2019/05/30 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここ最近、妙に暑い日が続いていた。
避暑に屋内と思っても、普通に冷房設備なんてもの、ある訳もない。
それならば、と王都を出て、巡りに巡り、到着したのは遺跡の中であった。
深い場所ならば、陽も通さず、きっと涼しいに違いない。
………うん、その考え自体は、間違ってなかったはずだ。
涼しい遺跡内、のんびりとお宝探し、良いじゃないか。
だが、そんな日に限って、気温はそれを裏切るように下がっていた。

「………むしろ、肌寒いとはどう言う事じゃ…」

別段、寒いと言う程でもない。
だが、こう、あれなのだ…思っていたのと違う、そんな感じ。
ぽつりと呟きながら、少女は遺跡内を歩いていた。
気分は…微妙か、少々不規則に尻尾は揺らめいている。

タマモ > 「ふむ…」

と、ちら、と少女の視線が歩いている廊下の床へ向けられる。
一見すれば、何かある訳でもない、普通の石畳だ。
少女自身、正確にそれが何かと分かっている訳でもない。
だが、何となく…そう、何となくで、とん、とん、と適当な石を選びながら跳び始めた。

実際には、その内の幾つかが、踏めば何らかの罠が発動するものだった。
しかし、少女はそのすべてを避け、その廊下を抜けて行く。

その場所を抜け切り、何も感じなくなったのだろう。
とん、と最後に着地をすれば、再び普通に歩き始めるのだった。
別に何をする訳でもないし、しようとも思えない。
なぜならば、何かある事を理解してない為、何も起こらなかったのに違和感を感じなかったからだ。

「むむむ…これは、色んな意味で失敗をしたかのぅ」

歩みはそのままに、唸りながら、首を傾げる。
避暑のつもりが、そうなってない。
ついでのお宝探しも、今のところ、何も見付かってない。
遊べそうな、魔物や相手もいない。
一応、それなりには進んでいるが…さてはて、この先どうするべきか、悩みどころか。

タマモ > 結局のところ、考えが浮かばず。
なのだが、歩みは進めていたせいか、更に奥へと辿り着く。
気が付けば、目の前にあるのは大きな扉。
ここまで来るまでに、一応、扉自体はあった事はあった。
ただ、普通の扉ばかりだったので素通りしていたのだ。

「とは言え、今回は………うむ、扉だけのようじゃな」

こうした場所には、大体は何かがあった。
動く石像とか、魔物とか、門番っぽい何かが。
それが、今回は扉があるだけで、他は目立ったものは無いようだ。

「うむ、これはこれで楽で良い。
何も無さ過ぎるのは、それはそれであれじゃがのぅ」

はふん、と溜息を一つ。
どれさっそくと、扉に手を添える。
すぱーんっ、と、いつものように扉を開こうとするのだが…

「よし、開かん」

うむ、と頷きながら、そう呟いた。

タマモ > 「たまには、軽く開いても良いと思うんじゃが…
毎回毎回、力を使うのも大変なんじゃぞ?ん?」

こつこつと扉を小突き、言っても無駄と分かっていても、こう。
はふー…一度深く吐息を吐けば、一歩、二歩と扉から距離を置く。

「………と言う訳で、ほいっ」

すっ、と手を横薙ぎに払うように。
すると、ごがんっ!と激しい衝突音が鳴り響いた。
それと共に、扉は歪に大きく凹み、がらがらと音を立てて、止め具諸共地面へと崩れ落ちてしまう。

「ふふんっ、素直に手で開いておれば良かったものを。
無駄に抵抗するから、こうなるのじゃ」

えっへん、と自慢気に胸を張る少女。
崩れた瓦礫の上に、とんっ、と飛び乗る。

「今日のお宝は何じゃろうか…」

再び、とん、と蹴れば、そのまま薄暗い部屋の中へと少女は消えていった。

ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」に刀鬼 紫沙希さんが現れました。
刀鬼 紫沙希 > 無名遺跡と呼ばれる遺跡群の一つに鬼が現れたのは午前中のことであった。

鬼の他に護衛として雇った冒険者が数名。

「で、さっきも説明した通りここに行方不明になった貴族が居るらしい。
見つけた奴には報酬を弾むぞ。 ほれ、捜索開始だ。」

大昔の神殿を思わせるエリアで冒険者達に指示をだし、別れての捜索を開始する。
皆ギルドを通して雇った強者たちばかりだ。

鬼も彼らと一時別れると似顔絵を手に探し回る。

「…って言っても俺は探し物とかは苦手なんだけどな。」

人目を憚ることなく欠伸をしている鬼。

ご案内:「無名遺跡」から刀鬼 紫沙希さんが去りました。