2019/03/16 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > 九頭龍山脈に存在する、ある遺跡の一つ。
本日の気紛れは、少女をその遺跡へと導いた。

「ふむ…」

かちり、歩みを進めていれば、何かを踏んだ感触。
次の瞬間、見え難く壁に空けられた無数の穴から、一斉に数本の矢が襲う。
…のだが、とん、と地面を蹴った少女は、一瞬でその場から姿を消した。
乾いた音を立て、壁に当たり地面に転がる矢。
それに近付けば、ひょい、と落ちていた矢を手に取る。

「いやはや、今日の遺跡は罠が多い。
しかも、ありがちなものばかりじゃ。
………だがしかし、それが良い。
まさしく、遺跡を探索しているとの気分にさせられるのぅ?」

手にした矢を、指でくるくると回したりして弄る。
そのまま、少女は更に奥へと進んでいき。

タマモ > 「しかし、罠はあれど、お宝らしきものは姿を見せん。
久々なのじゃから、さらっと出てくれても良い気がするんじゃがのぅ…?」

視線に入る扉、ずんずんと近付けば、すぱーんっ!と無警戒に開け放つ。
ずず…と、何かが擦れる音。
そして、正面から少女を襲うギロチンの刃。
だが、指で弄んでいた矢を、ひゅんっ、と投げ付ける。
放たれた矢は、その刃を支える鎖、その繋ぎ目に正確に突き刺さった。
がぢんっ、と何かが千切れる音が鳴り…続いて、ずどぉんっ!と重い何かが落ちる音。
その刃は少女に届く事無く、地面に落ち、めり込んでいた。

「おぉ、怖い怖い…本当に怖いのぅ。
あんなもの、まともに喰らっては命が幾つあっても足りん。
………喰らったら、じゃがな?」

ふふんっ、とどこか自慢気に胸を張る少女。
落ちた刃を避けるようにしてすり抜け、部屋の中に。
何か無いか、そう思い部屋を見渡すのだが…

「むぅ…ここもはずれか…」

何か、色々と転がってはいる。
そうなのだが、どこか、ぴんとくるものがなかった。
唸った後、はふん、と溜息を一つ。
開け放った扉から廊下へと戻れば、再び次なる扉を目指す。

タマモ > ひー、ふー、みー、と指折り数える。
何を?と問われれば、この遺跡での罠の数だ。
こうも罠ばかりの遺跡は、そうそうお目に掛かってない。

「あー…そうか、だから魔物も…」

そこで、ふと気付いたように、そう呟いた。
思い出してみれば、今日は罠以外見ていない。
魔物が居れば軽く相手してやるし、誰かがいれば…まぁ、うん、以下略。
ともあれ、それはそれで、何とも微妙な事なのだ。

「仕方無い、今回はお宝に期待じゃろうか」

ごそごそと袖に手を突っ込み、漁る。
そこから扇子を取り出せば、ばさっ、と広げ、ぱたぱたと扇ぎ出した。
結構歩いているのもあるし、遺跡の中だ、少々体が温まっているのだ。
少女は遺跡の中を歩き続ける、先に待っているだろう、お宝を目指して。

まぁ、別にお宝でなくても良いが。

タマモ > さて、その結末やいかに。
次回へ続く…かもしれないし。

ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは、前回に続き九頭龍山脈に存在する、ある遺跡の一つ。
入り口から、数々の罠が捌かれ、その残骸が点々と残る。
そうしたものがある中、それなりに深くまで進んだ場所。
そこに、ぽっかりと穴が広がっていた。
大きさは通路の左右端まで、前後は少し助走を付けないと、飛び越せないくらいか。
明らかに、開閉式の落とし穴、ぎぎぎ…と軋んだ音を立て、それが閉まってゆく。
………のだが。

「いやいやいや、まだ妾が出ておらんじゃろうに。
閉まるでないわ、このド阿呆めがっ!」

がし、閉じる途中の落とし穴が、下から伸びてきた尻尾に止められる。
そして、その尻尾も持ち主である少女が、ふわりと浮き上がって。
とん、と落とし穴の先に着地をすれば、尻尾を戻し…抑えを失った床が、ばたん、と閉じた。

「まったく、油断をしたのぅ。
しかし、ほぼ人工的に仕上げられた罠の数々か…
魔法に頼らずにこれとは、やるものじゃ」

そう、ここには罠が多数存在していた。
だがしかし、それらはすべて魔法に頼ったものではなかった。
先にあった飛び出す矢にしても、振り子を利用したギロチンにしても、今の落とし穴にしても。
まぁ、他にもあったが、あえてそれは省略しよう、説明が面倒だ。

ぽんぽんと着物の汚れを叩き、はふん、と深く吐息を吐く。
さて、お宝はまだまだ見付からぬ、先を進まねばならないか。

ご案内:「無名遺跡」にシルフィーナさんが現れました。
シルフィーナ > 足を踏み出した瞬間。
ぶに、と柔らかい感触が足裏に返る。

下を見れば倒れ伏した銀色の髪の少女。
うつ伏せに倒れたままぴくりとも動かず。

踏まれても無反応。
死んでいるのではないか、と思うぐらい微動だにせず。

タマモ > 「………うん?」

かくん?少女が首を傾げたのは、更に一歩踏み出してからだ。
うん、何か思いっ切り踏み付けた、気がする。
気がするって言うか、現実であった。

うわ、ばっちぃものでも何か踏み付けたか…?
とか何とか、相手に失礼な事を考えながら、恐る恐る振り返り…視線を下に。
そして、動きが止まる。

「お、おおぉ…良かった…いや、良いとか悪いとか、そんな問題ではないか」

どこか胸を撫で下ろすようにしながら、よいせ、と少女の前に屈み込む。
踏んでも反応しなかったし、もしかしたら…とは思うも、まぁ、生きてるかどうかくらいは分かる。
とりあえず、ごろん、と相手をちゃんと確認する為に転がしてみた。

シルフィーナ > 「……う、ん……」

ところどころに擦り傷やら何やらがあるかどうやら生きてはいるようで。
どうやら落とし穴に落ちた時に打ちどころが悪かったらしい。
そのまま気絶してしまったまま、次なる犠牲者がやってきて、そして彼女を踏んだ。
つまりはそういう事なのだろう。

タマモ > どうやら、落とし穴から出るのに、そこらに伸ばした尻尾の一本に引っ掛かってたらしい。
こうした無機質の罠ってのは、何とも反応し辛いもの。
焦ったせいでの、こうした結果…らしいか?

「………うむ、大丈夫じゃ、踏んだ事は分かっておらんな」

ある意味、この少女が気絶していたのは助かった。
と言う訳で、それならば安心と、改めて少女を見遣る。
まだ、意識は戻らなさそうか、そろそろ、気が付きそうか。
その辺りで、ちょっと対応を考えようと。
起きそうならば、普通に対応しなければなるまい。
だが、まだ戻らなさそうなら…そんなもの、結果は決まっていようが。

シルフィーナ > 「……」

くったりとしたまま、意識はまだ戻らない様子で。
ぺちぺち、と頬を叩いても身じろぎするばかり。
決まった結果の行く先など、意識のないこの娘には分からず。
銀色が頬にかかったまま、紫紺の瞳は閉じられたまま。
何か強いショックでも与えれば意識は戻りそうなものだが。

タマモ > 「………」

暫し沈黙。
ご想像通り、ぺちぺちと軽く…本当に気付かぬ程に軽く、頬を叩いたり。
やはり、同じく気付かぬ程に軽く、揺すってみたり。
ちょっとだけ試すか、少女の意識は戻らない。

「ふむ…こんな場所で寝かせたまま、と言うのもあれじゃろう。
せっかくじゃ、妾が気が付くまで、いたz…
………もとい、気が付くまで、ちゃんと見てやろうかのぅ。
そうじゃそうじゃ、それが良かろうて」

うんうんと頷きながら、誰に言うでもない、独り言を呟いて。
言い訳がましい?気にしたら負けだ。
少し戻れば、何もない部屋があったはず。

ふっ、と笑みを浮かべ、少女を抱え上げる。
それから先に何が起こるかは…きっと、想像し難くない。

ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からシルフィーナさんが去りました。