2019/04/25 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > 遺跡と呼ばれる場所は、大小さまざま、それこそ数多く発見されている。
だからこそ、冒険者と呼ばれる職業が数多く存在し、活動を続けていられるわけだが。
今日の遺跡は割と小さいと考えられている……最近見つかったそれ。
主目標は、探索に行って戻らない冒険者の探索。
副目標はあまり考えたくもないが、遺跡の踏破である。
遺跡の財宝にも興味があり、また、それができるという力の誇示にもなるのだろう。
そのたびにGOサインを出される方の身にもなってもらいたい、とため息が出てくる。
とはいえ、お仕事はお仕事である。
棍を能力で光らせ、たいまつ替わりにしながら暗いダンジョンを静かに進む、シスターが一人。
冒険者としての年季もそこそこあるけれど。
■シスター・マルレーン > 長い棍はこの狭い場所での戦闘に不向きだと思われるが、そんなことはない。
むしろ、1対1をほぼせざるを得ないこの場所は、むしろ彼女にとって得意なフィールドと言える。
現に、戦闘はもはや何度も経験しているが、危なげなく勝利を収めて探索を続けている。
一番危なかったのは、曲がり角でいきなり弓を撃たれた時だが、………それもすんでのところで回避できた。
「……部屋、ですかね。」
直進する通路の壁に、一つだけぽつん、とある扉。
ドアノブに毒針などが無いことをチェックして扉を開けば、………誰かの私室だろうか。
机に書棚、ベッドが並ぶ、小部屋が目に入る。
……少しここで選択肢。
この部屋を後回しにするか、先に部屋の中を探索するか。
見るからに財宝といったものは無いからスルーされてはいるが、彼女の副目標はダンジョンの踏破。
この遺跡が誰が、どのような目的で作ったのかを調べることができるのであれば、それも大切な仕事だ。
「……先にちょっと調べますか。」
足を踏み入れ、薄暗い部屋を棍で照らす。
■シスター・マルレーン > がちゃり。
「おや。」
ぴくり、と嫌な予感がして振り向けば、開いたままにしておいたはずの扉がいつの間にかぴったりと閉まって。
押しても引いても、ぴくりともしない。
「いや、こんなところで囚われの姫君するつもりもないんですけど。
………これはあれですか、何かしらの解除方法が部屋のどこかにあって、って奴でしょうかね。」
閉じ込められてしまえば、参ったな、と困った顔を見せながら、金色の髪を揺らして部屋を見回す。
ヒントを見つけなければ、ここでおしまいになりかねない。
■シスター・マルレーン > 誰かいたら外から開けられるかしら、とは考えるが。
大きな声を出したとして、やってくる可能性が高いのは魔物の類。
ふー、っと溜息をつきながら長期戦を覚悟する。
謎解きは得意ではないが、ピンチの時に力を発揮するのは彼女の得意分野。
まずは集中。 集中して周囲の変化、妙なところ、違和感、音。 部屋のすべてを集中して知覚する。
「………あ。」
集中して気が付いた。シュー、シュー、という僅かな音。
それが何かの目的をもって部屋に送り込まれている空気の音だと気が付くのに、時間はかからない。
こんな密閉された空間で何かが送り込まれて、それが爽やかな高原の空気であるはずもない。
心の中で長期戦を訂正する。
短期決戦で何とかできないと死ぬ奴だこれ。
■シスター・マルレーン > 「誰かいますー? いたら、外から開けられないか試してもらえませんー?」
一応、外に声をかける。
誰もいないだろうが、一応、一応。
かけながら考える。
謎解き? ダメだ、私は基本的に頭は悪い。その上で本当に答えがあるのかもわからない。
本当に大きな声で助けを求める? いやいや、さっきも考えた通り、それでやってくるのは小鬼やらの類だ。このガスが睡眠効果などあったならば、みすみす自分を差し出すようなものだ。
ぐるぐる頭の中を情報が回って、この状況を己の力で打破する案を急速にまとめていく。
瞳の中もぐるぐる回って、頭から湯気も出る。
考え込むのは苦手系シスター。
■シスター・マルレーン > 「よし。」
よし。
とりあえず何も解決していないが、覚悟だけは固めた言葉である。
扉は頑強な金属製。周囲は分厚い石壁。
ガスがどこまで来ているか見えないために、深呼吸はせず息を整え、す、っとフードを被る。
分厚い修道服をしっかり、頭まで覆うように着込めば、扉から離れて。
神に祈りを捧げる所作を見せる。
諦めた祈りではなく、強い決意の祈り。
「………………ふー……。 久しぶりですけど………っ!!」
いつもは棍のみに付与している聖なる属性を持つ強化付与。
棍だけではなく、手袋に付与して殴るといった使い方もできるそれを、着込んでいる修道服に。
服自体がきらきらと輝き始めて、発光し、薄暗かった部屋を照らし出していく。
■シスター・マルレーン > 「だーーーーーっ!!!!」
ガオォンッ!
ものすごい音が響き渡り、金属の扉が変形する。
全身の衣服を強化した上での、全身全霊のタックル。
敬虔な修道女としての特性を十二分に生かした、スマートかつ優雅な技。
フードを被った理由は、まあ、頭打ったら脳震盪のレベルで突っ込んでいるからだけれど。
ぱらぱらと土が天井から落ちて、しばらくの静寂。
「りゃーーーーーーーっ!!!!」
ガオォンッ!
■シスター・マルレーン > 奥の手中の奥の手である。
消耗も激しく、見た目ももはやバーサーカーでしかない。
あまりにも恥ずかしいから他の人には見せられない。
まあ、常時これで暴れるほどに体力は持たないし。
「………はーっ……はー……っ……」
しばらくすれば、ぶち破られた金属の扉と、その前で膝に手をついて荒い吐息をつくシスターが見られるだろう。
死ぬほど疲れた。
あと肩めっちゃ痛い。
■シスター・マルレーン > 大ピンチって意味では大ピンチである。
すっかり消耗しきってしまった。棍を手にしながら、元来た道を引き返すことにする。
先ほどまでたくさんの敵を倒してきたのだから、そのまま帰り道を引き返せば安全に帰ることができるはず………。
ただ、すっかり発光させる力も尽きてしまえば、目の前は漆黒の闇。
壁伝いになんとか、かんとか歩みを進めて、来た時とは真逆のおぼつかない足取り。
「………大きな音出しちゃいましたからね。
できるだけ早く………」
たいまつを取り出して明かりをつけるなりしたいところだが、あの場所にずっといるのは危険。
とりあえずはまず、通路を歩いて距離を取って。
■シスター・マルレーン > そんな彼女が無事に帰れるかどうかは、それこそ神のみぞ知る。
やっぱりタックルは封印しよう………。
ご案内:「無名遺跡」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にイーシャさんが現れました。
■イーシャ > 「こんなとこにも」
ある依頼を受けて訪れた無名遺跡の一つ。
入り口は草木に覆われ、人どころか魔物や獣の類の痕跡すら確認できない洞穴。
しかしその奥深くへ進んでいくと、不自然なほどに罠がちりばめられていた。
魔法のものではない、物理的な罠だ。
その一つを解除しながら、ぽつりとつぶやく。
「奥にあるものは期待できるかどうか…」
罠を仕掛けるということは奥に何かを隠しているということか。
露骨すぎてあんまり期待できないところはあるが、仕事は仕事なので進むしかない。
今のところ人の気配は感じられないが何がでるやら、もしくはこの仕事に相棒がいるなら後ろにランタンを向けて様子でも見るか。
■イーシャ > 結局のところ奥まで行ってもこれといった発見はできなかった。
まぁ洞窟探索なんてたいていこういうもの。
調査依頼の仕事自体は完了したので、報酬を貰いに王都へ戻ろう。
ご案内:「無名遺跡」からイーシャさんが去りました。