2019/06/05 のログ
ご案内:「無名遺跡」にイーゴリさんが現れました。
イーゴリ > 暫く――と言うにはそれなりの期間、離れていた土地へと舞い戻ったのはほんの数日前の事。
相も変わらず契約違反に依る呪いを受けてはいるが、概ね健康である。
凝固させた1cm大程の氷礫を周囲へと巡らせながら遺跡の中を進む足取りは軽い。

「暫しの路銀が欲しいんだがのう…。もそっと深くに降りるかね。」

体躯に見合わぬ老成した物言いで嘯けば口覆いを少しだけずらして周囲の空気を嗅ぎ取って。

イーゴリ > 人より遥かに優れた嗅覚は空気の流れに乗ってくる匂いを嗅ぎ分ける。無論、流れがあれば方向も。
すん、と何度か鼻孔を使っては口覆いを被せ直し。

「前には無かったにおいが増えておるの。」

布の下でにんまりと唇が弧を描く。
一度止めた足が再び動き出せば迷いのない足運びで更に奥へ奥へと進みだし。

ご案内:「無名遺跡」にダグラスさんが現れました。
ダグラス > 久方ぶりに陸の遺跡にでも潜ってみようかと気分転換もかねて訪れ。
暫く潜ってから小遣いにはなりそうなものを取得し。
そろそろ帰ろうかと松明を片手に遺跡の中から入り口に向かってすすみ。

「………っん?」

ふと、静寂に包まれた遺跡の中に足音のようなものが聞こえ。
脚を止めて前方の通路に松明を向けて明かりを照らす。
今日は部下を連れていないため、物音を立てるとすれば魔物かもしくは別の冒険者の物だろうかと目を凝らし。

イーゴリ > 小通路から飛び出て来ようとする小さな魔物は姿を見る前に礫で貫いてしまう。
少しの間進んでいれば不意に感じ取ったにおいは間違いなく人工のもの。
風上に居たが故、気付くのに遅れた。礫の量を少々増やしながらショートボウを構えて。
やがて些か遠目にぼんやりと見えた松明かりに歩みを止め。

「―――……そこの。それより足を進めるのはちょいとばかし待ってくれるかね。」

些か幼さの残る音で声かけて。

ダグラス > 「おん?俺に命令するとは命の大切さを知らん冒険者もいたもんだな」

松明が照らす薄明かりのなか、正面に立つであろう相手から声が聞こえれば怪訝そうに眼を細め。
盾を前に構えながら警戒しつつ相手に近づき明かりが相手の表情を照らせば眉を上げ。

「ん?お前、どこかであったことがあるな?」

イーゴリ > 歩みを止める所か更にと進んでくる相手に射掛けようかと改めて弓を引き絞った矢先、覚えのある声と顔が見えた。

「げ。」

思わずと言った調子で零れた声は静かな通路に存外よく響く。
芋づる式に引っ張り出された思い出したくない記憶に、幾ら心臓に毛が生えている様な精神構造とは言え、流石に渋い顔にもなる。
続けざま、男の足を止めるべくその足許へと矢を放ち。

「ええい、止まれと言うに。お主のような男覚えておらんわ。」

ダグラス > 「ほぉ、ならその身体に思い出してもらおうか?」

相手の反応からやはり記憶の相手と同じであろう。
そういえば以前出会ったのもこのあたりであったか。
記憶をたどりながら相手の服の中に隠れた身体も思い出し。
じりじりと間合いを詰めて射程内に収めれば一気に地面を強く蹴り。
相手の矢が飛んでくれば盾で受けるか斧で弾き、そのまま盾ごと相手の身体にぶち当たり。
体格差を利用して壁まで突飛ばそうとして。

イーゴリ > 警告代わりと一射目は敢えて足許を狙うも、距離を詰められれば縦に弾かれる音が響く。
儘、此方へと突進してくる体躯に眉根を寄せる。
自ら後方へ飛びつつ男との間に魔力を乗せた氷を生み出し勢いを殺して。

「そのデカい身体で飛んでくるでないわ。その節穴ではこの華奢な体が見えぬのかね。」

背中側から作り伸ばした氷を壁へと突き立てれば衝突もない。
周囲へと生み出していた10に満たぬ氷礫のサイズがバキンッと音を立てて大人の男の拳大程へと成長すれば、その儘男の方へと勢いよく飛んでいき。

ダグラス > 衝突の前に作られた氷の障壁にぶち当たればそれを砕き。
しかし威力を殺されてしまえば相手を突き飛ばすには至らず。
お礼とばかりに飛んでくる氷塊の一部を交わし一部を斧を掌で回転させて弾き落とし。

「余計な小手先事は苦手なんでな、手荒にされたくなければさっさと降伏すれば痛い目見ずにすむぜ?」

お互いの間に松明を投げて周囲を照らさ。
獰猛の笑みを浮かべつつ一歩一歩相手に近づいていく。
その様子は獲物を狙う肉食獣じみてはいるが一方で警戒は怠らず隙を見せない殺気に気づくだろうか。

イーゴリ > 「降伏したとて痛い目は見させられるんじゃろ。知っておるわ。」

男の言葉を、ふん、と鼻で笑って見せる。とは言え、以前同様圧倒的に地の利がない。
大技を出そうにもこの狭い場所では道連れの可能性が高く、リスクだけが大きいのだ。
隙の無い男に攻めあぐねる内、じりじりと詰められる距離に渋い顔の儘、詰められる分だけ壁伝いに距離を取り。

「お主、物好きも程があるだろうよ。そこらの女子の方が余程楽しめそうなものを…。」

言いつつ、天井と床へと己の魔力を張り巡らせる。
元々己の居た位置へと足を踏み入れれば、魔力を織り交ぜた氷の牢が男を捕らえることと。

ダグラス > 狭い場所では小柄な相手や速度を重視した相手のアドバンテージを潰すこともできる。
おまけに暗闇も重なれば得意とする船の中と環境は同じとなる。
そういった地の利を得て相手を追い詰めようとしたところで聞こえる相手の言葉に苦笑を零し。

「やっぱり覚えてるんじゃねぇか。
 っと、こんな檻で俺がとらえられるとでも思っているのか?」

目の前に檻が展開されれば脚を止め。
軽くつま先で蹴りつつ相手を挑発するように言い放つ。
魔法などかけらの知識もないため溶かすなどということはできないが。
素手で檻を壊したことだってある剛腕を使うだけだと、斧を振りかぶって檻の柵へ叩きつける。
一撃でヒビが入れば数回打ち込めば破壊しうるだろう。
檻を壊せば今度こそ相手に距離を詰めて逃げられないように相手の腹に拳を叩きこむように飛び出すだろう。

イーゴリ > 流石にあれを早々と忘れられる訳もない。
男を氷の中へと閉じ込めれば、さて、と逃げる算段を付け始める。
そこらの牢より余程強度の高い造りなのだ、早々に壊されもしないだろう――

「――嘘じゃろ…。」

ぎぃん、と嫌な音が通路に木霊する。
口の端が引き攣る。思わず、と言った様子で撤退するのも忘れて唖然とした表情でその様子眺め――男が牢を破ったと理解したのは既にその顔が目前に迫ってから。
咄嗟に手甲のついた腕を間に入れて腹を庇うも、それで男の力を殺しきれる筈もない。
響く衝撃にぐ、と息を詰めては盛大に噎せ込みながらその場に頽れ。

「ぐっ―――ぅ、…この、馬鹿力め……ッ!」

ダグラス > 牢から飛び出し、相手の腕越しにもはっきりとわかる衝撃が手に加わり。
それを示す様に相手が床にうずくまるのを見れば相手の脇に手を伸ばし。
片腕で相手の身体を持ち上げれば壁に押し付けて視線を合わせ。

「なかなか頑丈な作りだったが、まだまだだ……な!」

相手は魔法を得意とする。
捕えたところで安心はできず、檻を破壊した際に亀裂が入った斧を投げ捨て。
変わりに空いた手を握り込み、今度こそ相手の戦闘力を奪おうと。
相手を殺さないくらいの力に調整した拳を相手の腹めがけて放ち。

ダグラス > 【継続終了】
ご案内:「無名遺跡」からダグラスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からイーゴリさんが去りました。