2019/10/06 のログ
ご案内:「無名遺跡」にメルトスラッグさんが現れました。
メルトスラッグ > ――…無名遺跡

無数にある遺跡群の一つ。
その中の一つである熱気に満ちたダンジョン。
炎の精霊に愛されているのか、それとも近寄り溶岩が湧き出しているのか、
不明ではあるが此処は間違いなく危険なダンジョンである。

その中では比較的浅い階層にあって、冒険者たちの休憩所に使われている部屋があり、
広い部屋ながらもその部屋だけは部屋の中央にある水場から冷気が湧きだし、
湧き出した冷気が室内を循環する事でひんやりとした空気がその部屋にだけは満ちている。

水場は浅い井戸風に作られていて、その周囲にはベンチに似た休息に向いた座る場所が幾つもある事を考えると、
若しかしたらこのダンジョンは熱気で身体を温めて、冷水で身体を冷やして愉しむような施設が
何かしらの原因で暴走を遂げて作られたものかもしれない。

その部屋は魔力が動力となっている明かりが天井より室内全体を照らしているのだが、今夜はそれが不調なのか僅かに薄暗い。

室内を照らす光源に問題があるのではない、寧ろ動作は正常である
が光源となる箇所に鈍重な身体を器用につかって光源から湧き出す魔力を身体に浴びて眠っている巨大なナメクジのモンスターが存在し、
それが光源を覆っているので全体的に薄暗く、室内には不自然な影すら存在しているのであった。

メルトスラッグ > 不自然な影の幾つかは良く見るとじわりじわりと動いている。
規則性はなく、ランダムに何処に向けてかもバラバラであるが、
勘の良いものが鋭い視覚の持ち主であれば部屋の天井に何かが張り付いているのを察せるだろう、見上げれば視界にも飛び込んでくるだろう、
人の掌サイズから硬く握った拳くらいのモノ、親指くらいの太さのモノから個体差バラバラのナメクジが。

だがその無数のナメクジのモンスターは蠢いているだけで、
部屋に迷い込んだ獲物を襲う素振りは見せない。
だが其処でその異物を凝視するか、若しくは慌てて音でも立てたなら、
ナメクジ達は一斉に音を立てた者に頭部を向ける。

アレはそういう生き物で、メルトスラッグたちには眼がない、視覚が存在しない。

その代わりに彼らは表皮が非常に優秀な感覚器となっており、同様に嗅覚や聴覚もまた優秀な感覚器である。

なので音、視線に非常に敏感に反応しており、特に巨大な人間の子供ほどもある巨漢のナメクジは
部屋に誰かが迷い込んだ時点で静かに行動を始めており、
身体を反らしてネチネチネチと音をたて幾筋も粘液の糸を天井に残し、
侵入者に向けて落下する姿勢を始めていた。