2019/06/30 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 今日は雨、雨に濡れたくない、濡れたくないなら屋内。
そんな理由で、少女は今、無名遺跡の一つにやって来た。
………そう、そのはずだった。
なのに、今の少女は全身ずぶ濡れで、こう、何か言いたげな視線を背後に向けていた。
その視線の先には、地下水脈から流れているのだろう、それなりの水場が広がっていた。
ここは、大広間のような広さを持つ室内だった。
少し上に向ければ、天井の穴も見えるだろう。
「………もう大丈夫と、油断をすればこうなる訳か…むむむ…」
次に、その天井の穴を見上げる。
あそこから、落とし穴の罠に掛かり、落ちて来たのだ。
幸いと言えば幸いだし、不幸と言えば不幸とも言えようか。
■タマモ > 唸りながらも、こう、天井の穴と、床に広がる水場、交互に見遣る。
何度か視線を向けた後…だむだむっ、と地団太を踏む。
あれだ、だたの八つ当たりである。
と、気が済んだ頃には、ぜー、はー、と荒い息。
一旦落ち着こう、そうしよう、大きく深呼吸をする。
「こんな事をしたところで、濡れたものは乾かん。
やれやれ、困ったものじゃのぅ」
かりかりと、言葉通りに困った様子で頭を掻いて。
改めて、ぐるりと、周囲を見渡してみる。
大きな部屋、己が落ちた水場があり、少し離れたところに扉。
水自体は綺麗なもので、まぁ、飲もうと思えば飲む事も出来るだろう。
この遺跡内においての貯水場、と言った感じだろうか?
他は、これと言って目立ったものは無かった。
■タマモ > 着物のところどころを、ぎゅーっと捻って水気を絞る。
まぁ、それでも半端に湿ってて、こう、少し気持ち悪い。
耳や尻尾に関しては、頭を振ったり、尻尾を振ったりすれば、水気を払えるから簡単だ。
愉しんだ後みたいに、ぱぱっと取り除けば良いって?
残念、それは己がやった時だけの拘りだ。
便利だからと、常にそうする訳にもいかない。
「あれじゃな…他の誰かが、落ちて来たりせんじゃろうか?」
手を翳すようにしながら、天井の穴を眺め、呟く。
自分だけ、こんな目に合ってるのが納得いかない、そんな感じ。
他の犠牲者が出れば、少しは気も紛れると言うものである。
そこ、酷いとか言わない。
「ふむ、乾いたら移動でもするかのぅ」
ぱんぱんと、着物を払うような仕草。
よいせ、と水場を覆うようにある仕切り、そこへと腰掛ける。
■タマモ > まぁ、照り付ける陽の下ならば…なのだが、薄暗い遺跡ないで、そう簡単に乾く事はなかった。
それならば、火で乾かすのも、と考える。
よし、火を焚こう。
そう考え立ち上がるも、見渡すこの場所に、都合良く燃え易いものが落ちてない。
「まったく、物事は簡単に進まぬか…」
あれやそれや、適当に周囲を探すが、特に無い。
他の部屋ならば、あるかもしれないか?
そう思い付けば、近場ならば…と、扉へと歩き出す。
乾き切るまで待つ、そんな事、この少女には出来なかった。
扉に手を添え、すぱーんっ、と豪快に開け放つ。
と言う訳で、何か燃えるもの…もうこの際、木製の家具とかでも良いから、なんてまで考え出す始末。
扉を抜け、少女は目的の物を手に入れたのか…
それは、少女のみしか分からない事だろう。
ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。