2019/06/09 のログ
ルルーサ > 「………まーったく。まあ、この程度の相手なら割合なんとかなるものね。
 知恵があるのが混ざってると厄介だけど。」

完全に知恵が無い相手ばかりで、力押しで前から突っ込んでくるばかり。
これなら、リーチのある槍は有利である。
ふん、と勝利を確信しながら通路を進む。
この迷宮の1階を完全に掃除すればおしまいだ。

「………もう何もいないかしらねー?」

くるりと見回す。まあ、この程度なら相手にもならない。

ルルーサ > この遺跡は地下1階は確かにゾンビやスケルトンなど、ほぼ意識のない、知恵の無いものしかいない。
地下2階からは魔術師やら、そこを根城にしているものが巣くっているのだが。

「さっさと奥に引っ込んでくれるなら、こっちとしても願ったりかなったりだしね。」

やれやれ、と短槍2本を構えながら、地下への扉をよいしょ、と閉める。その上で封印しておけば、ひとまずは安心といったところ。

ただ彼女は忘れている。地下1階にいたものが地上にまで出てきているなら、当然、知恵のある生き物もまた、次第に勢力を広げているということに。

「…っつっ!?」

扉に手をかけた瞬間に、ちくりと痛みが走って、慌てて手を引っ込める。

「扉に毒針……? 陰険ね、全く!」

吐き捨てながら、にじみ出る血を口で吸い上げてぺ、っと捨てるも。
その舌がじんわりとしびれ始めて毒の内容を察する。

ルルーサ > 「ああ……畜生。」

唇を噛みながら、物陰に静かに腰を下ろす。
舌がしびれて、まともに術も唱えられない。
少なくとも、1階はおおおそ片付けた。
残っていた化け物に見つかって、ということは無いだろう。

そうなると、………早く毒から回復して、自力で帰るか。
冒険者がやってくるなら、解毒薬を譲ってもらうのもいい。
……化け物がやってくるなら、息を殺して通り過ぎるのを待つしかない。

どうにも、あまりよろしくない状況だ。

ご案内:「無名遺跡」にマヌエラさんが現れました。
マヌエラ > かつん かつん
硬質な音は、熟練の戦士であるルルーサならすぐに人間大の存在の足音だと判別がついただろう。
それは少しずつ近づいてくる。
人間大なら冒険者……とは言い切れず。ルルーサが撃退してきたスケルトンや一部のアンデッドも、こうした足音を奏でる。

その音が、すぐ近くで、止まった。

「……どなたか、いらっしゃるのですか?」

声が響く。若い女の――付け加えるなら、人の好さそうな、おっとりした印象の――声だった。

ルルーサ > ………息を殺す。
ああ、こいつはまずい。できれば誰にも会わずに立てるようになりたかったが。
もしもこれが男性だったら、何も言わずに息を殺していたかもしれない。……当然、きっと最終的には手を挙げて助けを求めるのだけれど。

「………そのドアに触れると、毒針がついてるから。」

小さな声で警告をしつつ、僅かに手をひらりと振る。
物陰にいるのは、黒髪ポニーテールの冒険者らしき姿。
顔色ははっきりと悪く、その毒とやらに犯されて動けないことがわかるだろう。

マヌエラ > 「まあ……!」

驚いた声。足音のテンポが速まる……駆け寄った。
姿を見せたのは、声の通りのおっとりした顔立ちの女だった。が、姿態はグラマラスで、魔術具がじゃらじゃらとぶら下がったローブに包んでいる。
うねりながら伸びる長い金髪は足元までを覆うほどで、世間ずれしていない魔術師そのものといった風貌だった。

「ひどい顔色です……! その毒に、犯されたのですね。
 ……教えていただかなければ、私も刺されていたかも知れません。お待ちください。今、何とかします!」

 緑の瞳を心配げに歪めながら、道具袋を開いて、小瓶を取り出した。

ルルーサ > 「………別にいいけど。何とかしてくれるなら、ありがたい、ね。」

やってきたのが想像通りの女で、一つ吐息。
こんなところに一人で来るのだから、能力はあるのだろう、と思考を止める。

「……しびれ薬みたいな感じ。手足に力が入らない……。 ……気持ち悪かったり、吐き気がする感じではない、かな。」

自分の状況を伝える。彼女ほどではないがこちらも割とメリハリのある体をしている。……おかげで男性に対してキツく当たるようになったのだけれど。

マヌエラ > 「まだ、気持ち悪い方が良かったかも知れませんね……。
 ここで身体が動かなくなるのは致命的です……」

冷静な状況判断。致命的、に近い状況でも淡々と述べる姿は若いながらベテランの風格だった。

「私はマヌエラ。魔術師です。
 ……こちらをお飲みください」

蓋を開け、差し出した。中身は、白い液体。若干の薬臭さが漂っていた。

ルルーサ > 「……そういうこと。死んだと思ったよ」

はは、と僅かに笑いながら、鈍い動きでその瓶を受け取る。

「……ルルーサ、見ての通りの槍使い。
 マヌエラ、ありがと。」

言いながら、ぐい、っとそれを喉に流し込んで。
余裕なんてあるわけがない。

マヌエラ > 「ルルーサ様、ですね。ここでお会いしたのも何かの縁です。よろしくお願いいたしますね」

励ますように声をかけながら手渡す。
少々ねばついた感覚だが、喉を通り抜ける感覚は想像よりも快いものだったかも知れない。
飲み干しても、すぐには何も怒らなかった。
毒消しを飲んだり使用したからといって、すぐさま完全に解毒されるわけではないのも当然といえば当然――。

だが。

少し時を於いて起こった異変は――急速な身体の火照り、という形で表れた。

ルルーサ > 「………っふ、っ!」

ぞくん、っと身体を震わせてしまえば、その違和感に唇を震わせて。

「………その、身体が変、だ。
 毒と薬が、合わな……ぁっ……」

小さな声が漏れる。ぞく、ぞくっと身体が疼いて、スーツごしからも胸の先端が少し膨らみ。
身体を丸めて、プル、プルと震えて。……まだ、疑わない。

はー、っ、はーっ、と、湿った荒い吐息を漏らしながら。

マヌエラ > 「大丈夫です、ルルーサさん。
 風邪を治すのに身体が熱を持つようなものです。
 きっとよくなりますから……」

横から、助けるように抱きしめる。
身体が触れれば――肌の感度が明らかに上昇しているのが分かっただろう。

「……場所を、移しましょう」

真剣な声で、囁いた。

ご案内:「無名遺跡」からルルーサさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からマヌエラさんが去りました。