2019/10/12 のログ
ご案内:「無名遺跡」にメルトスラッグさんが現れました。
■メルトスラッグ > ――…無名遺跡
無数にある遺跡群の一つ。
その中の一つである有り触れた迷宮であるが、
此処はその迷宮の中にある密室である。
宝箱や通路に仕掛けられた極有り触れたトラップであるテレポーター。
そのトラップに引っ掛かったものが堕ちる末路であり終着点であるこの密室。
四方は壁に囲われている。
天井の一部が発光している。
部屋の中心にはテーブルがあり、魔力で鮮度が保たれた瑞々しい果実が籠の中に山ほど盛られている。
それに傍に水瓶もあり水もまた滾々と水瓶の底から湧いて、
新鮮な水が常にその水瓶には満たされていた。
是だけなら迷宮の終着点ではあるが、命の終着点には遠い。
だが人としての尊厳はどうだろうか?
四方は確かに壁に囲まれている。
天井は前述の通り、床も真っ白い不自然なほど清潔さを感じれるもの。
しかし壁は違う。
壁はドワーフの職人が作り上げたガラス細工のように透明で壁の向こう側は透けて見える、つまりは外からも密室の様子を窺うことが出来る。
それは部屋と言うよりも錬金術師が使うような実験生物を観察するためのガラスのケージ、
実際に迷宮に蔓延るモンスターや罠に掛からなかった冒険者がその部屋の中を覗いては立ち去っていく。
其処は迷宮の中心である。
迷宮は迷宮を作った主の悪趣味な性癖を満たすための道具である。
そして、その部屋にはテレポーターで運ばれた者が部屋に入った時にだけ仕掛けられたもうひとつの罠があった。
巨大なナメクジのモンスターそれである。
もし転移者が現れれば天井に穴があいてそれが落ちてくる。
まさに罠らしき罠であろう。
■メルトスラッグ > だがどんなに下劣な罠であっても転移者が居なければ発動はしない。
誰もいない、なにもないケージを不思議そうに覗いて立ち去る冒険者やモンスターがいるだけで、
罠が活性化し迷宮を作った主の狂った目的が達成されることは無く、時間だけが静かに過ぎていくのであった。
ご案内:「無名遺跡」からメルトスラッグさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にカイロンさんが現れました。
■カイロン > 遺跡、まださほど入り口からは遠くない階層。
既に湿気が強く身体に纏わりつくようだ。
カンテラで辺りを照らしながら男は進んでいる。時折立ち止まるのは岩肌むき出しの壁や地面を注視しているためだ。
『ヒカリゴケが遺跡の一角でよく取れる気候になった』
そんな薬種問屋の言葉を信じ、うっかりホイホイと普段着に探索道具程度の装備で潜ってきて暫く経つ。
遺跡には何者かの気配を常に感じている。魔族の住処であるという話は強ち嘘ではないだろう。
■カイロン > ヒカリゴケは格別の希少材料というわけではないが、採収できる場所にあると知れば取っておきたく思えるのがこの男の性質だろうか。
それから少し奥へと進んで発見したヒカリゴケの群体は、根絶やしにしない程度に残して採取した。
立ち去り際、魔族のものらしいくぐもった咳払いが聞こえると背嚢の奥を探り自然治癒力にバフをかける作用もあるポーションを1本備えるように岩棚へ置いて引き返す。
ご案内:「無名遺跡」からカイロンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは九頭龍山脈、そのどこかに存在する、無名遺跡の一つ。
その遺跡の中の、浅い場所なのか、深い場所なのか、それは分からない。
ある一室、天井はくり抜かれたように穴が開いており、晴れていたりすれば僅かな光が見える、かもしれない。
まぁ、今はそんな時間帯でもないのだから、真っ暗な空洞が空いているだけに見えるだろう。
ちなみに、穴の大きさは結構大きい。
そんな穴から、その闇に紛れ、ゆらゆらと何かが舞い降りて来た。
一人の少女、その片手には開かれた唐傘、それが見えるのは、側で揺れている狐火のお陰だ。
ふわり、ゆっくりと部屋の床へと降り立てば、ばさり、と開いていた唐傘を閉じる。
そのまま、ぽんっ、と唐傘を消せば、ぐるりと周囲を見渡した。
「ほほぅ…何の穴かと、そう思い降りてみれば、やはり遺跡のようじゃのぅ?
まぁ、どの辺り、まではさすがに分からんか」
ふむ、と頷きながら、少女はそう呟く。
まだ誰も踏み入れていない遺跡か、すでに荒らされた遺跡か。
ぱっと見でなんぞ、分かる訳もなし、である。