2019/08/13 のログ
ご案内:「無名遺跡」にラフェルさんが現れました。
■ラフェル > 数々の名も無き遺跡が眠る、九頭龍山脈。
そこには、様々な目的、理由を持ち、やって来る者達が居る。
それを達するか、達せられないかは、運命の導きだろう。
そんな遺跡の一つ、浅くも無く、深くも無い、そんな位置付けの場所だろうか。
先に何かありそうな飾った扉の前、達せられぬ運命に誘われた者達が居た。
扉を守るガーディアン、それに敗れた者達の姿。
今や生きた者は何者も居ないその場所に、はらはらと真っ白な粒子が降り注ぎ、まずは小さな輝きが現れる。
それは徐々に大きな輝きとなり、それが爆ぜ、周囲に目を開けていられぬ程の眩さが放たれた。
輝きが消え去った後には、一人の少女が佇んでいた。
放たれた輝きに近い真っ白な衣裳、緩やかに流れるような金髪と蒼い瞳、その頭上には白き輪、背には白き翼。
よく物語等で語られるような、天使の容貌を持つ少女であった。
ご案内:「無名遺跡」にエミリーさんが現れました。
■ラフェル > ゆらゆらと宙を漂っていた少女は、ふわりと床へと降り立つ。
一度軽く伏せさせた瞳、床に倒れた者達へと向けられる。
「辛いでしょうが、悲しいでしょうが、これも神が定めた運命なのです。
ですが、せめて貴方達の魂には救済を…」
ふわりと舞い、倒れた者達の側へと移動を。
鈴の音のような澄んだ声で語り掛ければ、胸元へと両手を祈るように組む。
瞳を閉じて意識を集中すれば、少女を中心に再び周囲を覆う程の輝きが発せられ…
その輝きに導かれるように、倒れた者達の体からうっすらとした輝く光球が引き出された。
それ等の光球は少女の周りをゆっくりと漂い、しばらくした後、そのまま上昇していき、消え去ってゆく。
「次に世に生まれた時には、もっと幸せな生を全う出来ますように…」
瞳を開くと、光球が消え去った方へと視線を向け、囁き掛けるように呟くのだった。
場合によっては、こうして死を迎えた者達の魂は、邪なる者達の手に渡る。
所謂アンデットと言う存在、その動力源等にされたりして。
それを見付け出し、救済を与える事も、自分の出来る数少ない事の一つと少女は考えていた。
そうは言っても、少女は万能ではない。
誰しも、こうして見付け出して救済出来る訳では無いのだ。
それを確認すれば、軽く吐息を吐き、安堵の表情を浮かべて。
■エミリー > ダンジョンの一室
毛布を床に敷いただけの簡単な寝所
そこでのんびりと眠っていたのだが突如感じた波動に飛び起きる
「なに……いまの?」
何時もなら何時間経ってもぼーっとしたままなのだが今は驚く程頭が冴えている
眠っている所を襲撃されたようなものなのだから仕方ないのだが
「確かめないと…ゴーさん、行こ。」
安全策を取るなら直ぐにここから脱出するべき
だが今まで感じた事もないような聖の波動を放つ何か
それが何なのか、確かめなければ安心できない
「私を狙って…じゃないと良いんだけど…」
何だかんだと色々しでかしてきている後ろめたさも有り臨戦態勢で感じるまま先程の波動を放ったモノの所へと向かう
勿論、ゴーさんを前にその後ろを着いて行く
緊急時は文字通り肉壁になってもらうつもりだ
■ラフェル > ここはガーディアンの存在する一室。
現に、救済した者達はここで倒されたのだから。
しかし、それが発動しないのは、少女の何らかの力であろうか。
または、この遺跡に害をなす存在でないから発動しないのか。
理由はどうあれ、扉を守るガーディアンの姿は見られない。
少女はその場で屈むと、そっと魂を昇天させた肉体に手を伸ばして触れる。
「このまま残すのも可哀想ですし、ここまでは、私の手で…」
触れる手元に、また新たな輝きが生まれる。
それは触れた肉体へと広がっていき、それがすべてを覆い込むと、次はさらさらと粒子になって散り始めた。
魂を救い、肉体も救う、魂は天へと送り、肉体は周囲に散って自然の一部となる。
近付く気配には気付かない。
気付いたとしても、その行為を止めるつもりもない。
こうして、少女は残る他の肉体にも浄化を与えてゆくのだ。
こちらに向かう存在が到着するのは、どんなタイミングなのだろうか?
■エミリー > 「ここかな…」
扉を少しだけ開け中を覗き込む
広間の中には……信じられない光景が
「天…使……?」
物語の中から出てきたかのような天使らしき少女が足元の死体に触れている
触れるだけではなく光に溶けていったのを見れば尋常な存在ではないのだろうと分かる
「ゴーさん…行ける?」
仕留めきれるか、との質問に全身黒鎧のゴーさんは動かない
ゴーさんだけではない。自分も怖気づいている
どう考えても目の前の彼女は自分の天敵と言える
見た目どうこうではなく彼女から感じる力から察してしまうのだ
「………ここ閉じちゃおう。」
そーっとまた扉を閉める
ゴーさんに全力で抑えてもらいながら遺跡中からアンデッドを呼び寄せる
手当たり次第に木材や重たそうなものを運ばせて
扉の奥でガチャガチャゴチャゴチャと音が響く
バレるかもしれないがそんな事は関係ない
数の暴力でこの部屋を封印してしまうのだ
■ラフェル > 少し離れた場所から、物音が聞こえる。
誰も居ない空間なのだ、持ち運び等の作業を行えば、難聴でも無ければ聞き逃さないものだろう。
それは気になっていたのだけど、少女は救済こそが最優先と考えていた。
だからこそ、離れた場所に居る存在に、ここに通じる扉を抑える作業を終えさせるまでに到らせてしまう。
ただ、実際にはそれが少女のとって意味をなす行動だったのかは、今はまだ分からない。
やるべき事、それを終えれば少女はゆっくりと立ち上がる。
そのまま振り向く先は、さっきから音の聞こえる、先にある扉だ。
その先に感じるものは、そこから漏れ出すように見える恐怖の感情。
その理由までは理解し切れない少女は、急く訳でもない緩やかな浮遊の移動で、その扉へと近寄った。
怖がって居る存在が居るなら、それを救える事が出来るなら、それを行うべきだとの考えが少女にあるから。
そこに居る存在が、どんな存在であるのか、少女にとってそれは関係ないのだ。
開こうと、そっと手を扉に添える。
「開かない…?…鍵か何かでしょうか?でしたら…」
幸か不幸か、少女は救いの手を求めていると感じた相手を、見過ごすような性格ではなかった。
目を閉じて意識を集中する、そうすれば、その体からぽつぽつと光の粒子が零れ始める。
そして、その体がうっすらとした輝きに包まれれば、するりと封じていたはずの扉をすり抜けてしまう。
きっと先に居る存在を驚かせてしまうだろう。
それでも、何か出来る事があるかもしれないと考える少女は、まずは姿を見せて理解して貰う事を考えてしまっていた。
■エミリー > 「皆急いで…!」
アンデッド達による扉の封鎖作業は物が少ないながらもなんとか上手くいっていた
扉そのものも頑丈な為壁ごと吹き飛ばすでもしない限りは大丈夫だろう
一息付ける…そう思った安心感はすぐに打ち砕かれた
「ひっ…!」
幽霊の様に現れた少女に思わず声を上げる
彼女に近いアンデッド達は現れた少女に殺到していく
掬いでも求めているのだろうか…昇天が消滅と同義な自分としては理解できない
ゴーさんの背に隠れながら少女に声をかける
「こ、こんにちは…?」
天使に言葉が通じるのかは知らないが一応声をかけてみた
身の丈ほどの大剣を構えたゴーさんに隠れながらという点を除けばとても有効的な態度である
■ラフェル > 通り抜けた先で、ゆっくりと少女は床へと降り立つ。
恐怖は何によって起こされているのか、それを確かめに来たはずなのだが、そこに見えた光景は数多くのアンデット達だった。
しかし、少女は小首を傾げた。
それらのアンデット達からは、恐怖は感じられないから。
もちろん、救済を求めるならば与える、それは当然だろう。
「安心して、落ち着いて下さい、救済を求めるならば、それを与える事こそが私の役目ですから」
殺到するアンデット達には、優しげな口調でそう伝える。
だが、少女の視線は何かを探しているように、巡らされていた。
そして、その視線が、恐怖していた対象を見付け出す。
それに合わせたように、自分に掛けられる声。
隠れてる遮蔽物の存在が、はっきりとした敵意を向けていないならば、少女は普段通りに接しようとするだろう。
その存在がアンデットであろうと、悪意持った存在や、害意を向けるような相手でなければ、少女にとっては敵ではないのだ。
ただ、その相手が会話が成立する知性を持っている事で、恐怖する理由が少しは分かってしまった。
「こんにちは、えっと…すいません、怖がらせてしまったようですね」
それが分かったから、少女に向けて、軽く頭を下げた。
理由はどうあれ、怖がらせてしまったのは事実。
相手がちゃんと理解し合える相手なら、それは解く必要があるだろうと考えたからだ。