2019/07/26 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは九頭龍山脈、そのどこかにある、遺跡の一つ。
入り組む道を、今目の前にしている、少し豪華な扉までやって来ていた。
普通では開かない扉、普通に、魔法で、とかで施錠されているのか。
はたまた、扉の裏で何かで抑えられているのか。
どうして開かないのかは、少女には分からない。
とりあえず、分かっている事は…
押しても開かない、叩いても開かない、蹴っても開かない、以上。
力を使うのは、最終手段だ。
今は、気紛れにそれ以外で色々と試す気分である。
「こういうものは、こう…鍵穴を見付けて、ピンやら何やらで、かちゃかちゃーっと…」
ぺたぺたと扉に触れ、それらしきものを、探してみる。
…と、その動きが、ぴたりと止まる。
「………鍵穴を弄る道具は…どこじゃ?」
まぁ、結局のところ、鍵穴っぽいものは見付からない訳だが、見付けたところで意味はなかったようだ。
こんな調子で、少女は色々と考えては、無理だと気付く、なんて事を繰り返していた。
■タマモ > 結局のところ、扉を開ける手段は見付からなかった。
と言うか、そもそも、少女には探索に必要な技術そのものが、ほとんど無かったのだ。
…今まで、どうやってきたのかって?
とりあえず、力押し、である。
「むむむ…仕方無いのぅ」
唸り、はふん、と諦めたように溜息を一つ。
ぽんっ、と扉に触れる。
途端に、扉を包むように起こる、違和感。
びきびきっ、と扉の周囲の壁に亀裂が入る。
「………ていっ」
すかさず、げしんっ、と少女は扉を蹴り付けた。
ぼごんっ…扉は閉まったまま、亀裂の入った部分から、抜けてずれる。
ず、ずず…と、ゆっくりと向こうへと傾き…
ずどおおおおぉんっ!と、大きな音を響かせ、倒れてしまった。
「ふむ…よく分からんが、扉が開かんようになっておったようじゃな。
が、こうなってしまっては、意味がないのぅ?」
ちゃっかりと、耳を伏せて、なるべく音を抑えていた少女。
自慢気に、倒れた扉を前に、胸を張ってみせるのだった。
■タマモ > 「おっと、いかんいかん。
せっかく開いたのじゃ、さて、中はどうなっておるのじゃろう?」
はた、と気付いたように、扉の代わりにぽっかりと開いた穴を見遣る。
よいせ、と倒れた扉の上に乗りあがり、その中へと入る少女。
さてさて、ここには何が眠っていたのか、ぐるりと見渡してみる。
少女の目の前に広がる光景、それは…
「そうか、そうじゃな。
勢いよく倒してしまえば、こうなる訳か…」
数々の倒れた棚、散乱した紙やら、壊れた道具やら、何か色々。
多分、あの扉を倒した衝撃とかが原因だろう。
何と言うか…見事な散らかりっぷりだった。
「ま、まぁ…壊れないものであれば…多分…多分…?」
こう、まるで自分に言い聞かせるように呟き、適当に見回したり、漁ったりし始めた。
■タマモ > さすがに、あれは拙かった。
何となく、こう、感じるものはあったのだが…その幾つかは、壊れた物の中にあった訳で。
まぁ、それでも、幾つかは見付ける事が出来た。
相変わらずではあるが、少女には、それらの価値は分からない。
「むぅ………考えれば考えるほど、これが何とか、どうとか、分かるのが不思議じゃのぅ。
どう見ても、妾にはいまいち分からん」
物の価値は、人それぞれと言う。
そう言うものなのだろう、そう考えるべきか。
とりあえず、これか、と思えて大丈夫そうなものを、ひょい、ひょい、と拾って、風呂敷包みに。
ある程度、風呂敷包みが膨らめば、これくらいか、とそこまでにしておこう。
よいせ、と抱えれば、部屋を後にする。
さて、後は戻るだけだ。
帰り道は………帰り、道…?
扉だった穴から出て来るも、その時点で、戻るべき道を見失っていた少女であった。
ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。