間はおらず、一人きりと言うのが見て取れるだろう、腰に揺れるカンテラから漏れる光は周囲を明るく仕切るには物足りないが、其れでもないよりはまし、程度の光量はある。
周囲をくるりと見まわしてから、女は軽く柔らかな唇から息を吐き出して見せる。

「んふ、少しばかり、このお仕事は楽しそう、ね。」

垂れ目がちの女の目は、言葉の通りに楽しそうに輝いて、真っ暗な通路を見るのだ。
今回は、依頼でこの遺跡に潜った。
其れも、珍しくギルドからの依頼である。

―――無名遺跡の中のうち一つ、この遺跡を探索し、トラップの有無を調査してほしい。
報酬とは別に、遺跡の中で手に入れた物の権利は全て貴殿に帰する――

「まあ、罠を見つけて、踏みつぶすなり解除するなりしてほしいという依頼で、危険だけれどぉ。」

でも、こういう依頼は楽しそうよね、女は笑みを浮かべて、歯抜け上に書き込まれた地図を片手に、遺跡を歩み始めた

> 石畳でできている通路を女はするすると進んでいくが、此処でさて、と考える。
自分の動きはシーフのそれであり、隠密を基本とした動きなのだが魔獣が居るかもしれない、アンデッドが居るかもしれないと考えるなら、足音を立てたほうが良いのだろうか、と。
別に彼らに見つからずに行くのもアリだが、依頼の目的を考えれば成るべく危険は排除した方がいいだろう。
シーフだから罠と限定されていたができるならば――

「倒してしまっても、構わないのよねぇ?」

誰もいない一人ごちる女は、うふ、と笑って見せる。
そして、歩み方を変える。
態と足音を立てて、此処にいます、歩いていますよ、と言わんばかりの足音で。
まあ、何事もないのが一番なのだけれど、と。