2019/04/23 のログ
ご案内:「無名遺跡」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 無名遺跡、地下何階か…コロコロと地形が変わるし罠も多く
帰り道に地図が意味を成さないなんてこと多数。
この遺跡に長時間潜って、自分がどこにいるか把握するなんて不可能だ。
だが、それでも思う。
以前来たときよりも確実に深層に降りてきている。
魔術の使い方がわかり、戦闘に無駄がなくなったおかげで疲れも少ない。
体力に余裕があれば、罠に対する警戒心も維持できるというもので

「この箱は…っと…」

眼の前のはこの周囲に仕掛けられていたトラップも回避し
今、その中身も無事に回収できた。出てきたものは金の杯…売ればなかなかの値段になりそう。
このように、収穫が得られるようになったのも、正直大きい。

ブレイド > さすがに、まだまだ先は長いだろうが…
目的の一つに一歩近づけたというわけだ。
目的のものが存在するかどうかもわからないが無名遺跡に眠る魔導具が使えれば
そうでなくとも別の目的…たとえば、強い冒険者になって名を挙げて
ミレーの立場を向上させるという最初の目的を叶えることもできるかもしれない。
なんにせよ、可能性が広まったのはいいことだ。

「(ま、今日はあまり無理はしねぇでおくか…)」

そろそろ地上に戻ろう。
あまり欲張ればここで命を落としかねない。
少し強くなったからと言って、調子に乗ればすぐに死ぬ。
冒険者というものはそういうものだ。だから、余裕があるうちに脱出を試みることにした。

ブレイド > 深層に潜れば潜るだけ、帰りも同等の労力を使う。
とくに形が一定ではなく、一度通った通路でもしばらく通らなければ新たな罠ができているような場所だ。
戻るだけでも新しい階層に踏み込む覚悟が必要なのだ。
特に帰りとなると油断もしやすい。
ここでの死因の6割は油断によるものと聞いたことがある。

「しっかし……」

体力に余裕はあるとは言え、結構潜ってきたのだ。
下りの階段はまだしも、上り階段が続くのは正直精神的によろしくない。
上りの階段を恨めしげに睨んで一歩踏み出す。

ブレイド > とりあえず上り始めるとしよう。
休憩もはさみつつだ。
ハイペースで来れた分、食料や水にもまだ余裕はある。
疲れてミスったら元も子もない。
帰って、今手に入れた杯を売って、うまい飯でも…

『カチ』

音。なにか、へんな…硬い感触のものを押し込んだような。
上り階段を一歩、一歩踏み出しただけ。
血の気が引く。

「冗談…」

瞬間、足首を取られて一気に視界が逆転した。

ブレイド > 「……あー……」

見事な逆さ吊り。
そこまでならばまだいいのだが
階段で引っかかったせいで下手に落ちればわりと大惨事だし
厄介なことに天井から吊り下がるロープは上階からのもの
つまり…結構な高さだ。

「……まずいな…」

冷静に考えなくてもわりとやばい状況なのではないだろうか?
水と食料、戦利品のはいった背負い袋は腕と足首を痛めつけてくるし
中の物を取り出そうとすれば中身が床にぶちまけられる。
つまり、食事も水分もとれないのだ。それに、頭に血が上りすぎると割と普通に死ぬらしい。

ご案内:「無名遺跡」にジョンさんが現れました。
ジョン > 「……あん?」

重々しい音をあげて、一人の男がやってきた。
視界には入ってはいなかったが、差した影で気づく。
そのまま上を見上げればぶら下がった少年が一人。

「おう、ガキんちょ、何やってんだ。んなとこで」

邪気もなく見上げながら問いかけた。
聞かずともわかろうことをあえて問いかけるように。

ブレイド > 「遊んでる…ならよかったんだがな
罠にかかった、そんだけだ。
面白いもんでもねーんでおろしてくれると助かるかもな」

何だこの男。
でかい。
何者かはわからないが、いちいち話しかけてくるということは
ここに住まう化物の類…とはまた違うだろう。
悪徳冒険者、盗賊その他の可能性も否めなかったが
この状況ではどうしようもない。
何をするにしても降りてからだ。相手が素直におろしてくれればの話だが。

ジョン > 「おう」

見上げたまま、がりがり、と頭をかけば。
腕組みをしてふむ、と悩む。

「ロープを単純に切ればいいって話でもなさそーだな」

切ってどうにかなるのなら自分でどうにかしてんだろうしな、と呟けば。
ぐっぐ、と幾度か身体を屈伸させて。

「ちぃっと乱暴になるが構わねぇよな、男の子」

ごん、とつま先で石畳を蹴ってから。
足元が瞬間的に光ると同時。
その巨躯が少年の眼前まで飛び上がり、手刀でロープを叩き斬ると同時。
重力に任せて落ちかける少年の襟首を掴んでから、重々しい音をあげて着地した。

ブレイド > 「まーな、みての通り高さと足場がな…」

この男の長身であれば問題はないのかもしれないが
自分にとってはだいぶよろしくない高さ
そして、下は階段という安定しない足場。
下手に落ちたら角で頭をうつなり、したたかに体を打ち付けるなり。

「この状況よか悪くはならねーってなら構わねーよ…っと!?」

男が身をかがめれば、一気に長身が飛び上がる。
下から見ていては気づかなかったが、でかいだけでなく分厚い。
などとおもった矢先、切断されるロープ。
一瞬の浮遊感の後に彼に掴まれ、なんとか状況から脱出したのだと言うことを理解するのだが…

「ありがとさん…次があったらソフトに頼むぜ」

しまった首がとても苦しい。

ジョン > 「掴むところが他にあればな」

げらげら、と笑えばぱっと手を離して。
次がねえことを祈りな、と言えば。

「んで……引っかかったのはこいつか」

その目は踏み抜いたであろう罠に向いていて。
ふむ、と腕組みをすれば。

「帰り道ってんで油断でもしたか?」

おめーなら早々に引っかかるたまでもねえだろうに。
そう言いたげに見下ろした。

ブレイド > 不意に手を離されればべしゃっと地に落ちる。
吊るされたところから落ちたことを想像すれば
この痛みすらもだいぶマイルドだ。
痛みよりも安堵のほうが大きい。

「今度は取っ手でもつけとくよ」

立ち上がり、ホコリを払えば罠の仕掛けの方をみて
…まぁ男の言う通り油断なのだが

「それもあるけどな、階段一歩目に仕掛けられてるとは思わなくてよ」

言い訳がましいし、明らかな油断の賜物なのだが
自分が降りてきた階段だ。
そう思ってしまうのも無理は無いと信じたい。

ジョン > 「取っ手か。ありゃ俺も楽だわな」

その軽口にげらげらと笑って返せば。
身を屈め視線を合わせる。
無論そこまでの幼い年と言うわけではないが。
何分こちらは馬鹿のようにでかいから致し方なし。

「ま、今回は運が良かったな。
 俺がいなけりゃ下手すりゃ死んでたぜ」

視線の高さを合わせたまま、真面で向き合う。
真剣にあんじているのかまではわからないが。

ブレイド > 屈まれると、なんか必要以上に子供扱いされているようで
少しばかり複雑な気分になるが
自分が小さいわけではなく、相手がでかいのだ。しかたない。
まるで巨岩か大木かといった風情だ。
なんにせよ、助けられたことには違いない。

「そうだな。割とやばかったかも
改めて助かったよ。ありがとな」

視線を合わせてくれはするが。中腰では辛くないだろうか?
その大きさだと。
傍目から見て鍛えられた体だ。心配は無用なのかもしれないが。

ジョン > 「ま、今回は俺がいたんだ、運が良かったな」

がっはっは、と笑ってから身を起こして。
周りを見回してから。

「坊主がいたんじゃここもろくなもんはねえか。
 ま、無駄に時間を費やさなくて済んだと思えば安いか。
 もう帰るんならついていってやるぜ?」

ま、新たに仲間を加えて潜り直すのも否定はしねーけどな。
そう付け加えながら少年を見下ろした。

ブレイド > 「悪運の強さにはいつも驚いてるよ。
今度、街ででもあったら飯おごらせてくれ。
恩人だしな、借りっぱなしも気分がわりぃ」

高らかに笑う大男。
体だけではなく声もでかいようだ。
発言からすれば、同業者…もしくは遺跡漁りかという感じだが。

「ブレイドだ。流石に17で坊主はねぇよ。
そうだな…いくら構造がくるくる変わるっつったって、一瞬でお宝が生えてくるわけでもねぇ
さっきみてーなことにはならねぇだろうが、帰りは油断しやすいからな
ついてきてもらえると心強え」

流石にあんな目にあったのだ。
これ以上は行くなと、自分の中の勘もそう言っている。

ジョン > 「ガキんちょがんなこと気にすんなよ」

げらげら、と笑ってぼふぼふ、と強めに頭を叩く。
巨躯故にその力加減も結構強い。
もしかしたら痛いかもしれない。

「おう、ジョンだ。17ってやっぱガキじゃねぇか。
 ……ああいや、俺かりゃすりゃあ大半はガキになっちまうか。
 ジョンだ。正確な年齢は忘れたが三桁はいってるジジイだよ」

名乗り返せば、帰るとの旨に頷いて。
その勘を支持した。

「おう、ブレイドは良い冒険者になれるぜ。
 勘を信じねぇ奴はすぐに死にやがるからな」

ブレイド > 「叩くなよ。これ以上縮んじまったら
アンタと話すときに不便だろ」

首がガクンガクンと縦にゆれる。
加減はしてくれているのだろうが、それでもまだ強い。
恨めしげに見上げつつも、衝撃を受けた首を確かめるように回して

「オレの種族じゃガキ以上大人未満ってとこだよ。
アンタは…まぁ、こんだけでかけりゃヒトってことはねぇよな。
別に構わねーけどよ。
人間でも魔族でも別のモンでも。助けてくれたってなら恩人だ」

三桁も生きてこの姿だというのなら、人という線はないだろう。
だが、気にする素振りも見せずに階段を上り始める。

「はは、お墨付きってやつか。
ま、死に急ぐのは趣味じゃねーしな」

ジョン > 「縮まねーよ。縮むとしたら物理的に死ぬわ」

不便だろと言われれば確かにな、と笑い。
がくがく揺れている頭をわしわしとしてから手を離す。

「ま、ジジイなのは確かだぜ。
 詳しい種族は知らん。人魔とか俺ぁどうでもいいしな。
 ミレーだろうが知ったこっちゃねえよ」

階段を登り始めればそれについていくようにあがっていき。
にしてもこんなバカでかい奴に対応してくれんだから移籍様々だぜ、などと言いつつ。

「冒険者なんか馬鹿臆病ぐらいでいいんだよ。
 にっちもさっちもいかなくなったら命をベットにするぐらいの度胸はねえとやっぱ死ぬが」

ま、何事もバランスだな、と言いながら。

ブレイド > 「これで死んだら、死体の身長はもとの2割増にしといてくれ」

せっかくの道連れだ。
軽口を交えてひらりと手を振る。
こういった会話というのも久しい気がする。
種族がら、あまり他の冒険者と馴れ合うことはないから。

「かといって、じーさんと呼べる面でもねーよ。
ま、アンタが何であれ、オレも知ったこっちゃねー」

頭を撫でられたときに気づかれたか。
まぁ、相手も人ではないしこう言っているのだから
気にするようなことでもないだろう。

「その点はご心配なくだ。
そもそも土壇場ってのにはあまりたたねーようにしてる」

などと嘯きつつ周囲の警戒。
階層をあがってすぐ罠なんてたまったもんじゃない。
警戒したかいもなく…いや、かいあってか。
罠は見当たらない。

ジョン > 「伸びねーよ。いろんなところもげんぞ」

軽口に軽口を返しながら。
歩みは止まらず。
特になんら気にも止めた様子もなく。
無警戒のようにも見えるが……。

「土壇場なんて経験しねーように立ち回るのが肝要だしな」

特に何もないことを察しているのかいないのか。
そのまま歩みを止めずに進んでいく。
最早堂々としすぎていて無警戒にすら思える。

ブレイド > 無警戒のように見えるジョンの歩み。
こちらは背も低いし警戒も怠らないため
たまに駆け足にならないと追いつかない。

「まぁ、アンタなら罠だって踏み壊しちまうかもしれねぇが…
さっきオレが罠にかかったってのは『一度通った階段』ってこともあんだよ」

つまり、一度きた道。通った道。
見た目に変化は見られなくても罠が増えている可能性もあるということだ。
だからこそ警戒を解かないわけで。

「気をつけてくれよ?爆発の罠なんてあったら
アンタが無事でも隣りにいるオレはそうもいかねーんだしよ」

ジョン > 「あん? ああ、安心しろよ」

無警戒に歩いてるように見えて。
ふと、その足を止めてから、屈んで地面を軽く触れて。
そこを撫でてから。

「落とし穴か。抜いとくか?
 それ以外はねぇようだが」

無警戒のように見えて、その実密な警戒をしていたのか。
よくわからないがしていたらしい。

ブレイド > 「へぇ、さすが十倍ほど生きてるってとこか?
年長者の勘ってやつ…」

落とし穴の気配を察知したようす。
視線も高いのに、よくやるものだと感心する。
足の裏が敏感なのかもしれないが
何にせよ、気にする必要はなかったようだ。

「みてーだな。せっかくだしぬいといてくれ。
思ったよりもでかい穴だったーとかじゃ笑い話にもなんねー」

ジョン > 「まぁ、大体のは気配っつーか空気の淀みっつーか。
 統合的ななんやそれで分かるわな」

とん、とそのまま床を抜けば。
ドゴォ、と言う音と共に通路を塞ぐほどの大穴。
そして、向こう側まではおおよそ5mほどの距離。

「…………いや、馬鹿じゃねぇの?」

あまりの巨大さに巨躯のジジイも驚いた。
思ったよりのデカさどうのじゃない。
何落とすつもりだったんだこの穴。

ブレイド > 「ふーん、空気ねぇ。
雨が振りそうで振らない日とかに便利そうだな…っと」

とりあえず立ち止まり
ジョンが穴を踏み抜くのを待つ。
いざ大きな音を立てて踏み抜けば…
通路いっぱいの大穴。
しかも、普通に飛び越えることすらできなさそうな。
実質行き止まりになったと言ってもいい。

「……馬鹿だな。馬鹿だろ…
でも、こうなってるってことは…」

落とし穴は踏み抜いたことで開いた。
つまりは感圧式。ここを通るものであれば人も化物も関係なく落ちるアレだ。
ならば…

「えーと、ちょっとまてよ」

壁をしばらく調べれば…あった。隠し通路だ。

ジョン > 「おう。便利だぞ。雷落ちるところとか大体わかるからな」

何に使うのかわからない技能。
巨大穴を見下ろしてから。
穴の中には針山剣山が無数に連なっているのが見えた。
えげつない。

「んじゃ、正規ルートがあるならそっちだな」

俺が抱えて飛んでもいいけどな、と笑いながら。
隠し通路を見つけたブレイドに流石だぜ、とサムズアップする。

ブレイド > 「雷は…そう何度も落ちるもんじゃねーだろ…
つか、ひでー罠だな。殺意しか感じねぇぞ」

さっきは下手すれば死ぬだったが
この罠は落ちたら死ぬしかない。
罠のバランスがいまいち謎なのも
この遺跡の妙なところだ。

「日に二度も抱えてもらっちゃ
配送料も割増になっちまうからな。
それに、足手まといのままってのもカッコわりぃ」

いこうぜ。と、手招きしつつ道を行く。
二人であれば、危なげなく脱出できるだろう。
この巨躯は見掛け倒しではあるまい。このあたりの化物程度なら一蹴できそうだ。

ジョン > 「雷魔法とか避けるのに使えるぜ?」

どんな用途なのか。
とんでもない用途を提示してきやがったこのジジイ。

「殺意ましましだなぁ。
 これでさらにローリング・ストーンとかついてたら回避不能だな」

デストラップにも程がありやがるぜ、と肩をすくめて。
実際にあるのかはわからないが、奥側をみやり、何かがあると勘が訴えているようで。

「んじゃ、脱出といこうぜブレイド。
 なあに、てめえが足手まといになるような状況早々ねえよ」

自分の力量を弁えてる奴が足手まとい?
そんな事は早々起こりはしないだろう。
二人して歩み、遺跡を脱出するのであった。