2019/09/05 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシルニアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からシルニアさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にシルニアさんが現れました。
シルニア > 「…こんなところに王都の入口がー…なんて、あるわけないですよねえ。
…はあ、確かに、道に沿って歩いてたハズなんだけど、どこで間違っちゃったのかな。」

古びた迷宮の中に、私の足音だけが響く。私は今朝、ダイラスをたって、王都を目指し歩いてた、はず。
…だけれど、気が付いたら道がどんどん細くなり、しまいには山道に。元来た方向すらわからなくなり…漸く見つけた建築物に縋るように飛び込み、今に至る。
もしかして私、方向音痴なのだろうか?

「誰かー?いませんかー!……いる訳、ないかぁ。」

返事は、こだまして帰ってくる私の声だけ。仕方なく、この建物から出ようと足を進める。あれ、どっちから来たんだっけ。

シルニア > 唐突に、私の右足の床が沈み、かち、と音が発せられる。

「…はっ!?」

瞬時に罠を踏んだと理解。思い切り地面を蹴り、大きく後方へ跳躍。天井へ掠りそうな頭を縮めつつ、魔力を杖に込める。

「うげっ、きもちわるっ!?」

現れたのは、軟体動物の足のような触手生物。粘液か何かで濡れているのだろう、暗闇でも表面がてらてらと光っており、気味が悪い。
先ほどまで私がいた地点へ、10本はあるであろうそれらが殺到していた。咄嗟に回避行動を取ったのは正解。反撃にうつる。
触手たちの集まる地点へ、私の魔力によって描かれるのは、炎の赤色、風の緑色を示す2つの『陣』。陣には様々な文字が並ぶが、中央にひと際大きく、展開型魔法であることを示す『展』の文字。爆炎を起こして一気に吹き飛ばして…いや、ダメ。ここは建物の中!天井が崩れたらたまったものではない。
慌てて赤と緑の陣を引っ込め、代わりに水色の陣を…間に合う、だろうか?

「こ、お、れえぇぇ!」

本当は叫ぶ必要は無い、けれど、咄嗟に魔法を使うときはこのほうがイメージしやすい。
私が着地すると同時に、水色の魔法陣が輝く。ピキ、ピキ、と音を立てて触手たちが凍結していく。

「良かった。魔力や低温に大きな耐性があるわけじゃ無…っ!?」

凍結しても尚暴れようとしているのだろう。カチカチと音を鳴らしながら震える触手たちに、とどめを刺そうと近付くが…
左脚に衝撃。ぐるりと視界が逆さまになる。視界を下せば…この場合は上げれば?私の左脚の太ももに触手が巻き付き、私の事を吊り上げていた。

「くぅ、一匹逃して…ぐ…っ!」

一匹だけならさほど危なくはない、はず。群体で襲ってくるのだから、一匹の力はそこまで強くないだろう。実際私の事を吊り上げても、少し痛いくらいに締め付けだけでそれ以上の害はない。
ぬるぬるして気持ち悪いのを除けば、だけれど。ええと、杖はどこだっけ…ふよふよと私の周りを漂う杖を発見。それをひっつかみ、私を吊り上げる触手を撃破するための魔法を準備する。